【2022版】広告運用とは?基本の仕事内容や求人の探し方、将来性を徹底解説

ECのミカタ編集部

【2022版】広告運用とは?基本の仕事内容や求人の探し方、将来性を徹底解説

広告運用とは、広告の企画や入稿、効果測定や改善までの一連の業務です。担当者に求められる知識や業務の幅も広く、それなりの負担もありますが、担当者として経験を積めばスキルを身につけられます。Web広告に対するニーズはいまだとどまるところを知らず、将来にわたって活躍できる人材になれるでしょう。

広告運用とは?

広告運用とは、広告の媒体や出稿方法の選定、入札価格の調整、キーワード・広告文の設定など、広告運用に関する業務全般を指します。とくに、近年幅広い業種で用いられているWeb広告においては、出稿方法や素材をいつでも簡単に変更できるため、広告運用の業務は重要性を増しています。

運用型広告の種類

運用型広告とは、リアルタイムに入札額や素材を変更できる出稿方法です。たとえば、事前に設定した広告枠や素材を出稿中に変更できないテレビCM、アフィリエイターが広告の表示をコントロールするアフィリエイト広告などは運用型広告にはあたりません。
以下では、運用型広告の種類について紹介します。

リスティング広告(検索連動型広告)


リスティング広告は、検索エンジンにおいて、特定のクエリが検索された際に表示される広告です。ユーザーの検索クエリに連動して表示されるため、検索連動型広告とも呼ばれています。広告主は、広告を表示させたいクエリ、広告見出しや広告テキスト、入札額を設定する仕組みです。特定のクエリに対して複数の広告主が出稿している場合は、入札額と広告の質をかけあわせて表示される広告が決まります。つまり、広告の表示可否は入札額の高低によって単純に決められるわけではありません。

DSP広告(コンテンツ連動型広告)


DSP(Demand Side Platform)広告は、特定のターゲット属性の広告枠に表示される広告です。Webサイトやアプリ内に表示されるディスプレイ広告の一種です。特定のWebサイトやアプリ上に表示する仕組み上、広告主はユーザーの属性やニーズを予測しやすく、ターゲティングに適しています。DSP広告には、アルゴリズムによって自動で運用するタイプ、手動で設定して運用するタイプの2種類があります。

SNS広告


SNS(Social Networking Service)広告は、TwitterやInstagramなどのSNS上に表示される広告です。Webサイトやアプリと同様、プラットフォームによって年齢層や性別には偏りがあるうえ、登録時のユーザー属性や検索履歴からターゲティングできる点が特徴です。

運用型広告の課金方式

運用型広告には、主に3つの課金方式があります。課金方式とは、広告費が発生するタイミングを示したものです。一般的なマス広告や交通広告をイメージすると、広告を出したタイミングで課金されますが、Web広告の場合には表示されても広告費がかからないパターンもあります。以下では、運用型広告の課金方式について解説します。

クリック課金型(CPC)


クリック課金型は、広告がクリックされると広告費が発生する課金方式です。Cost Per Clickの頭文字をとってCPCとも呼ばれます。たとえ広告が表示されたとしても、クリックされなければ費用が発生することはなく、広告費の算出式は「クリック数×クリック単価」です。コンバージョン率の低い媒体に出稿すると、無駄な広告費用がかかりやすくなります。

インプレッション課金型(CPM)


インプレッション課金型は、広告が表示されると広告費が発生する課金方式です。Cost Per Milleの頭文字をとってCPMとも呼ばれます。Milleとは1,000を表しており、1,000回表示されるごとに広告費が発生するケースが一般的です。クリック率の高い媒体にも出稿しやすい一方、ユーザーのアクションやコンバージョン率を測定しづらい弱みがあります。

成果報酬型(CPA・ROAS)


