消費者が直接企業に伝える不満の声は全体の51%、本音の多くはSNSに拡散されることが明らかに

ECのミカタ編集部

トランスコスモス株式会社(本社:東京都豊島区、代表取締役社長兼COO:奥田昌孝)は、「消費者と企業のコミュニケーション実態調査2021を行い、その調査結果を発表した。

本調査結果からは、企業に直接届く不満の声は全体の51%にすぎず、残りの多くはSNSなどにクチコミの形で拡散し、それを見た他者の購買行動に影響を与えることが明らかとなっている。

企業は新チャネルの環境整備が急務

消費者同士のコミュニケーションにおいては、世代を問わずデジタル化が進行している。

一方、消費者と企業のコミュニケーションにおいては、4人に1人がメッセージアプリやチャットボットなどの新チャネルを利用しているが、依然として電話や店舗の利用も根強い。コロナ禍によるライフスタイル変化の影響もあり、リアルとデジタルの使い分けが進んでいると言える。

その中で、消費者の半数近くは新チャネルの利用を望んでいるが、企業はそのニーズに応えきれていないという課題がある。

問題解決に至るまでのカスタマージャーニー全体の改善が必要

問題解決に至るまでのカスタマージャーニー全体の改善が必要

問題や不満が生じた際、消費者の97%はまずWeb検索を行い、79%は公式サイトの情報やFAQを駆使して自己解決をはかるが、自己解決できない場合は、不満を募らせながら対人チャネルに移行する。

こうした現状を踏まえると、企業が消費者の自己解決を促すためには、カスタマージャーニー全体を改善することが求められ、自己解決率の向上は、対人チャネルの品質向上にもつながると考えられる。

また、問題解決時の顧客体験における消費者の真のニーズは「ストレフリーな体験」であり、多くの問題は「問題解決に至るプロセス」に潜んでいる。単にチャネルやコンテンツの拡充だけでなく、デジタル技術を駆使し、シームレスなチャネル誘導やデータ連携などの施策で問題解決行動のプロセス自体を改善していく必要がある。

企業に直接届く不満の声は全体の51%

企業に直接届く不満の声は全体の51%に過ぎず、残りの多くはSNSなどにクチコミの形で拡散し、ほかの消費者の行動に影響を与える。

カスタマージャーニーを改善するには、ソーシャルリスニングを活用しSNS上の消費者の本音を拾い上げ、時にはアクティブサポートでSNS上の声に直接働きかけ、より幅広い消費者層に対して利用促進や問題解決を支援する必要がある。

商品やサービスに不満を感じたとしても、実際にその企業に不満を伝えるのは面倒なものである。これまでの自身の行動を振り返ると、不満を感じても直接企業に伝えるのではなく、家族や友人に体験をシェアしたり、SNSに投稿したりした経験のある人は多いはずだ。

自分たちに直接届く声だけを聞いていたら、知らないところでどんどん自社の商品やサービスの悪評が広がっていくことにもなりかねない。企業がカスタマージャーニーを設計する際には、「自分たちが把握しているユーザーの声は、ユーザーの本音のごく一部である」ことを肝に銘じておかなければならないだろう。

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