【楽天決算】2022年度第1四半期の連結売上収益は過去最高の4,371億円(昨対比11.7%増)

ECのミカタ編集部

楽天グループ株式会社は、2022年度第1四半期決算とその関連資料を公表した。ここではその概要についてポイントを絞って見ていく。

全体業績

全体業績

2022年度第1四半期は、「インターネットサービス」「フィンテック」「モバイル」の全セグメントで増収となった。連結売上収益は過去最高の4,371億円(前年同期比11.7%増)と2桁増収を達成した。

当該第1四半期の楽天グループの国内における平均月間アクティブユーザー数(楽天IDベースでのユニークユーザー数)は、3,600万を突破(前年同期比11.2%増)。2サービス以上利用するユーザーの比率は過去最高の74.8%だった)。また楽天ユーザーにおける「楽天モバイル」契約者の割合は11.3%を記録し、既存サービスとのシナジーを拡大した(2022年3月時点)。

「楽天モバイル」の楽天回線エリアによる4G人口カバー率)は、97%に到達したとしている(2022年3月末時点)。当該第1四半期、Non-GAAP営業損失は、モバイルにおける、予定を前倒した楽天回線エリア積極拡大に伴う先行投資等により983億円を計上。事業運営上の非経常的な項目(投資が継続するモバイル、物流事業、市況による変動の大きい投資事業の損益等)を除いたNon-GAAP営業利益は420億円に。楽天回線エリア拡大に伴うローミング費用の削減および課金対象ユーザーの増加により、モバイルセグメントは予定通り、2022年度第2四半期以降の損益の改善を見込むとしている。

インターネットセグメント

インターネットサービスセグメントにおける当第1四半期の売上収益は、2,458億円(前年同期比9.3%増)。セグメント損益は、前年同期にフィンテック関連企業への株式投資評価益等306億円計上したことが影響し、180億円で着地した(前年同期比56.7%減)。

同セグメントのうち、国内ECにおける売上収益は1,825億円(前年同期比11.9%増)、営業利益は215億円(前年同期比77.3%増)を記録。「楽天市場」は、2020年第1四半期から続くコロナ禍で3期目を迎えた当第1四半期も高成長を続け、収益増加に大きく貢献したとしている。

また当第1四半期における国内EC流通総額は1.3兆円(前年同期比10.0%増)。各ECサービスの成長に加え、「楽天市場」+「楽天西友ネットスーパー」(前年同期比48.6%増)、「楽天市場」+「楽天ビューティ」(前年同期比23.5%増)、「楽天市場」+「楽天トラベル」(前年同期比43.2%増)など、複数のECサービスをクロスユースをするユーザー数の伸びが国内EC流通総額の押し上げに寄与。また、「楽天トラベル」の取扱高も業界を上回る水準で回復した。

フィンテック

フィンテックセグメントにおける当第1四半期の売上収益は1,581億円(前年同期比4.3%増)。「楽天カード」のさらなる成長に向けたシステム投資や、「楽天証券」における手数料収入の減少および国内外の株式相場の下落の影響により、セグメント利益は228億円(前年同期比7.3%減)した。

「楽天カード」は、2022年4月にカード発行枚数2,600万枚を突破。オフライン消費の回復により当第1四半期のショッピング取扱高は前年同期比26.1%増。ショッピング取扱高シェアは2022年2月時点で22.4%を記録し、中期目標「トリプル3」の達成に向けて順調に推移した。

「楽天銀行」は、2022年3月に国内のインターネット銀行として最多の1,230万口座、単体預金残高は前年同期比36.1%増。業界のデジタルシフトという事業環境と、国内最大のデジタルバンクとしての強みおよび楽天エコシステムとのシナジーを生かし、長期的にはメガバンクに匹敵する 3,000 万口座、メガバンクに次ぐ預金 30 兆円到達を視野に成長を加速させている。

「楽天証券」は、2022年3月に証券総合口座数768万口座を突破。新規口座開設数は、2018年から4年連続業界1位。NISA・iDeCoの新規口座開設数も業界1位になるだけでなく、投資信託販売額においても当第1四半期6,919億円と業界1位だとしている。

ペイメント事業においては、西友全店舗に、「楽天ペイ」「楽天チェック」に続き、2022年4月より「楽天ポイントカード」「楽天Edy」を導入。またネットスーパーアプリを、店舗とネット注文双方で使用できるように一新し、OMO戦略の新協業体制を本格展開させている。

2030年、連結での営業利益率を20%超へ

このように、今回の決算でも総じて同プラットフォームの堅調な成長ぶりが
示された。一方でモバイルセグメントのインフラ整備などが、その堅調による利益の足枷ともなっている状況が継続していることもうかがえる内容となった。

また同社は、2030年に向けて、持続的な売上成長を図るとともに、連結業績における営業利益率を20%超の水準にしていき、楽天モバイル・楽天シンフォニー事業においても大幅黒字化を目指していくといった中長期経営計画「Vision 2030」の骨子を公表しており、これからの展開にも注目と言えそうだ。

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