成果報酬型とは、購入や成約などの成果が生じると広告費が発生する課金方式です。Cost Per Aqcuisitionの頭文字をとってCPAとも呼ばれます。

また、ROAS(Return On Advertising Spend)をもとに、広告費が決まる仕組みの成果報酬型広告もあります。ROASは広告費の回収率を示す数値で、算出式は「売上÷広告費×100(%)」です。たとえば、ROAS200%を保証している成果報酬型広告の場合、100万円分の広告費を出稿したとしても、30万円の売上しかあがらなければ広告費は60万円となります。成果報酬型のシステムを採用している媒体は少なく、2022年時点でRTBHouseなどがあげられます。

広告運用担当者の仕事内容

広告運用の業務は、広告出稿の準備から運用中の設定変更、運用後の効果測定まで、多岐にわたります。そのため、一つひとつの業務について整理しておくことが重要です。以下では、広告運用担当者の仕事内容について解説します。

広告の企画


はじめに実施するのは広告の企画です。企画の段階では、出稿する媒体や課金方式、予算やスケジュールを決めます。運用型広告の場合、運用中もユーザーのリアクションによって条件やクリエイティブを変更できるため、すべてを決め切っておく必要はありません。ただし、出稿の目的、効果測定の指標となるKPIやKGIは必ず設定しておきましょう。

テキスト・バナーの入稿


Web広告を出稿するには、表示するテキストやバナーを入稿する必要があります。クリエイティブの入稿や各種設定は、広告プラットフォームの管理画面から可能です。入稿や各種設定は、広告効果を大きく左右する要素です。一つひとつの広告に対して、明確なターゲットを設定して訴求を検討するとよいでしょう。

運用中の分析・評価


運用型広告は、運用中も分析できる点が最大の特徴です。スピーディーにPDCAを回して広告効果を最大化できれば、効率よく運用できるため、担当者のスキル次第ではコストを抑えて成果をあげることもできます。具体的には、プラットフォームが提供する分析ツール、Googleアナリティクス、タグマネージャーなどを利用します。

また、近年では機械学習による広告運用機能も充実しており、Google広告やFacebook広告をはじめとするプラットフォームでは、日々の設定変更はAIに任せて、担当者は分析や評価のみを行うことも可能です。

運用後の改善


Web広告に限らず、施策の実施後は効果測定にもとづく改善が必須です。主な改善ポイントは、配信面、クリエイティブ、ランディングページの3つです。いずれもクリック率やコンバージョン率に大きく関わるポイントのため、広告効果にも影響を及ぼします。

また、広告運用にあたってはさまざまな項目がありますが、基本的にはコンバージョン単価をチェックすべきです。たとえば、CPCやクリック率(CTR)が目標を達成していても、コンバージョン単価が高ければ、無駄な費用が多く発生しているはずです。コンバージョン単価を抑える方向に改善を図るとよいでしょう。

広告運用の求人を探せるサイト

広告運用の求人は、転職サイトやクラウドソーシングサイト上で募集されています。本業として取り組みたい方は転職サイト、副業やフリーランスで仕事を受けたい方はクラウドソーシングサイトがおすすめです。以下では、広告運用の求人を探せるサイトについて解説します。

【転職サイト】Green


Greenは、ITやWeb業界に特化した転職サイトです。クリエイティブの制作をはじめ、広告運用、広告営業などの募集も掲載されており、インハウス・受託含めて、さまざまな案件があります。業界特化型の転職サイトということもあり、スペシャリスト人材を求めている企業が多い点も特徴です。

【転職サイト】doda


dodaは、即戦力採用をコンセプトとした転職サイトです。幅広い職種の募集がありますが、広告を中心とする案件も豊富に掲載されています。35歳未満のユーザーが多く、若手採用に力を入れている企業が多い点も特徴です。

【クラウドソーシング】ランサーズ


ランサーズは、国内最大級のクラウドソーシングプラットフォームです。プラットフォームとしての規模が大きい分、募集案件数も多く、Web広告の運用に関する案件も募集されています。まずは業務委託でスキルを身につけたい方にもおすすめです。

