担当者に聞いた「EC事業のマーケティングの実態」レポートを公開【Letro調査】

ECのミカタ編集部

SaaSとデジタル人材で企業のマーケティングDXを支援するアライドアーキテクツ株式会社(東京都渋谷区、代表取締役社長 CEO:中村壮秀、プロダクトカンパニー プレジデント:村岡弥真人、証券コード:6081)が提供する運用型UGCソリューション「Letro(レトロ)」は、市場変化に伴うEC事業者の顧客獲得施策の変化を把握するため、インターネットリサーチを実施し、その結果を公表した。ここではその概要についてポイントを絞って見ていく。

調査概要

アフィリエイトやcookieの規制、薬機法や特商法の改定、各媒体のCPM高騰など、EC市場を取り巻く環境が大きく変化しており、EC事業者の顧客獲得施策にも日々進化が求められている。こうした変化を的確に捉え、対策を講じる企業もある一方で、具体的な施策の実施や検討にまで至っていないという声も散見される。

そこで今回は、EC事業者が昨今の市場変化をどのように捉えて対策を講じているのかを把握することで、企業にとってより良いマーケティング支援のポイントを探るべく「EC事業のマーケティングの実態調査」が実施された。

▷調査名称:「お仕事に関するアンケート」
▷調査主体:運用型UGCソリューション「Letro」
▷調査時期:2022年5月13日~5月17日
▷調査方法:Fastask(株式会社ジャストシステム提供)によるオンラインアンケート調査
▷調査対象:EC事業に携わる企業のマーケティング部の責任者(部長・マネージャー)
▷調査対象数:101名

ECを巡る法規制強化に課題を感じる企業が多数

ECを巡る法規制強化に課題を感じる企業が多数

まずはじめに「EC事業に影響を与え、課題に感じている市場変化」について聞いたところ、42.6%が「特商法の改定」と回答した。次いで、個人情報保護法(41.6%)、景品表示法の改定(37.6%)が続くことからECを巡る法規制への対応に課題を感じている企業が多いことがわかった。また、市場に新規参入する企業や競合企業の増加から、CPMの高騰(35.6%)を課題に感じている人も多くいることが明らかとった。

参考:自由回答例(一部抜粋)
・多数企業や小規模企業の参入
・各プラットフォームの販促施策の変更

4割強が「デジタル人材の不足」を実感

4割強が「デジタル人材の不足」を実感

「市場変化により起きているネガティブな影響」について聞いたところ、43.6%が「デジタル人材の不足」と回答したことから、EC市場の変化への迅速な対応が求められる中で喫緊の課題となっているDX化を推進できるデジタル人材の不足を課題に感じている方が多いことがわかった。

続いて、「顧客満足度の低下(36.6%)」、「CVRの低下(32.7%)」が多い結果になった。CVRの低下については、法規制強化に伴って従来の広告表現が使用できなくなったり、競合他社の増加でCVRが低下していることが推測できるとしている。

参考:自由回答例(一部抜粋)
・販促費の高騰
・カスタマーサクセスチームの対応の難化
・顧客獲得の難化
・顧客の知見の高まりによる、優位性確保の危うさ

約85%が市場変化に伴いマーケ施策をアップデート

約85%が市場変化に伴いマーケ施策をアップデート

「市場変化をうけて、マーケティング施策をアップデート・変化させているか」について聞いたところ、約85%が「実施している」と回答した。さらに、「積極的に実施している」「実施している」と回答した人に対して、「アップデート・変化させている施策」について聞いたところ、「インフルエンサーの活用(50.6%)」、「新たなSNS媒体の開設(42.4%)」、「静止画から動画への移行(41.2%)」が多い結果になった。

「UGCの活用」や「チャットbotの導入」、「CRMの強化」などリーチ後の施策に比べ、リーチ施策に優先度高く投資している企業が多いことが明らかとなった。リーチ後の施策は優先度が下がる傾向にあることがわかったが、その中でも「UGCの活用(29.4%)」が優先的に取り組まれていることが見て取れる。

UGCを活用する96%が施策成果向上を実感

UGCを活用する96%が施策成果向上を実感

アップデート・変化させている施策を「UGCの活用」と回答した人に対して、「UGCの活用によって施策成果が向上したか」について聞いたところ、96%が「向上した」と回答した。

さらに、「非常にそう思う」、「ややそう思う」と回答した人に対して「具体的にどのような成果が向上したか」について聞いたところ、62.5%が「売上高の向上」「LTVの向上」と回答したことから、UGC施策は「売上」やサブスクビジネスで重要視される「継続率」を向上させる施策として評価されていることがうかがえる。

また、「CVRの向上(54.2%)」が続いていることから、CPMの高騰から獲得効率の改善が急務となる中でUGCの活用に効果を感じた方が多いことがわかる。これらの回答から、UGCは新規顧客の獲得から既存顧客の維持・継続まで複数のフェーズで活用されていることが見て取れる。

サマリー

同社では、調査を受けて次のように述べている。

運用型UGCソリューション「Letro」事業責任者、村岡弥真人氏

「市場の急激な変化に伴い、EC企業が実施すべき施策は急激に純増・細分化していることが分かります。一方で、組織体制や人員、ノウハウを柔軟に進化させる難易度は極めて高く、自社のみでこの変化を乗り越える壁にぶつかっている企業も多く存在します。この壁を乗り越える為には、各領域に特化した企業やサービスとの連携を強化したり、外部人材の登用し短期的に組織を強化するなど、自社のノウハウや人材だけに依存しない事業運営がより必要になることが想定されます」

EC市場が右肩上がりの成長を続ける中で、生活者を保護するための法規制強化や競争激化に伴い、EC事業者は様々な対策を講じてきた。また広告の大量投下による新規の顧客獲得が難しくなる中で「インフルエンサーの活用」や「新たなSNS媒体の開設」などのリーチ施策への投資を優先的に行うことで、新たな顧客獲得を図る企業がトレンドともなっている。

その一方でリーチ後の施策としてもっとも活用が進んでいた「UGCの活用」については、「売上」「継続率」を向上させる施策として評価されていることから、新規顧客の獲得から既存顧客の維持・継続まで複数のフェーズで活用されていることが伺える調査結果となったようだ。

ECのミカタ通信23号はこちらから


記者プロフィール

ECのミカタ編集部

ECのミカタ編集部。
素敵なJ-POP流れるオフィスにタイピング音をひたすら響かせる。
日々、EC業界に貢献すべく勉強と努力を惜しまないアツいライターや記者が集う場所。

ECのミカタ編集部 の執筆記事