タグ自動登録ツール「AIタッガーⓇ」運営のLISUTO、Angel Bridgeから資金調達を実施

ECのミカタ編集部

タグを自動登録する「AIタッガーⓇ」を展開するLISUTO株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:ニール・プラテック)は、Angel Bridgeを引受先とする第三者割当増資の資金調達を完了したと発表した。今後は、国内市場での事業拡大、及びグローバル展開も視野に入れた「AIタッガーⓇ」の発展および採用強化を加速させていくという。

独自開発の最先端AI技術を保有

LISUTOは日本に本社および営業拠点、イスラエルに開発拠点を構え「商品とユーザーの出会いをつくる」をミッションに、高精度の自動処理によって大量の情報を分類・抽出・マッピング・多言語変換できる独自開発の最先端AI技術を保有。これらに商品カタログや商品データの構造化に関する深い専門知識を組み合わせて「AIタッガーⓇ」を展開している。

「AIタッガーⓇ」のユーザー数は、佐川急便株式会社との資本業務提携の効果もあり、2021年3月からの1年間で400%以上増加、すでに約300社のユーザーに利用され高評価を得ている。

100時間分のタグ付けが5分で完了

「AIタッガーⓇ」は、楽天市場やYahoo!ショッピング等のECモールで商品を出品する際に行う商品のタグ付けを自動化するツールだ。商品CSVファイルを入力すると、ファイルに含まれるテキスト情報からAIが商品の特徴を判別し、適切なタグを最大限出力することができる。

ECモールでは、あらかじめ商品にタグ付けを施していないと、絞込検索に商品がヒットしない。そのため購入者が求める商品に出会えず、またEC事業者にとってもタグの未登録による販売機会の損失が課題であった。

しかしタグ付けは手作業するほかなく、多くの人的コストと工数を要するため、多くのEC事業者は部分的なタグ付けしか対応できずにいる。加えて、ECモール自体が登録できるタグの種類を定期的に更新するため、これに合わせて最新版のタグに登録し直すメンテナンス作業まで必要となり、EC事業者にとって大きな負担となっている。

同社が提供する「AIタッガーⓇ」を利用することで、人力では1000商品あたり100時間もかかる(1商品につき8個のタグ付けを6分として算出)ところ、5分で最大限のタグ付け処理が完了するという。

タグ付け商品の平均売上が43%向上

「AIタッガーⓇ」の導入にあたっては複雑な連携作業等を必要とせず、すぐに利用を開始することができる。

シンプルな使用感や、人的コストの削減、そしてタグ付けによる絞込検索ヒットでアクセス・売上の底上げを見込むことが好評を呼び、「AIタッガーⓇ」でタグ付けした商品は、処理しなかった商品に比べて平均売上が43%向上。最大では173%の売上向上に貢献するケースもあった。

「AIタッガーⓇ」のユーザーは、ファッション、インテリア、美容コスメ、家電、食料品といった幅広いカテゴリにわたり、最近ではふるさと納税の自治体ユーザーも増加している。

資金調達の背景と目的

EC及び小売向けAIソリューションのグローバル市場は2025年までに約2兆円まで拡大が見込まれている。

今後同社は、「AIタッガーⓇ」の製品力をさらに高め、国内市場での利用者のさらなる増加を促進していくだけでなく、今春にはオランダやドイツのモール向けサービスの提供も予定している。今後は、さらにeBay等、欧米・アジアの大手モール向けソリューションに注力し、巨大なグローバル市場への展開を進めるという。

引受先のAngel Bridgeは、今回の資金調達に関して次のようにコメントしている。「LISUTOにはEC業界への理解が深くグローバルなバックグラウンドを持つメンバーが結集し、急速に顧客数を伸ばしており、まさに将来のメガベンチャーであると信じています」

インターネットを活用したビジネスでありながら、ECサイトの運営においては、まだまだ手作業での作業や非効率的なオペレーションが残っているのが実情だ。今回の資金調達をきっかけとして、LISUTOがグローバルなEC運営のDXに貢献する存在になることを期待したい。

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