2021年のMA導入率は17%(昨年の15%から微増)、さらなる浸透には課題も【クラウドサーカス調べ】

スターティアホールディングス株式会社(本社:東京都、代表:本郷秀之、コード:3393)は、連結子会社でデジタルマーケティングSaaS事業を手掛けるクラウドサーカス株式会社(本社:東京都、代表:北村健一)において、企業に勤める3,655名に対し、「マーケティングオートメーション(以下、MA)に関する意識調査 第5弾(2021年版)」を実施し、調査結果を公表した。ここではその概要についてポイントを絞って見ていく。

調査概要

[期間]
2021年10月21日(木)~10月22日(金)   

[方法]
インターネット調査

[対象]
企業に勤める全国の20代〜60代の男女、3,655名

[内容]
MAに関する意識調査 第5弾(2021年版)【Cloud CIRCUS調べ】

<設問①> MAを導入していますか?

<設問①> MAを導入していますか?

<結果①>⇒2021年のMA導入率は17%

「MAを導入している」と回答したのは全体(1,588名)の17%(268名)という結果だった。MA導入率は過去の調査結果を振り返ると2017年11月:7%、2018年10月:10%、2019年10月:13%、2020年10月:15%と年々微増していることが分かった。

<設問②>あなたのお勤め先がMAを導入しない(検討出来ない)理由として当てはまるものを教えてください。

<設問②>あなたのお勤め先がMAを導入しない(検討出来ない)理由として当てはまるものを教えてください。

<結果②> ⇒MAを導入しない理由1位は5年連続で「費用が高いから」。

MA非導入企業のうち、MAを知っていると回答した181名へ聞いている。「導入費用が高い」「月額費用が高い」が上位になった。2017年から2021年まで5年連続でMAを導入しない(検討出来ない)理由1位は「導入費用が高いから」だった。

<設問③>もしあなたが改めてMAを導入するとしたら、以下の中で何を選びますか?

<設問③>もしあなたが改めてMAを導入するとしたら、以下の中で何を選びますか?

<結果③> ⇒MA導入時に「専門家の意見が必要と感じた」のは全体の79%。

MAを導入している、もしくは導入したことがあると回答した237名へ聞いている。「コンサルティングは導入せず、自社ですべておこなう」と回答した人はわずか21%(49名)という結果だった。費用がかかったとしても、コンサルティングが必要と感じている人が多いことがうかがえる。

<設問④>新型コロナウイルス流行前と比べて、受注数(新規契約数)はどのように変化しましたか?

<設問④>新型コロナウイルス流行前と比べて、受注数(新規契約数)はどのように変化しましたか?

<結果④> ⇒MA導入者は受注数(新規契約数)が増えたと回答した企業が多い。

MA導入者(306名)のうち28%(86名)が「受注数(新規契約数)が増えた」と回答した。一方、MA非導入者(1239名)は増えたという回答が8%(92名)に留まり、MA導入者と非導入者間でコロナ禍の受注数(新規契約数)に明確な差があった。

MA導入が進むも、さらなる浸透には課題も

調査結果にあるように、2021年のMA導入率は17%で昨年の15%から微増し、MAを導入しない理由1位は5年連続で「費用が高いから」だった。またMA導入時に「専門家の意見が必要と感じた」のは全体の79%で、MA導入企業は、コロナ流行前と比べて問い合わせ数・商談数・受注数共に、増加もしくは変化していないという回答が多い一方、MA非導入企業は増加率が低く、商談数・受注率共に減少傾向にあった。

同社は調査結果を受けて次のように述べている。

「昨年度の調査と比較して、MAの導入率は一昨年は13%、昨年は15%と増えており、今年度の調査でも17%と徐々に増加していることが明らかになりました。このことから、MAの導入が一過性のものではなく、世の中で徐々に進んでいることがわかります。しかしながら、導入できない理由としては、導入費用と月額費用の高さが最も大きな要因となっており、企業にとって依然として導入コストがMA導入の大きな壁になっていることがわかりました。

今年度も企業活動における新型コロナウイルスの影響が心配されましたが、昨年度に引き続きMA導入企業は非導入者に比べて、お問い合わせ数、商談数、受注数のすべてにおいて『増えた』という回答が多いことがわかりました。また、展示会などのオフライン施策について『効果がある』という回答が昨年度に比べ減っており、オフラインからオンライン施策への転換が数値にあらわれる結果となりました。

昨年度から大幅な変化があった項目はありませんが、MAの導入率やオフライン施策の効果が下がっていることなどから、引き続き従来の営業活動からオンライン施策(Webマーケティング)への転換を余儀なくされていることが想定できます。また、昨年度に引き続きMA導入の有無と新型コロナウィルスの影響 の有無の相関性も判明しました。

ただし、MA導入者とMA非導入者どちらも『専門知識を持った担当がいない』ということを課題に感じている企業が多いという実態もあります。マーケティング人材をいかに確保していくか、または教育していくかに加え、専門知識を持った担当がいなくても始められる施策(ツール)を選択していくことも企業成長の大きな鍵になりそうです」

同社も述べているように、新型コロナウイルスによる感染拡大の影響によって、ビジネスの場でもデジタル化の機運が一気に高まったものの、MAの導入速度は、けして速いとは言えないようだ。そこには、費用対効果や専門知識のある人材の不足があるようだが、こうした課題に対応していくことが、さらなるMAの浸透には欠かせない要素となりそうだ。

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