キャッチフレーズはどう作る?キャッチコピーの種類、売れるコピーの作り方を紹介

ECのミカタ編集部

キャッチフレーズはどう作る?キャッチコピーの種類、売れるコピーの作り方を紹介

語呂や耳なじみのよいキャッチフレーズは、製品を認知してもらうきっかけになるほか、売上にもよい影響を与えます。テレビや雑誌の広告においても、ただ製品の名前や特徴を謳うだけでなく、キャッチコピーをつけることによって広告効果を高めています。しかし、売れるコピーを考案するには、コピーライティングの基本とコツを理解することが必要です。この記事では、キャッチコピーの種類や作成方法、売れるキャッチコピーの作り方について解説します。

キャッチコピーとは

キャッチコピーとは、告知や宣伝に使われる短いフレーズのことです。有名なキャッチコピーの事例としては、以下のようなものがあります。

●サントリー「ウィスキーが、お好きでしょ」
●セブンイレブン「セブンイレブン、いい気分」
●大正製薬(リポビタンD)「ファイト一発!」
●イナバ物置「やっぱりイナバ、100人乗っても、大丈夫」

現在でも多くの企業が、商品のイメージを一言であらわすコピー、一度耳にすれば記憶に残るフレーズを使っています。

キャッチコピーを作る意味と重要性


商品やサービスの売上を伸ばすには、まず認知度を上げなければなりません。キャッチコピーは、インパクトが強く記憶に残りやすいため、商品やサービスの認知度を一気にアップさせられます。さらに、キャッチコピーによって興味をひきつけられれば、顧客が商品を手に取ったり、購入したりする可能性も高まるはずです。商品購入のきっかけづくりは、キャッチコピーを打ち出す目的の一つです。

また、キャッチコピーは企業やブランドのイメージを左右します。そのため、キャッチコピーはよいイメージを与える可能性もあれば、悪い印象をもたれてしまうおそれもあることを認識しておきましょう。

キャッチコピーの種類

キャッチコピーと似ている言葉として、「キャッチフレーズ」「ボディコピー」「スローガン・タグライン」などがあります。それぞれ似ている意味で使われることが多く、意識して使い分けているという方は少ないかもしれません。しかし、それぞれの言葉にはすこしずつ意味の違いがあります。

キャッチフレーズ


キャッチフレーズは、キャッチコピーより幅広い意味で使われることが多く、広告以外の目的で使われる短いフレーズを含みます。顧客に商品を購入してもらうための文句ではなく、企業や商品のイメージやブランド化を目的に使われるのが特徴です。

たとえば、コンビニエンスストアのセブンイレブンが打ち出した「セブンイレブン、いい気分」はキャッチフレーズの代表例です。フレーズだけではどのようなサービスなのかはわかりませんが、セブンイレブン自体の名前を印象付け、一度耳にすれば多くの人の記憶に残ります。

キャッチフレーズは、企業やサービス自体に興味を持ってもらうための手段として用いられるとおさえておきましょう。

ボディコピー


ボディコピーは、キャッチフレーズより長い文章で書かれており、商品やサービスの特徴や魅力を説明している文章です。キャッチコピーと並んで用いられるケースも多く、キャッチコピー、ボディコピーと読み進めることを狙いとしています。

たとえば「ビタミンで健康生活」というキャッチフレーズに対して、以下のようなボディコピーをつけるケースがあります。「100%国産の有機野菜だけを使ったジュースです。弊社のオリジナル製法によりビタミンを破壊せずに加工しています。」

多くの人は突然長い文章を目にすると、読むのが面倒に感じてしまうため、離脱の原因になりかねません。そのため、まずはキャッチフレーズでシンプルに訴求して、興味をもった人にはボディコピーを読んでもらうという手法がとられています。

スローガン・タグライン


スローガンは、企業の理念やビジョンを短いフレーズで表したものです。たとえば、サントリーの「水と生きる。」というスローガンは、飲料メーカーとして製品に使用する水を大切にしており、環境問題にも取り組んでいる姿勢を表しています。

また、タグラインは、ブランドとしての認知度を上げることを目的に、自社の製品名などを含めてキャッチーな言葉で言い表したものです。例としては、インテル社の「インテル、入ってる」などがあげられます。いずれもブランディングの一環として用いられるケースが多く、かならずしも訴求を目的としていないものもあります。

キャッチコピーの作り方

キャッチコピーの重要性は理解できていても、自分でつくるとなると、どのように考えればよいのか悩んでしまう方も多いでしょう。

以下では、実際にキャッチコピーを考える際に役立つ方法について紹介します。

ターゲットを絞って明確化する


キャッチコピーを作成する際には、まずターゲットを明確にすることが大切です。広告の目的やターゲットとなる顧客をしっかりイメージしましょう。広告を出稿する目的として、自社のサービスや商品を印象付けるためのイメージ広告、売上を伸ばすためのレスポンス広告があります。どちらを目的とする広告なのかを明確にしておかないと、キャッチコピーの方向性も定まりません。

また、広告のターゲット層も明確にしておく必要があります。男性・女性、若年層・シニア層などの属性をもとに、どんなターゲットに対して訴求するのかが決まっていないと、キャッチフレーズを検討するうえでの材料がありません。

キャッチコピーの材料を探す


ターゲットを明確化したあとは、キャッチコピーの材料となる言葉や考えを探します。材料としては、ターゲット層が抱えている悩みや不満をもとに、それらを払拭するような言葉が最適です。

顧客の関心を引くには、他人ごとではなく自分ごととして捉えてもらう必要があります。そのため、顧客が抱えている課題を解決するような言葉をキャッチコピーとして使うことで、自分に対する言葉として受け止めてもらえるでしょう。

