ふるさと納税総合研究所が【ふるさと納税調査レポート】を公表

ECのミカタ編集部

ふるさと納税市場の調査、分析やコンサルティングを提供する株式会社ふるさと納税総合研究所(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長:西田 匡志)は、自治体のポータルサイト契約数を調査し、その傾向を分析した。ここではその概要についてポイントを絞って見ていく。

調査概要

[調査名称]
自治体のふるさと納税ポータルサイト利用調査

[調査対象]
ふるさと納税に関する地方自治体のふるさと納税ポータルサイト数を調査

[調査時期]
2022年5月~7月

[調査対象者]
全国地方自治体

[実施主体]
株式会社ふるさと納税総合研究所

6サイト以上利用する自治体は約4割

6サイト以上利用する自治体は約4割

1サイトだけ利用する自治体は全体の11.3%、4サイトを利用する自治体が17.3%と最も多い割合となった。10サイト以上利用する自治体は92、21サイトを利用する自治体もあり、自治体のふるさと納税への戦略によって大きく差があることが分かった。

ふるさとチョイスが採用自治体数はトップ

ふるさとチョイスが採用自治体数はトップ

ふるさとチョイスが全国自治体の94.3%で掲載されており、トップとなった。続いて楽天、さとふるまでは1,000以上の自治体で利用されている。サイトがオープンしてまもないサイトも多いため、単純な比較はできないが、先行してサイトをオープンさせたポータルサイトが総じて掲載自治体数が多くなっている。後発のサイトが掲載自治体数を伸ばすことは容易ではなく、数で競わない方向で上位サイトとの差別化が問われている。

掲載サイト数と寄付額は緩やかに比例

掲載サイト数と寄付額は緩やかに比例

掲載サイト数と寄付額の関係性を分析している。グラフの通り、緩やかな上昇曲線を描いており、緩やかな比例を示しているが、サイト数を増やせば必ず寄付額が増えるとも言えない程度のばらつきがある。サイト数以外の寄付額を増加させる因子が影響しているようだ。

サマリー

ふるさと納税における自治体間競争が激化しており、寄付額増加のために契約するポータルサイトの利用数は増加傾向にあるようだ。ポータルサイトの利用数は自治体によって大きく差があり1サイトから21サイトの利用数となった。また、ポータルサイト別の利用数では、上位4サイトで60%以上を占める結果となった。

調査を受けて同社では次のように述べている。

「想定以上に自治体のポータルサイト利用数が増加していました。上位サイトに自治体の掲載が集中している状態です。また、ポータルサイト数を増加すれば寄付額は緩やかに比例しています。しかし、数を増やすことで自治体運営が複雑になり、在庫管理等の問題の発生率が高まります。自治体の戦略に合致したポータルサイトを増やしつつ、事故のリスクを低減させ効率化を図ることが、自治体にとっての戦略課題であることを再認識できた調査結果となりました。ポータルサイト側にも上位サイト以外は自治体の戦略に合致できるような特色あるポジションニングをとる必要があると思われます」

調査にもある通り、ふるさとチョイス(トラストバンク)と楽天、そしてソフトバンク傘下である、さとふるが自治体の利用数で上位を占める結果となった。ソフトバンクについては、記事執筆時点で3兆円を超える同社の歴史上最大の赤字が発生したことを受けて、社長自らが組織の見直しに言及しており、同様に傘下のYahoo!が、ふるさと納税代行サービスを取りやめたこともあって、さとふる事業の今後についても視線が集まることになりそうだ。

また一部世論からは、ふるさと納税制度そのものについて「富裕層の税金優遇措置である」「寄付なのに返礼品が豪華すぎる」などの意見が出ているが、制度のあり方についても議論が求められる状況が続くことになるだろう。

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