冷凍倉庫・冷蔵倉庫の概要や必要な設備を紹介

ECのミカタ編集部

冷凍倉庫・冷蔵倉庫の概要や必要な設備を紹介

食品の品質は保管・輸送・流通の温度管理や取り扱いによって変化が大きい。そのため、「食品物流の基本的な知識を身につけたい」「品質を維持するために食品物流を外部に依頼したい」と考えることもあるだろう。

今回は、冷凍倉庫・冷蔵倉庫の概要や必要な設備、食品物流で使用される温度帯などの基本的な情報とともに、食品系のECサイト運営でよくある悩みや、その解決法として冷凍倉庫を委託する流れについて紹介する。自社の運用体制や商品の品質管理を見直す際の一助としてほしい。

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冷蔵倉庫・冷凍倉庫とは

物流倉庫において、食品類を取り扱うためには温度管理が欠かせない。それぞれに適切な温度で食品を保管・管理するために、物流倉庫の中には「冷蔵倉庫」や「冷凍倉庫」と呼ばれる倉庫がある。このうち「冷蔵倉庫」とは、一般的に商品を10℃以下で保管する倉庫のことを指し、「冷凍倉庫」は、-20℃以下で保管するものだ。まずは、食品倉庫における基本的な知識をおさえよう。

食品倉庫の保管温度帯は4種類


物流倉庫では、食品の種類や性質に合わせて保管温度帯を定めている。

保管温度帯を基準にすると、食品倉庫は以下の4種類に分けられる。

冷蔵倉庫における温度管理の基準


冷蔵倉庫における保管温度帯は、倉庫業法施行規則の「基準保管温度」によって、以下のように定められている。

施行規則の定義では冷凍倉庫も冷蔵倉庫の一部だが、冷蔵保管と冷凍保管をわかりやすく区分するため、10℃~-20℃未満のC級(チルド)倉庫を「冷蔵倉庫」、-20℃以下のF級(フローズンもしくはフリーズ)倉庫を「冷凍倉庫」と呼ぶことが多い。

冷凍倉庫で必要な設備とは



倉庫業法により、倉庫業を営む場合には定められた以下の施設・設備基準を満たさなければならない。
●防水性能
●耐火・防火性能
●必要に応じた災害防止措置
●消化設備
●防犯装置
●通報設備

温度管理が重要となる冷凍倉庫では、上記に加え以下の設備が必要だ。
●エアコン
●ドッグシェルター
●温度を逃さない扉
●冷凍倉庫内の温度に対応している什器

その他、冷凍倉庫内で走行可能なフォークリフトや温度計、倉庫内の霜・湿気対策なども必要となる。

3温度帯、4温度帯、5温度帯とは

食品の保管や輸配送には、商品ごとに適した温度管理が必要となる。ここでは、食品物流で用いられる「3温度帯」「4温度帯」「5温度帯」について説明する。

3温度帯



 3温度帯とは、温度帯を3つの区分で分けたもので、「保管温度帯」と呼ばれることもある。「常温」「冷蔵」「冷凍」の3つの温度帯で食品の温度管理を行う。一般的な温度管理の基準は以下の通りだ。

「常温」の温度帯は各倉庫の立地条件やメーカー、取り扱う商品、配送業者などによって基準が異なることに注意が必要だ。

4温度帯



4温度帯は、3温度帯に、一定の温度・湿度が保たれた状態である「定温」を加えたものだ。定温は一定の温度での保管が望ましい食品の保管に適しており、取り扱う商品によって温度が変わる。

5温度帯



5温度帯は、より厳格な温度管理が求められる食品に対応できるよう、5つの温度帯を定めたもの。近年の食品物流では、倉庫業法施行規則の「基準保管温度」を参考にし、以下の5つの温度帯で品質管理を行っている。

食品系のECサイト運営でよくある悩み

食品系のECサイト運営でよくある悩み

冷蔵・冷凍食品の取り扱いでは、温度や配送方法など、さまざまな点に注意を払う必要がある。ECサイトで食品を扱う場合の悩みをまとめた。

●自社の冷蔵倉庫・冷凍倉庫のキャパシティが限界に近い
●自社の社員だけでは、出荷作業が追いつかない
●コールドチェーンが確立されていない
●バラピッキングやアソートへの対応に時間がかかる
●在庫管理の効率が悪い
●注文数に関係なく人件費などの固定費が発生する
●スタッフの採用活動・育成にコストがかかる

冷凍食品の場合、倉庫で厳密な温度管理を行っても、配送する途中で溶けてしまうなどのケースもある。そのような場合には、商品の入庫から出庫、配送までの全てのステップで最適な温度管理が行われる「コールドチェーン」を確立している冷凍倉庫に代行を依頼するのも1つの方法だ。

冷凍倉庫を委託するためには

食品系ECサイトに関わるさまざまな悩みを解決する方法として、冷凍倉庫の委託がある。ここでは、冷凍倉庫で食品物流を委託するためのフローと、注意すべきポイントを紹介する。

冷凍倉庫を委託するためのフロー



冷凍倉庫を委託して実際に運用を行うまでのステップは、以下の通りだ。

1. 代行業者への問い合わせ
2. ヒアリング
3. 代行業者からの提案・見積り
4. 倉庫見学
5. 代行業者との契約
6. テスト運用
7. 運用開始

設備や管理方法、衛生状況、実際の商品状態などを確認するためにも、倉庫の見学やテスト運用は必ず行うようにしよう。

冷凍倉庫の委託で注意すべきポイント



 冷凍倉庫を委託する際に、注意すべきポイントは以下の通りだ。特定のジャンルに特化した業者やギフト梱包に対応している業者など、さまざまな委託業者がある。自社にとっての優先事項を念頭におきながら、複数の倉庫を比較するようにしよう。

●対応している業務
●対応している食品
●倉庫・配送で用いられる温度帯
●バラピッキングやアソート、定期通販などへの対応の可否
●toB、toCの対応の可否
●異物混入防止対策
●料金(固定費、変動費、オプション)
●倉庫の立地
●フォロー体制
●過去の実績

まとめ

冷凍倉庫・冷蔵倉庫では、通常の配送とは異なる設備や厳密な温度管理が必要となる。温度管理の不備による品質の劣化は信頼度の低下にもつながるため、万全な管理体制を整え、高い配送品質を維持することが重要だ。冷凍倉庫の委託はさまざまな課題を解決する突破口になる可能性もあるため、一度導入を検討してみてはいかがだろうか。

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