Web受発注システムとは?導入するメリットやシステム選定のポイント

ECのミカタ編集部

Web受発注システムとは?導入するメリットやシステム選定のポイント

DXや働き方改革の推進により、EC業界でもWeb受発注システムを導入する企業が増加している。「Web受発注システムを導入することによって得られるメリットを知りたい」と考える担当者もいるのではないだろうか。

今回は、Web受発注システムの種類や主な機能、導入するメリットなどを紹介する。システム選定時のポイントや導入の際の注意点も解説しているので、参考にしてほしい。

目次

●Web受発注システムとは
●Web受発注システムを導入するメリット
●Web受発注システムを選ぶ際のポイント
●Web受発注システムを導入する際の注意点
●まとめ

Web受発注システムとは

Web受発注システムとは、企業間で行われる受注・発注の取引業務を、全てオンラインで行えるようにするシステムのこと。EC業界では、BtoBで用いられる。まずは、Web受発注システムの種類や主な機能を見ていこう。

Web受発注システムの種類


Web受発注システムは、インターネット上で提供されているサービスを利用する「クラウド型」、ゼロからシステムを構築する「フルスクラッチ型」、既存のシステムをカスタマイズする「ハーフスクラッチ型(パッケージベース)」の3つの種類に分けられる。

近年はコストの低さやすぐに利用できる点から、クラウド型のサービス利用が進んでいるようだ。

主な機能


Web受発注システムの主な機能は、以下の通り。

【発注における主な機能】
・発注書の作成・送付機能
・マルチチャネル機能
・注文履歴からの再発注機能
・発注情報管理機能

【受注における主な機能】
・マルチチャネル受注対応機能
・受注管理機能
・メール配信機能・メール自動配信機能
・在庫管理機能
・出荷指示・帳票作成機能
・請求書作成・発行機能
・システム連携機能

BtoBに特化したWeb受発注システムには、分析やレポートなどの営業機能を備えているものもある。


Web受発注システムを導入するメリット

Web受発注システムを導入することによって得られる、4つのメリットをおさえよう。

業務の効率化


Web受発注システムを導入する大きなメリットは、取引の業務効率化を図れることだ。従来の企業間取引は、電話やメール、FAXといったアナログな手法で行われることが多く、発注書や見積書、納品書、請求書といった帳票類も多いため、業務が煩雑になりやすいという課題があった。Web受発注システムではデータによる受発注によりそれらの作業量を大幅に低減することができ、従業員の業務負荷も軽減できる。

ヒューマンエラーの防止


取引のプロセスが自動化させることにより、ヒューマンエラーを防止できることもメリットだ。Web受発注システムでは、システム上で即座に受発注履歴を確認することができるため、取引先との齟齬を減らし、円滑な取引を行うことができる。ヒューマンエラーを防止することは、取引先の信頼を維持するだけでなく、自社業務の遅延や損害責任を減らし、余分なコストを抑える効果もあるだろう。

受注機会の創出


従来のアナログな受発注業務は、自社や取引先の営業時間や担当者の都合に合わせる必要があり、受発注処理に時間がかかってしまったり、受注機会を逃してしまったりすることもあるだろう。ECでWeb受発注システムを活用すれば24時間受発注に対応できるため、納品までの時間短縮が可能だ。納品までのスピード感を強みに、受注機会の増加が期待できると言える。

リアルタイムな状況把握


Web受発注システムでは受発注の数量や金額をリアルタイムで把握できるため、正確なキャッシュフローの把握や店舗間の比較なども可能だ。分析機能がついたシステムであれば、昨年度との比較を行ったり、売れ筋商品を把握したりと、経営戦力にも役立てることができる。


Web受発注システムを選ぶ際のポイント

Web受発注システムを選ぶ際のポイントを紹介する。

搭載されている機能


Web受発注システムは、多機能で高価なものから機能を絞ったリーズナブルなものまで幅広く存在する。そのため、自社のニーズと提供されるサービス・機能がマッチしているかどうかは、今後の業務効率を左右する重要なポイントだ。

カスタマイズ性、柔軟性


カスタマイズ性や柔軟性があるかどうかも、把握しておきたいポイントだ。Web受発注システムの種類によっては、自社の業務形態に応じてカスタマイズを行わなければならないものもあるだろう。カスタマイズ性があるものは、フェーズごとに機能を追加することもできるため、余分なコストを抑える効果もある。

操作性


Web受発注システムは、操作性が優れていることも重要だ。無料プランやトライアルを通じ、操作性や画面のデザイン性などから使いやすさをチェックするとよいだろう。

導入実績


受発注システムによって、特定の業界に特化しているものも、汎用性の高いものもある。そのため、自社の業務特性にあったシステムの導入実績を参考にすることは、失敗のリスクを減らす材料になるだろう。

マルチデバイス対応


Web受発注システムの中には、マルチデバイスに対応しているものもある。マルチデバイスに対応していればスマホやタブレットでも入力や修正を簡単に行えるため、利便性が高まり、取引の機会が増えることも期待できるだろう。

サポート体制


操作がわからなくなった際やイレギュラーな事態が発生した場合には、サポート体制が充実したWeb受発注システムが心強いだろう。サポート時間やサポート手段(電話、メール、チャット)、回答や対応までの時間などを事前にチェックしておくと安心だ。


Web受発注システムを導入する際の注意点

最後に、Web受発注システムを導入する際の注意点を解説する。

求める機能をまとめておく


フルスクラッチ型でゼロからWeb受発注システムを構築すると、自社に最適なシステムを開発できる一方で、初期費用や月額利用料が高額になる可能性がある。事前に自社が求める機能を洗い出したうえで、どの種類のWeb受発注システムを利用するか、予算も含めて検討しよう。

取引先の合意や協力が必要となる場合も


これまでアナログ作業でやり取りをしていた取引先とECサイト上でのやり取りに切り替える際には、取引先の協力を得る必要がある。導入当初は取引先にも操作方法を覚える手間が発生したりするため、事前にWeb受発注システムの導入の意図やメリットなどを丁寧に説明し、合意を得ておこう。

定着までのレクチャーやサポートが必要


Web受発注システムを運用するには、自社内だけでなく取引先への業務フローや利用方法の説明、サポートも必要だ。特に導入初期はスムーズな取引が難しくなる可能性が高いため、余裕をもったスケジューリングやフォロー体制を想定しておくとよいだろう。


まとめ

Web受発注システムを導入することで、業務効率の向上や受注機会の創出といったメリットがある。一方で導入時のコストや取引先の合意などが必要となるため、しっかりとポイントをおさえたシステム選定をすることが重要だ。今回紹介した選定時のポイントを参考にしながら、自社にあったWeb受発注システムの導入を検討してみてはいかがだろうか。


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