ネットプロテクションズ「後払い共通インターフェース」を6月28日から公式提供開始

宮崎ゆう

株式会社ネットプロテクションズ NP後払いセールス統括責任者 高橋啓太氏

株式会社ネットプロテクションズ(以下、当社)は、NP後払いとatoneの連携を強化させる 「後払い共通インターフェース」の公式提供を6月28日から開始する。そのほかの新機能も順次リリース予定で、事業者・消費者双方にとっての利便性向上を目指す。

株式会社ネットプロテクションズ:BNPL決済サービスプロバイダー。2002年からBNPL決済サービスを提供しており、BtoC取引向け国内BNPL決済サービス市場におけるリーディングカンパニーである。株式会社ネットプロテクションズホールディングス(東証プライム上場)のグループ会社。

消費者・事業者双方にとっての使い勝手がポイント

国内BNPL決済サービスのリーディングカンパニーである当社は、新たに「後払い共通インターフェース」「電子バーコード請求」「atoneログインサービス」の3機能を発表した。

「後払い共通インターフェース」では、NP後払いとatoneの2サービス間の連携が強化される。従来は導入に際して個別に開発が必要だったところ、ワンストップでの導入が可能となる。これによってシステム導入の手間は大幅に削減されるほか、ポイントを活用したサービス間での送客など当社BNPL経済圏の提供価値を高める仕組みも備わった。

「後払い共通インターフェース」に関して、与信審査の精度向上や転売によるブランド毀損リスクを低下させる機能も追加される。またユーザーによる入力ミスを検知すれば入力画面で保留したり、審査NG時の問い合わせを加盟店ではなくネットプロテクションズに誘導する仕組みなど、事業者にとっての使い勝手を向上させる機能も新たに具備・拡大された。

提供価値①NP後払いのサービス品質向上

また、「電子バーコード請求機能」が、NP後払いの請求方法に追加される。紙の請求書の代わりに電子バーコードがメールで届き、コンビニのレジでの支払いが可能になる。収納費の引き上げの影響を受けず、ペーパーレスによるコスト削減にもつながる。

3つ目の「atoneログインサービス」は、店舗での情報入力の手間を削減する仕組みだ。atoneアカウントを持っているユーザーであれば、初めての店舗で買い物をする際にも、情報入力することなく購買・決済が可能となる。ユーザーにとってはスムーズな購買体験につながるほか、事業者にとってはカゴ落ちの減少によるCVRの改善が見込める。

後払い共通インターフェースについては本日6月28日から申し込みを開始する。電子バーコード請求機能は2022年9月リリース予定、atoneログインサービスは2022年秋頃にテストリリースを予定している。

BNPL市場の競争は激化 市場を牽引する当社の新施策

BNPL決済市場は世界的に広がっている。欧米ではクレジットカードの代替としてBNPLの利用が盛んで、サービスプロバイダーも多い。米アップルもBNPL市場への参入を表明しており、この流れは加速する見込みだ。

日本においてもBNPLの利用は広がっている。1990年代のカタログ通販に源流を持つ国内BNPLはEC市場へも広がりを見せ、20-50代の女性を中心に「安心安全に買い物をしたい」というニーズを満たす形で利用が広まった。現時点で1兆円を超える市場規模であり、CAGR15%超で推移すると予測されている。*

*矢野経済研究所「オンライン決済サービスプロバイダーの現状と将来予測2022年版」

日本におけるBNPL決済市場を牽引してきたのが当社だ。2022年3月末時点で、国内BNPL市場における取扱高シェア40%、加盟店18万店舗、年間UU1,500万人超、盤石な会員基盤を有し、リーディングカンパニーとして業界の成長を牽引してきた。

一方で、ここ3, 4年、プロバイダー数の急激な増加が認められ、資本力のあるプレーヤーも参加しつつある。またコンビニ収納費用の引き上げは紙請求を基本とする国内BNPL事業者にとっては向かい風となる見込みで、プロバイダーにとっての市場環境は必ずしも望ましいものとはいえない。

今回の発表は、競争の激化、サービスコストの増加に対して、当社から積極的に攻勢を仕掛けたものだといえる。本リリースにより、消費者にとってBNPLの選択肢はより有力なものとなり、事業者にとっては大きなメリットにつながることになるだろう。

当社はストレスレスで安心・安全な決済体験の創造を目指している。EC市場におけるBNPLは拡大傾向にあり、オフラインでも広がる余地は大きい。購買活動を取り巻く環境は日々変化を続けているが、その中で消費者・事業者双方にとって価値のある体験を突き詰め、サービス展開を続けていく意向だ。


記者プロフィール

宮崎ゆう

フリーランスのインタビュアー・ライター・編集者。ビジネス系の取材・記事執筆を主に担当。IT・メーカー・コンサルなど様々な企業の担当者とお話しして、そのサービスが企業や社会をどのように変えるのかを書いています。社会学修士(アフリカ地域研究)、銀行員などを経て現職。

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