浜松の和菓子ブランド「五穀屋」、土産菓子業界初の本格バーチャルストアを開設

ECのミカタ編集部

「うなぎパイ」や「からだに美味しい和の知恵菓子」がコンセプトの和菓子ブランド「五穀屋」などの菓子製造販売を手がける有限会社春華堂(本社:静岡県浜松市、代表取締役社長:山崎貴裕)は、衣食住に関わるさまざまな事業を展開する株式会社オアシスライフスタイルグループ(所在地:東京都港区、代表取締役:関谷有三)と連携し、土産菓子業界では日本初となる本格バーチャルストアを開設したと発表した。

通販売上を伸ばすのが難しい業界特有の課題

通販売上を伸ばすのが難しい業界特有の課題

コロナ禍で観光客や出張・インバウンド需要が激減し、土産菓子業界も打撃を受けている。また土産菓子は現地で購入する傾向が強く、通販売上を伸ばすことが難しい業界特有の課題があった。

富士経済が出した土産菓子の国内市場調査によると、2020年の土産菓子トータル市場の販売額は前年比43%減であり、2021年見込みでは若干の上昇は見られるものの、ほぼ横ばいであることがわかる。

またコロナ禍においてさまざまな業界でVR技術が活用されているが、土産菓子業界ではDX化が遅れているだけでなく、商品詳細や味が伝わりづらいことからバーチャル化が進んでいなかった。

業界初の本格バーチャルストアを開設

業界初の本格バーチャルストアを開設

その問題解決策として春華堂は、VRに加えてブランドの世界観や商品開発秘話、味の詳細などを実社員が登場する豊富な動画コンテンツを組み合わせ、実際に現地を訪問したかのような体験ができる業界初の本格バーチャルストアを開設するに至った。

商品ページ直結のため、バーチャルストアを回遊しながら、気になった商品をスムーズに購入できる。

同社は、バーチャルストアを通して、ネット上の買い物を楽しめるだけでなく、購入した商品が手元に届いてからも、バーチャルストア内の動画コンテンツから春華堂の本拠地である静岡県浜松市に由来した素材へのこだわりや、商品の開発者による開発ストーリーなどを見ることでその商品に対する理解や興味関心が深まる、という新たな可能性への広がりに期待を寄せているという。

日本最大級の土産菓子バーチャルモールを開設予定

今後同社は「五穀屋」だけではなく、春華堂の運営施設である「nicoe/ニコエ」や「うなぎパイファクトリー」などのバーチャルストア化も検討しているという。

今回のバーチャルストアの企画・制作を担当したオアシスライフスタイルグループは、春華堂を皮切りに全国各地の土産菓子メーカー本店のバーチャル化を推進中だ。現地のバーチャル観光コンテンツなどを組み込み、自宅にいながら旅行気分と買い物が楽しめる、日本最大級の土産菓子バーチャルモールを2024年度までにオープンすることを目指している。

土産菓子は「その土地に赴き、気分が高揚しているからこそ買う」という側面が強く、友人や職場などにお土産を配るという日本特有の「お土産文化」が旅先でのお土産購入を後押ししている。それを考えると、店頭売上の減少分をネットで補いたくても通販売上を伸ばしにくいという、業界特有の課題にもうなずける。

春華堂のバーチャルストア開設が土産菓子の新たな可能性を切り拓くことにつながるか、今後に注目したい。

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