会計システムとは?種類や機能、メリットをおさえて業務を効率化しよう
ECサイト運営における会計業務は多岐に渡り、スタッフの負担も大きいため、「会計システム」の導入を検討することもあるかもしれない。また、「会計システムで行える業務を把握したい」「会計システムの導入によって得られるメリットを知りたい」と考える担当者もいるのではないだろうか。
今回は、会計システムの種類や機能を解説する他、導入するメリットやシステム選定のポイントを紹介する。基本的な知識をおさえ、自社の業務体制を見直す材料としてほしい。
目次
●会計システムとは
●会計システム導入のメリット
●会計システムを選ぶ際のポイント
●会計システムを利用する際の注意点
●まとめ
会計システムとは
会計システムとは、会計業務をIT化することで、帳票の作成や他システムとの連携などを行えるようにするシステムのこと。まずは、会計システムの主な機能と種類を見ていこう。
主な機能
会計システムの機能を役割別に分類すると、「財務会計システム」、「管理会計システム」、「債務・支払管理システム」の3つに分けることができる。単独のシステムとして存在することもあれば、複数を併せ持ったシステムも存在する。それぞれのシステムにおける主な機能は、以下の通りだ。
【財務会計システム】
・伝票入力
・帳簿作成
・自動仕分け
・データ連携
・決算書作成
・帳簿出力
・固定資産管理
【管理会計システム】
・予実管理
・社内向け帳票作成
・データ分析・作成
・経費管理
・シミュレーション
【債務・支払管理システム】
・入金情報管理
・支払消込
・支払分析
・返済シミュレーション
種類
会計システムには、「パッケージ型」「クラウド型」「基幹システム型」の3つの種類がある。それぞれの特徴は以下の通りだ。
【パッケージ型】
・自社のサーバーや端末にソフトをインストールして使用する
・セキュリティに強い
・カスタマイズの可否はソフトにより異なる
【クラウド型】
・インターネットを介してサービスを利用する
・さまざまな場所からアクセスが可能
・経理に不慣れなスタッフでも操作がしやすい
【基幹システム型】
・在庫管理システムや販売管理システムとの連携が可能
・カスタマイズが可能な場合が多い
・費用は高額な傾向
会計システム導入のメリット
会計システムを導入することにより、以下のメリットが期待できる。
業務が効率化する
会計システムの最大のメリットは、業務効率が向上することだ。会計システムを利用すると、データの一括入力や仕訳、帳票の作成などが簡単に行えるようになるため、「出荷完了後のデータ処理を手作業で登録する」「必要な書類を一つひとつ作成する」といった時間を削減でき、業務の省力化やスタッフの作業負担軽減につながるだろう。
ミスを軽減できる
人的なミスを軽減できることも、会計システムを利用するメリットだ。手作業の転記作業では、記載ミスや二重計上、残高の不一致などが発生してしまうこともあるだろう。一方、会計システムでは1回の情報入力で関連する帳票などに自動でデータが反映される仕組みになっており、入力ミスがあった場合も元データを修正すれば即時反映されるため、ミスを最小限に抑えることが可能だ。
税制改正に対応している
会計システムでは、税制や税率に変更があった際も、システムをアップデートしたり設定を変更したりするだけで対応できる。特にクラウド型の会計システムは自動でアップデートが行われるため、自社の作業負担が少ないことがメリットだと言えるだろう。
経営状況をリアルタイムで把握できる
ネットショップと売上連携が行える会計システムを取り入れると、売上や各種手数料が自動で連携される。また、ダッシュボードやレポート機能などが備えられているため、利益や経営状況、部門ごとの売上などをリアルタイムに把握することが可能だ。最新のデータを閲覧できるため、何か問題点があった際にも、スピーディな対策と経営判断を行うことができるだろう。
会計システムを選ぶ際のポイント
会計システムを選ぶ際には、どのような点に注意すればよいのだろうか。ここでは、システム選定のポイントを紹介する。
機能の網羅性
会計システムはシステムの種類や提供している会社によって搭載されている機能が異なるため、自社が必要とする機能を網羅しているかどうかは、一番確認しておきたいポイントだ。無料トライアルを実施しているシステムもあるため、機能や操作性を実際に体験してみるとよいだろう。
拡張機能や柔軟性
拡張機能の内容や法改正への柔軟性も押さえておきたいポイントだ。他業務システムとの連携や税制改正に対応していれば更なる業務効率化が期待できるが、必要なカスタマイズに対応できなければ、別途料金が発生したり別のシステムへの切り替えが必要になったりする可能性もある。実際の運用や将来性を踏まえた上でシステムを選ぶことを心がけよう。
サポート体制
会計業務は多岐にわたるため、導入時には不明点や問題点が発生することもあるだろう。そのような際にサポートを受けられないと業務が停滞する可能性もあるため、電話やメールでのサポート体制があるか、マニュアルが充実しているかも事前に確認しておこう。
会計システムを利用する際の注意点
最後に、会計システムを取り入れる際の注意点を紹介する。
目的を明確にする
会計システムによって特化している機能が異なるため、「実務の作業効率を向上したい」「データを分析して今後の運営に役立てたい」など、事前に導入の目的を明確にすることが重要だ。目的に応じたシステムを選択することで、より効果的なシステム運用が行えるだろう。
セキュリティ面に注意する
会計システムの利用には、データの改ざんや消失、情報漏洩などのリスクもある。「権限を制限する」「パスワード管理を徹底する」「バックアップを適切に行う」などの対策を図るとともに、「公衆Wi-Fiの利用時には使用しない」などの運用ルールを定め、セキュリティ対策を万全にしておこう。
まとめ
「会計システム」はこれまで手入力で行っていた作業を省力化し、業務ごとに区分されていた作業やシステムとも連動できるため、「作業の効率化」や「ミスの削減」といった効果が期待できる。リアルタイムでの経営状況の把握も可能なので、タイムラグのない戦略を立てることも可能だ。ECサイトをよりよく運営するためにも、一度会計システムの導入を検討してみてはいかがだろうか。