EC利用者の77.5%、ECサイトの信頼性に不安を感じた経験あり

ECのミカタ編集部

一般社団法人中小企業個人情報セキュリティー推進協会(所在地:東京都新宿区)は、過去1年以内に10種類以上のECサイトで買い物をした人539名を対象に、「ECサイト利用時のセキュリティ意識」に関する調査を実施し、その内容を公表した。ここではその概要についてポイントを絞って見ていく。

調査概要

調査概要:「ECサイト利用時のセキュリティ意識」に関する調査
調査方法:インターネット調査
調査期間:2021年12月7日〜同年12月9日
有効回答:過去1年以内に10種類以上のECサイトで買い物をした人539名

約8割の人がECサイトの「信頼性」に不安を感じた経験

約8割の人がECサイトの「信頼性」に不安を感じた経験

「Q1.あなたはECサイト利用時に、サイトの「信頼性」に関して不安を感じたことがありますか。」(n=539)と質問したところ、「かなりある」が30.4%、「ややある」が47.1%という回答となった。

また「Q2.Q1で「かなりある」「ややある」と回答した人に聞いている。あなたは、ECサイトのどのような点で「信頼性」に関する不安を感じましたか。(複数回答)」(n=418)と質問したところ、「運営元が海外」が52.6%、「運営元を知らない」が47.6%、「決済画面のチープさ」が44.3%という回答とった。

さらに「Q3.Q2で「わからない/答えられない」以外を回答した人に聞いている。Q2で回答した以外に、ECサイトの「信頼性」に関して不安に感じた点があれば、教えてください。(自由回答)」(n=409)と質問したところ、「HPの案内や商品紹介の文面の日本語が明らかにおかしい場合」「値段が安すぎる」など276の回答があった

8割以上の人がサイトのセキュリティを意識

8割以上の人がサイトのセキュリティを意識

「Q4.あなたは、利用するECサイトを選ぶ際に、そのサイトのセキュリティや、個人情報保護についての対応がされているかどうかを意識していますか。」(n=539)と質問したところ、「かなり意識している」が35.3%、「やや意識している」が45.6%という回答となった。

「Q5.Q4で「かなり意識している」「やや意識している」と回答した人に聞いている。個人情報やセキュリティの取扱いに不安があるか無いかを判断する際に、どのような項目を確認しますか。(複数回答)」(n=436)と質問したところ、「サイト内の口コミや利用者投稿」が62.4%、「GoogleやYahoo!などで検索した噂や評価」が59.6%、「サイト内にある「特定商取引法に基づく表記」」が52.8%という回答となった。

9割以上が不安があるサイトでの買い物「躊躇」

9割以上が不安があるサイトでの買い物「躊躇」

「Q6.あなたは、セキュリティ対応や個人情報保護の取扱いに不安があるECサイトでの買い物を躊躇しますか。」(n=539)と質問したところ、「かなり躊躇する」が51.4%、「やや躊躇する」が38.6%という回答となった。

「Q7.Q6で「かなり躊躇する」「やや躊躇する」と回答した人に聞いている。セキュリティ対応や個人情報取扱いに不安があるECサイトでの買い物を躊躇する理由を教えてください。(複数回答)」(n=485)と質問したところ、「個人情報が流出しそうだから」が70.1%、「購入以外の目的でも連絡されたり利用される可能性があるから」が55.5%、「信頼性がかけ、商品の質も不安に感じるから」が55.1%という回答となった。

EC利用のメリットは?

EC利用のメリットは?

「Q8.ECサイトでの買い物のメリットとして、最も感じているものを教えてください。」(n=539)と質問したところ、「すぐに欲しいものを見つけられる」が29.5%、「配送で手元まで届く」が22.1%という回答となった。

また「Q9.あなたが、ECサイトで買い物をする際に重視する点を教えてください。(複数回答)」(n=539)と質問したところ、「商品の価格」が65.5%、「セキュリティや安全性」が53.8%、「口コミ評価」が50.1%という回答となった。

また「Q10.Q9で「わからない/答えられない」以外を回答した人に聞いている。Q9で回答した以外に、ECサイトで買い物をする際に重視する点があれば、教えてください。(自由回答)」(n=530)と質問したところ、「返品の利便性」「口コミはサクラではないか」などの回答があった。

約半数の人が購入時に「2~3種類」のECサイトを比較

約半数の人が購入時に「2~3種類」のECサイトを比較

「Q11.あなたは、ECサイトでモノを買う際に、大体何種類くらいのサイトを比較検討しますか。」(n=539)と質問したところ、「10種類以上」が12.8%、「8種類~9種類」が8.5%という回答となった。

また「Q12.今後、第三者への閲覧履歴の提供をサイト利用者が止めるための仕組みを、運営者に義務付ける可能性が模索されていることを知っていますか。」(n=539)と質問したところ、「知っている」が38.1%、「知らなかったが、興味はある」が51.0%という回答となった。

求められるECサイトの安全性と信頼性

今回の調査結果にあるように8割以上の人が、利用するECサイトを選ぶ際に、サイトのセキュリティや個人情報保護についての対応について「意識している」ことがわかった。個人情報やセキュリティの取扱いに不安があるか無いかを判断する際に参考にしている情報として、「サイト内の口コミや利用者投稿」が62.4%で最多、次いで「GoogleやYahoo!などで検索した噂や評価」が59.6%、「サイト内にある特定商取引法に基づく表記」が52.8%だった。

また、9割の人が、セキュリティ対応や個人情報保護の取扱いに不安があるECサイトでの買い物を「躊躇する」と感じており、その理由として、「個人情報が流出しそうだから」が70.1%で最多だった。続いて、改めてECサイトでの買い物のメリットについて尋ねたところ、「すぐに欲しいものを見つけられる」が29.5%、「配送で手元まで届く」が22.1%、「安く購入できる」が19.5%となった。

さらにECサイトで買い物をする際に重視する点については、「商品の価格」が65.5%、「セキュリティや安全性」が53.8%、「口コミ評価」が50.1%と、セキュリティはもちろん、価格が安いことや、口コミという利用者の評価で判断される人も多いようだ。

他にも「返品の利便性」や「口コミはサクラではないか」などの意見も挙がった。また約5割の人が、購入時には「2~3種類」のECサイトを比較すると回答しており、実店舗を回るよりも手軽に他店と比較が出来ることに魅力を感じている人も多いようだ。

そして半数以上の人が、今後ECサイト運営者へ「第三者への閲覧履歴の提供を止める仕組み」の義務付けが検討されていることに「興味」を示しており、「既にこの義務付けの検討を知っている」と回答した人が約4割もいることも判明した。

今回の調査では、コロナ禍を追い風にして、ネットショッピングの利用が当たり前となった昨今、利用者たちがサイトに対して信頼性を求めていることが明確となったようだ。

現時点では口コミやサイトの見え方によって信頼度を図ることも多く、ECサイトがひしめき合う中で、セキュリティや安全性を重視する傾向が益々強まることになるものとみられ、そこに対応していくことが結果として売上にもつながることになるだろう。消費者が安心して買い物をするための仕組みが今後さらに求められることになりそうだ。

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