荷物追跡もハイライト Googleの新メール「Inbox」のサービスを開始
当面はGmailと平行して提供
ロイターによると、米Googleは新たな電子メールサービス『Inbox』(インボックス)のサービスを22日より開始した。
Googleはアカウント登録をすることにより、従来より「Gmail」というメールサービスを展開してきたが今回の『Inbox』は「Gmail」の経験を元に新規開発したメールサービスとなりそうだ。特にPC利用というよりもスマートフォンでの利用を意識した作りになっているようだ。アプリはGoogleの推すマテリアルデザインで統一されている。同社はマテリアルデザインに関し、紙とインクの古典的なデザインから着想を得て、最新テクノロジーを利用し、どんなデバイスでも使いやすく、統一感のあるユーザー体験を提供するためのデザインと説明している。
このデザインは全ての物質(マテリアル)に質量があり、軽く押すと質量に合わせた速度で前に進んでいくようにな、という表現がわかりやすい。ページのリンクを押すと対象のページがいきなり表示されるという今までのWEBデザイン、これに対しボールを軽く押すと前に進みいずれ止まる自然現象のような表現を演出するのがマテリアルデザインというわけだ。
簡単に言ってしまえば『Inbox』は見やすさやわかりやすさを最新デザインで表現していると考えれば良いだろう。
Googleアカウントと紐付けされる『Inbox』は当面「Gmail」と平行して新サービスを提供していく予定だという。電子メールサービスだけでなく、スケジュールやリマインダとの連動や、ネット通販で購入した商品の配送状況の確認なども可能になるという。
同サービスではメールの開かずに中の情報を一覧できるハイライト機能を備えており、リスト上でメールの概要が一覧可能になる。メールの本文識別機能によって、キーワードを抽出して画像や製品名、配送時期や追跡リンク、航空券ならフライト状況やチェックインのリンクなどを表示するというものだ。
メーラー新世代へ突入か
いずれGoogleのメールは『Inbox』を使用することが推奨される世代に移行していくかも知れないが、一日で数百通のメールやりとりを行うビジネス用途での使い勝手が気になる所だ。
日本のWEBデザインは世界のトレンドから大きく遅れていると欧米人に言われるが、革新的な技術やサービスはすんなりと受け入れ、活用しているだけに『Inbox』も混乱すること無く受け入れられると考える。
Googleが提供する本サービスの動画やハイライト機能の紹介を見ると、メールの本文はほとんど見ずにハイライトから関連情報へ飛び…とマテリアルデザインの心地よさやデザイン感が伝わってくる。
いまや宅配追跡サービスは当たり前のサービスだが、メールで追跡番号を確認しコピー、各宅配業者のページへ赴いてコピーした番号を照会して…と結構な手間だったりする。しかし今サービスではハイライトで注文した商品のサムネイルが表示され、到着までの時間や追跡サービスへのリンクが表示されていると想像すると、かなり便利だ。
個人的にはメールの本文をしっかりと見たい場合の使い勝手が想像できていないだけに、今サービスを運用しながらも、重要なメールは従来のメーラーなどで再確認してしまうような使い方をしそうだ。とはいえ「Gmail」のチームが今までのノウハウを詰め込んだ新しいメールサービスとなれば、期待せずにはいられない。
『Inbox』は現在一部ユーザーへの招待制で提供されている。招待を受けたいユーザーは(inbox@google.com)へメールすることで招待枠のリクエストを送ることが可能だ。
−編集部−