ヤマト・KDDIなどが連携して、自動車のトランクを置き配先とする実証実験を開始

ECのミカタ編集部

KDDI株式会社(本社: 東京都千代田区、代表取締役社長:髙橋 誠、以下 KDDI)、ヤマト運輸株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:長尾 裕、以下 ヤマト運輸)、プライム ライフ テクノロジーズ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:北野 亮、以下 プライム ライフ テクノロジーズ)は、スマホをクルマの鍵にするデジタルキーを活用したトランクへの配達実証実験を実施する予定であることを公表した。

ヤマト「EAZY」にて「車内への置き配」に指定

KDDI株式会社、ヤマト運輸株式会社、プライム ライフ テクノロジーズ株式会社(以下「プライム ライフ テクノロジーズ」)は、国内で初めてスマホをクルマの鍵にするデジタルキーを活用したトランクへの配達実証実験(以下「同実証」)を2022年2月1日から2022年4月30日(予定)で実施する。

なお、トヨタ自動車からデジタルキーの提供を受けており、参加者はトヨタ自動車の車両所有者を対象としている。同実証では、参加者の自家用車にデジタルキーで解錠可能な専用デバイスを設置する。参加者にECサイトから商品を購入してもらい、ヤマト運輸の配送商品「EAZY」にて配達場所を「車内への置き配」に指定することで、配達員が車両のトランクなどをデジタルキーで解錠し、商品を届ける。

各社の役割

各社の役割

KDDIは、同実証をスピーディーに低コストで実現するためのスマホアプリとIoTサービスプラットフォームを組み合わせたシステム(以下「同システム」)を提供する。今後は、同システムを自動車業界のみならずさまざまな業界の法人顧客に提供することで、ビジネス課題の解決や顧客の利便性向上に寄与するコトサービスを実現し、企業や社会のデジタル・トランスフォーメーション(DX)を支援するとしている。

ヤマト運輸は、デジタルキーを活用した多様な受け取り方法の検討を進め、これまでオートロックのあるマンションでの実証実験などを進めてきた。同実証を通じてデジタルキーを活用した新たなオペレーションの実現性を検証し、今後は、ヤマト運輸が開発した複数社のデジタルキーを同時に管理できるマルチデジタルキープラットフォームと連携させることで、新たな受け取り方を提供し、多様化する受け取りニーズに対応するとしている。

プライム ライフ テクノロジーズは、ビジョンに掲げる「いつでもどこにいても 人と社会がつながるまちづくり」を実現する技術としてデジタルキーの活用に注力している。同実証においては、実施エリアの提案と参画する利用者とのマッチングなどを行う。今後もさまざまな業種業態との連携を深め、利便性の高い、より良い暮らしの実現を目指すとしている。

新たな「置き配」の選択肢となるか

ECの生命線とも言えるラストワンマイル配送に関しては、不在による再配達の頻発や生産労働人口の漸減、2024年問題など各種の課題が山積している。そこで、特に再配達問題に対応するために置き配の活用や、宅配ボックスの設置も進んできた。その置き配の選択肢のひとつとして新たに自家用車のトランクを選択肢とすべく新たな実証実験が開始されることとなった。

自家用車は言うまでもなく自宅敷地内か近隣に駐車することが常であり、また施錠ができることから、置き配をする先としては、格好の存在とも言える。実験を通して、セキュリティを含めた課題を洗い出し、新たな置き配の選択肢として活用できるかが焦点となりそうだ。

ヤマト運輸では、EC市場の成長やコロナ禍による新しい生活様式の定着により、多様化する顧客の荷物の受け取り方法に対するニーズに対応し、利便性の向上を目指すとしており、今後の展開にも注目だ。

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