マイボイスコム「ネット広告に関する調査」を実施 広告を意図的にクリックした人は約26%
インターネット調査を中心に提供している伊藤忠グループのリサーチ会社であるマイボイスコム株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長:高井和久)は、4回目となる『インターネット広告』に関するインターネット調査を2022年3月1日~5日に実施し、10,076件の回答を集め、その結果を公表した。ここではその概要についてポイントを絞って見ていく。
内容を読んだネット広告は?
直近1年間に表示されたインターネット広告の種類は(複数回答)、「画面端に表示される画像の広告(バナー広告)」が79.6%、「コンテンツや記事の間に表示される広告」「画面端に表示される動画の広告(動画広告)」が各5割強、「YouTube等の動画サイトの、スキップできる動画広告」が41.5%だった。
また直近1年間にインターネット広告が表示された人のうち、内容を読む人は約36%だった。内訳は「だいたい読む」が1.7%、「内容やタイミングなどによっては、読むこともある」が34.7%となった。
ネット広告が表示された際に行ったこと
直近1年間にインターネット広告が表示された際に行ったことは(複数回答)、「インターネット広告を、間違えてクリックした」が広告表示者の50.1%、「広告を閉じた」が48.3%だった。これらは2020年調査と比べて増加していた。「インターネット広告をクリックした(意図的に)」は26.1%です。「インターネット広告を、間違えてクリックした」は、男性10・20代や女性10~40代で各60%台となっていた。
また直近1年間に表示されたインターネット広告のうち、内容を読んだ広告の種類は(複数回答)、「画面端に表示される画像の広告(バナー広告)」が20.2%、「コンテンツや記事の間に表示される広告」が10.0%、「メールマガジン内の広告(メール広告)」が8.1%だった。
10・20代では「SNSのタイムラインに表示される広告」「動画サイトのスキップできない動画広告」、男性10・20代では「画面端に表示される動画の広告」、女性10・20代では「動画サイトのスキップできる動画広告」が高くなっていた。
ネット広告で不快に感じるものは?
インターネット広告についての考え方は(複数回答)、「スクロールなどの操作を妨げられるので、わずらわしい」「関係のない広告が表示されるとイライラする」「気になるものや興味があるもの、面白いものなら内容を読む」が各3割強だった。「つい見てしまう」は男性若年層、「アプリ・サービスなどを無料で利用するには、広告が表示されるのは仕方がない」は女性若年層で高くなってた。
またインターネット広告で不快に感じるものは(複数回答)、「消せない広告、閉じにくい広告」が44.2%、「興味がない・関係ない内容の広告」「画面全体に表示される」「別画面やポップアップで自動的に表示される」が各4割弱だった。「画面の上から下に降りてくる、スクロールに合わせて移動する」「YouTube等の動画サイトの、スキップできない動画広告」は、若年層で高くなっていた。
<< 回答者のコメント >>
インターネット広告で不快に感じるもの(全5,023件)
・スキップできる広告の場合は5秒待てばいいができない時には10秒ほど待たなくてはいけないので不快に感じる。(男性23歳)
・広告の表示だけして、肝心の元ページは読み込みエラーとか、仕事中の調べ物で開いたページに18禁の広告を表示するのが特に不快。(男性37歳)
・フェイクの『×(バツ)』を表示させて、そこをタップするとサイトに飛ぶようになっている悪質な広告。(男性48歳)
・やっていることを遮られる広告に対しては印象が非常に悪い。(男性56歳)
・画面の全体に広告が出て来て、閉じるボタンを押しても閉じることができなかったもの。(女性25歳)
・youtubeで子供も見るような動画の最初に不倫や性的な内容の広告を流されるのが不愉快。(女性38歳)
・興味がないものをたくさん見なくてはイケナイから一番無駄な時間だと思う。(女性49歳)
・顔のシミが消えるとか毛穴がきれいになるとかの広告が気持ち悪い。汚い肌がしつこく再生されるので嫌になる。(女性63歳)
精度の高い広告施策は今後も重要
調査結果にあるように、直近1年間にインターネット広告が表示された人のうち、内容を読む人は約36%で、直近1年間にインターネット広告が表示された際に行ったことは、「広告を間違えてクリックした」が広告表示者の5割、「広告を閉じた」が5割弱、「広告をクリックした(意図的に)」が約26%だった。
ネット広告が表示された場合にとる行動や不快に思うネット広告の表示方法や種類については、これまでの他社を含めた調査と概ね変化があるものではないが、全体に言えることは、デジタルネイティブ世代が層としてボトムアップ的に厚みを増す中で、ネット広告全体に対する許容度も上がってきているようだ。
そうは言っても、内容的に不適切なものや、しつこい広告、ターゲティングができてない広告などについては、引き続きコンバージョンを得られないどころが、逆効果になることにもなりかねず、今後もECにおける広告展開を考える上で、より精度の高い施策の実施は重要になってきそうだ。