2022年度上半期 買取件数ランキング【買取大吉調査】

ECのミカタ編集部

買取専門店『買取大吉』を展開する株式会社エンパワー(本社:東京都新宿区、代表取締役 増井俊介)が、直営店に持ち込まれた品物を調査し、その結果を公表した(集計期間:2022年1月1日~2022年6月30日)。ここでその概要についてポイントを絞って見ていく。

拡大を続けるリユース市場、ECが牽引

リユース市場は、急速な勢いで伸長している。10年前には国内マーケット規模が1.5兆円だったものが、2022年には3兆円、2025年には3.5兆円に到達する見込みとなっており、マーケット規模は拡大を続けている。

リユース市場の伸長を牽引しているのは他の市場と同様に“インターネット取引”だ。フリマアプリ等のインターネットを利用したCtoC取引が毎年10%以上伸びていることなどが主な要因だと分析している。

特筆すべきは、他の市場と異なり、インターネット取引だけではなくリアル取引も伸びている点だ。買取専門店や出張買取など、リアル取引によって中古品を買取りするサービスが増加していることもリユース市場におけるリアル取引を伸長させている要因だとしている。

ジュエリー売却個数が7倍以上、ブランド品は2.5倍に

ジュエリー売却個数が7倍以上、ブランド品は2.5倍に

買取大吉調べによると、2022年上半期(1~6月)において、ジュエリーの買取り個数が飛躍的に伸び、前年同期(2021年1~6月)に比べて7倍となった。ウクライナ事情などもあり、貴金属の価値高騰が報道されたことなどに起因し、経済環境の不透明さや外出頻度の低下などから、ジュエリーの売却ニーズが高まったことが要因だとしている。

なお売却数が増加している一方で、その単価は減少してた。これは、一般消費者の売却数が増加したことで全体の中における一般消費者つまり単価の低いジュエリーを売却する層の比率が高まったと推測している。

またブランド品(特にバッグ、財布)の売却個数は、2.5倍になっている。2016年2月より1ドル=120円を超えることのなかった円相場が、2022年3月に120円を超えると、瞬く間に円安が進行し、6月には1ドル=135円をつけた。今年の上半期は急速に円安が進行し、海外のブランド品を売却しようという動きが高まり、昨年に比べて大幅に売却数が増加したと推測している。

さらにYOUTUBERを始めとして複数のインフルエンサーが時計を投資対象としてコメントすることが増え、2022年1月頃から時計の価値が急騰しているという。5月頃からは価格も一服感が出ており、一般消費者の時計売却は横ばいで推移すると推測しているが、前半の影響が大きく、前年同期比で2倍以上の実績となった。

その一方で、金券相場は下がっているようだ。コロナ禍による消費行動の減退などにより、商品券・ビール券などの相場が下がった。これにより、今売っては損という思考が働き、買取専門店への持ち込みは減少したと推測している。

買取り市場におけるネットとリアル

同社は、インターネット取引において、比較的安価な品物を取引するケースが多く、特にCtoC取引に置いては衣料品、家具・家電、玩具、レジャー用品などが高い伸長率を示しているとしている。

一方で、高額な品物である金・プラチナ、ジュエリー、時計などはリアルで取引されることが多いという。真贋(本物と、偽物・コピー品等の判別)や価格評価など、インターネット取引における信頼性がまだ低いことが要因だと分析している。

インターネット取引により、これまで中古品を売ることのなかった人たちが、それを経験し、通常の商行為として行うようになったことでマーケット全体を押し上げ、高額品についてはリアル取引を行う・・・、このような流れでインターネット取引と並行してリアル取引が増加しているようだ。

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