博報堂が「withコロナ時代の行動デザイン予報」を公表

ECのミカタ編集部

株式会社博報堂(本社:東京都港区、代表取締役社⻑:⽔島正幸)の専⾨組織・博報堂⾏動デザイン研究所は、デジタル時代の⾏動デザインモデル「PIX ループ™」を活用し、15〜69 歳スマートフォン保有の男⼥1,000 名を対象に、コロナ禍において生活者の意識がどう変化したのかを調査し、その結果を公表した。ここではその概要についてポイントを絞って見ていく。

調査概要

【2021年 情報行動・欲求に関する調査】
実施時期:2021年10月22 日〜10月26日
調査方法:インターネットリサーチ(全国)
対象者:15歳〜69歳のスマートフォン保有の男女
サンプル数:1,000 人

コロナ禍による行動欲求、意識の変化

コロナ禍による行動欲求、意識の変化

◆全年代で、安全・損失回避・簡便を求める「安心系欲求」は高い傾向。

◆10代男女で「慎重な行動や自粛の継続」の支持が他年代と比べて高い。

◆もともと10代女性で高い数値を示す優越系欲求(独占欲、競争欲、顕示欲)/同調系欲求(追従欲、一体欲)の回復傾向が見られる。

新しい生活様式がもたらした人生観や考え方の変化

新しい生活様式がもたらした人生観や考え方の変化

◆人生観や考え方の変化として「とりあえず今を乗り切る」が全体で36.9%と最多。10代が特に強い傾向。次いで「柔軟に対応できるように準備や行動をしたい」が続く。

◆情報行動ジャンルにおいて「デジタルのみで体験したい」との解答が優位なものは無く、10代もほとんどのジャンルで「デジタル/リアルの使い分け」を支持。60代においては、利用したことが無いとの回答が多いジャンル(「恋愛」「子ども関連」等)に対するデジタル体験への関心や利用意向が高くみられる。

withコロナ時代の行動デザイン予報2022

◆生活者は全年代で安心・安全を重視して周りに合わせて慎重に行動することを意識している。一方で、10代女性の“他者への関心”は少しずつ戻りつつあるため、感染対策を万全にしつつ、彼ら向けの、人とのふれあいを感じることができるような施策が有効と思われるとしている。

◆先行きの不透明感から、生活者は「今」を懸命に乗り切ることを重視している。将来に備えるより「今」を充実させるようなサービス・商品が注目されるのではないだろうか。

◆シニア世代のデジタルサービスへの利用意向が高まっている。シニア向けの継続的な啓発やユーザー体験の強化も重視することがカギとなるかも。

コロナ禍で変化する消費者心理

全体として長引くコロナ禍において、「新しい生活様式」にたくましく順応している様子がうかがえる。また資料によれば、「観光やテーマパーク・旅行」「地元(行きつけのお店・街)」や「カフェ」など、外出が絡むジャンルについて、全国的な非常事態宣言/まん延防止等重点措置解除直後に行動意向復調の兆しが見られる一方、それ以外のジャンルでは、お金や時間の投資を控えていくという心理状態が続き、抑制された行動の揺り戻しには慎重な傾向にあり、これも長引くコロナ禍への反応と言えるだろう。

さらに体験の面で、「デジタルだけで体験したい」が少なく、「デジタルとリアルでの使い分け」が支持されていたのは興味深い。やはりいかにデジタル化が進行しようともリアルでしか味わえない体験があり、それを欲する消費者心理も読み取れ、これはECを展開する上でも、消費者視点に立った上で、的確にオンラインとオフラインを使い分ける(あるいは融合させる)のが重要であることが示唆されているとも言えそうだ。

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