アンテナショップニコニコ本社がリニューアル 世界から経済効果が認められた「niconico」
散りばめられた「らしい」アイディア 米国Amazonも注目するユーザーコンテンツ
ドワンゴ及びニワンゴは、両社が運営する動画サービス「niconico」のアンテナショップであるニコニコ本社を、2014年10月25日にオープンする見通しだ。本オープンに先駆け、10月18日~24日までの期間、特別先行内覧会が実施されている。
ニコニコ本社は池袋パルコの地下一階と地下二階にオープン、ニコニコ関連の特別グッズなども販売される予定。地下一階にはニコニコ生放送用のスタジオがある。平日の19~20時には毎日ニコラジが放送されるとのこと。また地下二階にはカフェ施設もあり、人気作品とのコラボなどユニークな食材がメニューに並ぶ。カメラPC完備のバーカウンターもあり、ネットからの差し入れが行える「あちらの客様からシステム」など、ニコニコならではの空気感を存分に味わえるような場所となっているようだ。
また、ニコニコ動画で大人気のコンテンツとなっている「ゲーム実況」動画は、現在世界中から人気を集めており、米Amazonは同国の動画配信サービスTwitchを約9億7千万ドルで買収し、同買収劇ではGoogleも名乗りを上げ、動画配信のプラットフォームを巡る争いは世界的企業の食指を動かすほどとなっている。YouTubeでのチャンネル会員登録数が世界最大数といわれるゲーム実況者の「PewDiePie」というユーザーが運営から配分された収入が約4億円に上るなど、もはや個人の「趣味」のレベルを超えた領域にまで動く金額の巨大化が進んでいる。
パーソナル化するメディアがネット上で生む金銭的価値
映画のようなビジュアルに練りこまれたシナリオなど、昨今のゲームは暇つぶしの娯楽であったはるか遠い昔からは考えられない1つの文化となっている。好きだったシリーズ最新のゲームをプレイしたいが時間がなくかなわない人にとって、熟練したプレイヤーによる流麗なプレイ動画を見ることは映画鑑賞にも似た興奮があるだろうし、過去にプレイし大好きだった作品を現在の解釈で面白おかしくプレイする動画などは、青春の想い出に触れる事ができ感慨もひとしおであろう。そういう意味では、かつて若者が深夜にラジオ放送を聞き、パーソナリティに親近感を覚え接していた図式の発展延長線上にこのニコニコの人気があるのかもしれない。個人が発信する情報がメディア化し、そのメディアがモノを売るようになり、とうとうは世界的企業からも注目される分野ににまで発展していっているのだ。
著作権などのセンシティブな問題を抱えてはいるものの、ネットという媒体を必ず通す特質上、この勢いがEC業界になんらかの形で関わってくるということも、決して遠い先の話ではないのかもしれない。