次に、いくつか言葉を思いついたら、組み合わせたり、言い換えてみたりしてキャッチコピーを考えます。キャッチコピーは一つ考えたら終わりではなく、たくさん考えることが大切です。候補を出し終わったら、ターゲットの気持ちになりきり、より心に響くものを選びましょう。

売れるキャッチコピーを作るコツ

キャッチコピーの良し悪しを決めるのは、キャッチコピーを目にした顧客が商品を買いたくなるかどうかです。つまり、売れるキャッチコピーが求められているともいえるでしょう。

以下では、売れるキャッチコピーをつくるうえで意識すべきポイントについて解説します。

シンプルにまとめる


売れるキャッチコピーは、長文であってはいけません。長くなればなるほど、読んでもらえる可能性が下がります。また、シンプルなコピーに比べて記憶に残りにくく、すぐに忘れられてしまいます。

具体的な文字数を示すのは難しいですが、一息で読めるくらいの長さを目安とするとよいでしょう。意味が伝わることは大前提として、できるだけ余分な言葉を省くことが大切です。

ターゲットを主語にする


ターゲットを主語にする手法は、自分ごととして捉えてもらううえで効果的です。「誰でも」という主語はターゲットの幅を広げられる一方、誰の心にも深く刺さることはありません。「初心者でも簡単にわかる」や「新入社員が読むべき一冊」といったように、ターゲットを主語にした方がより心に響きます。

イメージや数字を使って具体化する


売れるキャッチコピーは、具体的な数字やイメージを入れています。たとえば「短時間で習得できる」というよりも、「一日10分で習得できる」の方がイメージがわきやすく、興味をひきやすいといえるでしょう。

また、数字以外であっても「産地にこだわった米」ではなく「新潟県のコシヒカリを使用」とした方が、魅力がダイレクトに伝わります。抽象的な言葉ではなく、具体的にイメージできる言葉を選ぶのがおすすめです。

メリットではなくベネフィットを伝える


メリットとは、商品の特徴を説明したものです。それに対してベネフィットは、その商品を利用することで顧客が得られる効果を説明しています。売れるキャッチコピーをつくるには、メリットではなくベネフィットの点から訴求していくのもポイントの一つです。

たとえば「従来の製品より洗浄力がアップ」というキャッチコピーは、メリットのみを示しています。一方、「従来落とせなかった醤油のシミまで真っ白に!」に変えると、顧客が商品を利用することで得られるベネフィットを具体的に説明することが可能です。

メリットの説明までで終わってしまうと、顧客は頭のなかで「それが自分にとってどんな利益を生み出すのだろうと、一度自分に置き換えて考える作業が必要です。そこで利益をぱっとイメージできなければ、自分にとって必要のないものと認識してしまう可能性もあります。一目で自分ごととして捉えてもらうには、メリットではなくベネフィットを伝えることが大切です。

恐怖・不安・好奇心を煽る


思わず目を疑うようなキャッチコピーを目にすると、印象に残りやすくなります。たとえば「サルでもわかる」や「好きなだけ食べても痩せる」などです。まさかそんなはずはないと思うようなフレーズを入れると、顧客の興味をひきやすくなるため、商品を知ってもらうきっかけになります。

また、好奇心を煽るものだけではなく、恐怖心や不安をはじめ、ネガティブな感情を煽るキャッチコピーも有効です。「そのやり方は間違っている」や「知らずに情報漏洩していませんか」といったように、読み手が恐怖や不安を覚えるフレーズを入れると、商品やサービスを知りたいという気持ちにさせます。さらに疑問形にしておくと、自分に置き換えて考えるよう促せるため、キャッチコピーの手法としておすすめです。

キャッチコピーに使える心理効果

前述のとおり、キャッチコピーは、顧客の気持ちに影響を与えて印象付けるものです。そのため、心理学的なアプローチを学んでおくと、より効果的なキャッチコピーをつくれるようになります。

以下では、キャッチコピーに応用できる心理学の効果について解説します。

バンドワゴン効果


バンドワゴン効果とは、多くの人が利用しているものは優れていると感じてしまう効果のことです。「大人気の~」や「巷で話題」という表記を見ると、つい気になってしまう方も多いでしょう。キャッチコピーにバンドワゴン効果を用いるには、大勢が利用しているイメージを盛り込むのがおすすめです。

スノッブ効果


スノップ効果とは、バンドワゴン効果とは反対に、数が少ないものや他人が持っていないものに価値を感じる心理です。「100台限定モデル」や「一つひとつ違うデザイン」などの希少性を売りにした商品の場合は、キャッチコピーにも盛り込むと目を引きます。

ツァイガルニック効果


ツァイガルニック効果は、完成しているものよりも、未完成のものの方が「完成させたい」という気持ちを引き出して興味を引く心理のことです。たとえば「話題のダイエットサプリを試した結果は…」というように、文を途中で止めるのはツァイガルニック効果を応用したものです。

広告をクリックすると続きが読めるようにしたり、重要な部分を伏せ字にしたりする方法もあります。

まとめ

キャッチコピーは、顧客に商品やサービスを印象づけるうえで効果的です。商品やサービスの販売に先立って、顧客に存在を知ってもらう必要がありますが、記憶に残るキャッチコピーは認知の拡大や浸透に大きく貢献します。また、キャッチコピーをつくる際は、目的やターゲットを明確にしておくことが重要です。読み手に対して自分ごと化させ、ターゲットに刺さる訴求を組み込めるよう、工夫してみるとよりよいコピーを作成できるでしょう。


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