セシール、「返品しやすさ」でネット通販王者に /「日経ビジネス」ランキング

販売後の細やかな対応で「ネット通販」部門1位


「日経ビジネス」は11月3日号で、「クレーム上等! またアマゾンで買ってしまうワケ」という特集を掲載した。その特集に掲載された「2014年版アフターサービスランキング」では、セシールが「ネット通販」で1位だった。

セシールに対する調査回答者の声では、返品のしやすさを指摘する声が非常に多かった。「返送先の住所が切り取って使えるように伝票に付いていて便利」「返品送料が無料で良心的」という評価が目立った。

衣料品の通販では、ネット上で見ているものと実際に送られてきたもので、印象が異なることも少なくないが、セシールはそういった点に細やかに対応しているのが、高い評価につながったようだ。

前回1位で今回2位となった家電量販店のジョーシンの評価も高い。ただし、「店舗に持ち込んだがすぐに対応してくれた」「接客態度が非常に丁寧」など、実店舗での従業員の姿勢に対する評価が目立つ。同じ通販業でも、ネット主体と実店舗主体では、ユーザーの求めるものが異なっていることがうかがえる。

「再利用意向率」が高いアマゾンとヨドバシ


ネット通販では、リピーターの獲得が重要だ。その点、アマゾンは満足度指数は7位にとどまるものの、再利用意向率は92.2%とトップだった。
ただし、満足度指数は47.3。まずまずではあるが、オルビスの86.5などと比べると、かなり下がる。回答の中には満足している人も多い一方で、「電話がつながらない」「できるだけ電話されないように誘導しているように感じる」「アフター窓口がロボットみたい。マニュアル過ぎて不愉快」といったものがあったという。たしかにある程度慣れていないと、カスタマーサービスに連絡する方法はわかりにくいし、複雑な問題への対応にはもう少し人間味があってもよいかもしれない。

アマゾンに僅差でつけたのが、ヨドバシ・ドット・コムで、91.0%だった。当日配送や送料無料に加え、しばしばポイント還元率アップのキャンペーンを行っていることなどが要因となっていると思われる。

ヨーカドーは「代替提案」、パルシステムは「丁寧」で評価


「ネットスーパー分野」では、昨年に引き続きイトーヨーカドーネットスーパーが1位だった。再利用意向率も78.9%とかなり高く、リピーターがついていることがうかがえる。
ユーザーの声としては「値段はそのままで、代替として容量の大きいものを提示してくれた」といったものがあった。商品がないときに、ユーザーを満足させられる代替商品をすぐに勧められることが商売では重要だということなのだろう。

また、2位にのパルシステム(パルシステム生活協同組合連合会)では、「とにかく丁寧」「丁寧かつ親切」「とにかく感じがいい」と接客の丁寧さを評価する声が多かったという。

家電量販店の1位はケーズホールディングス


家電量販店では、1位から6位までは去年と順位の変動はなかった。再編で同じグループとなったビックカメラとコジマが揃って1つずつ順位を上げ、その分ノジマが順位を落とした。
家電量販店の場合、品揃えにはそれほど大きな差はないため、接客などの印象の差が順位に表れたと見られる。しかし、満足度指数の差はかなり大きく、あまり高くない企業では社員教育の見直しも必要になるかもしれない。