【初心者向け】広告運用のやり方を学べる本

広告運用にはスキルやノウハウが求められますが、知識の範囲が幅広く、実践のみで学ぶには時間がかかります。そのため、Web広告や運用事例などをまとめた本から学ぶのもおすすめです。以下では、広告運用のやり方を学べる本について紹介します。

基礎から学ぶWeb広告の成功法則


広告の基礎をまとめた書籍です。広告の種類やメニューはもちろん、成功に導く運用方法まで解説しています。初心者でもわかりやすいよう、専門用語についてもかみ砕いて説明してある点が特徴的です。

運用型広告 プロの思考回路


Web広告業界で広く知られる良著『リスティング広告 プロの思考回路』の続編です。マニュアルではなく、あくまでも思考回路にフォーカスしており、担当者の考え方を学べる点が特徴的です。

必携 インターネット広告 プロが押さえておきたい新常識


Web広告の本質や思考をまとめた書籍です。コンプライアンスや品質に関わる内容も減給されており、Web広告のノウハウや方法論を解説書とは別に読んでおきたい一冊です。マーケティングにおける広告の役割、Web業界全体を取り巻く環境なども広く語られています。

広告運用についてのよくある質問

広告運用に興味がある方、実際に担当している方の中には、広告運用について疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。仕事の将来性、業務の量や負担などは気になる方が多い部分です。
以下では、広告運用に関連する質問について回答します。

広告運用の仕事はなくなる?


広告運用においては、AIによる分析や改善が主流となり始めています。そのため、広告運用の仕事がなくなるとの意見もあります。しかし、広告を運用するうえで人対人のコミュニケーションがまったくないわけではありません。たとえば、運用代行を受託する場合、クライアントの商材や強みをヒアリングして効果的な運用方法を提案します。分析や改善のフェーズにおいて、効率化を目的としたAIの導入がメジャーとなっても、すべての業務がAIに置き換わることはないでしょう。

広告運用の仕事は激務で辛い?


広告運用は、多角的な視点から考えることや、スピーディーなPDCAが求められるため、大変な仕事です。社内で複数のキャンペーンを組んだり、受託で複数のクライアントを担当したりすると、リソース的に厳しい面もあるかもしれません。しかし、一方で広告運用の業務に向いている方もいます。以下のような業務に適性がある方は、広告運用の仕事にも向いている可能性が高く、挑戦してみる価値があるでしょう。

●細かな手作業
●マルチタスク
●数値の分析やレポートの作成
●ユーザー心理の仮説検証

広告運用の代行は副業になる?


広告運用の代行は副業になります。ランサーズやクラウドワークスをはじめとするクラウドソーシングサイトでは、広告運用を代行できる人材が募集されています。実務経験や知識がないと難しいものの、その分対応できる人材も少なく、独自の強みになるでしょう。

広告運用の代行はフリーランスでもできる?


広告運用の代行はフリーランスでもできます。しかし、安定した収入を得るには成果を出し続ける必要があります。企業に就職して広告運用を担当する場合ももちろんですが、フリーランスの場合にはさらに成果が重視されると考えておくとよいでしょう。

働くならインハウスと代理店のどちらがおすすめ?


広告運用を担当するには、インハウスと代理店の2種類があります。それぞれ働き方が大きく異なるため、自身に合ったキャリアを選択することが大切です。インハウスの場合、自社の予算で運用にあたるため、施策の自由度が高く、外部との折衝がない分スピーディーに運用できます。

一方、代理店はマニュアルが整備されており、さまざまなクライアントの運用を体験できるため、あらゆるノウハウを得られる点がメリットです。

まとめ

広告運用とは、広告の企画や入稿、効果測定や改善までの一連の業務です。担当者に求められる知識や業務の幅も広く、それなりの負担もありますが、担当者として経験を積めばスキルを身につけられます。Web広告に対するニーズはいまだとどまるところを知らず、将来にわたって活躍できる人材になれるでしょう。


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