「満足したとき」よりも 「不満を感じたとき」の方が拡散力は上がる【カスタマーサポートにおけるCX調査2022】

ECのミカタ編集部

モビルス株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:石井智宏)は、顧客サポートを進化させるテクノロジー「SupportTech(サポートテック)」の調査・普及を行う「Mobilus SupportTech Lab」の取り組みとして、企業に問い合わせをしたり・レビューの書き込みをしたことがある男女1,613人を対象に実施したカスタマーサポートにおけるCX調査の結果を発表した。

調査概要

調査名称:カスタマーサポートにおけるCX調査2022

調査の目的:消費者のカスタマーサポート体験の把握、「カスタマーサポートにおけるCX動向」の活用の検討

調査期間:2022年5月24日~2022年5月30日

調査対象:20~60歳以上の男女

CX(カスタマーエクスペリエンス)とは、”商品やサービスの機能・性能・価格といった「合理的な価値」だけでなく、購入するまでの過程・使用する過程・購入後のフォローアップなどの過程における経験「感情的な価値」の訴求を重視するものです”※ 。

※ 野村総合研究所 https://www.nri.com/jp/knowledge/glossary/lst/alphabet/cx

調査結果の詳細

1.約7割がカスタマーサポートの手厚さを「重視する」「やや重視する」

1.約7割がカスタマーサポートの手厚さを「重視する」「やや重視する」

全体では「重視する」「やや重視する」を合わせて72.6%がカスタマーサポートの手厚さを重視。また年代別にみると、20歳~39歳は「重視する」の回答が他年代よりも多く、若年層のイメージとは異なりサポートへの関心の高さがうかがえる。

2.全体の約52%が良いサポートを受けられるのなら金額が高くなっても「構わないと思う」「やや思う」と回答

2.全体の約52%が良いサポートを受けられるのなら金額が高くなっても「構わないと思う」「やや思う」と回答

「思う」「やや思う」を選ぶ方は全体の52%に。また年代別の回答では、「思う」と回答したのが最も多いのは20歳代(29.3%)、次いで30歳代(23.5%)。「思わない」を回答したのが最も多いのは50歳代(16.4%)、次いで60歳以上(10.5%)となった。「若年層はサポートを金銭価値的にも評価する」特徴がある一方、問い合わせを多くする高齢層がそうではないのは「カスタマーサポートは金銭的価値がない」と考えるからではなく「お金を払わずともサポートされて当然」という認識があるため、という可能性も一因としてありそうだ。

3.不備があった場合、「その商品・サービスのカスタマーサポートへ連絡し、不満がある旨を伝える」が最も多い

3.不備があった場合、「その商品・サービスのカスタマーサポートへ連絡し、不満がある旨を伝える」が最も多い

購入したものに不備があった場合、33.9%が「その商品・サービスのカスタマーサポートへ連絡し、不満がある旨を伝える」と回答し、最も多い結果に。次いで、「継続購入・利用をやめる」(27.0%)となった。カスタマーサポートに伝えたいと考えても実際の行動に起こす人は一部となり、「サイレントカスタマー」となる人も。

4.不満の場合、「5~9人」「10人以上」に伝えるを選んだ人は「満足したとき」よりもやや多い

4.不満の場合、「5~9人」「10人以上」に伝えるを選んだ人は「満足したとき」よりもやや多い

「満足したとき」、全体の51.4%が「3~4人」に伝えると回答し、最多に。また「不満のとき」も、全体の44.4%が「3~4人」に伝えるを選び、こちらも最も多い結果となった。一方で「不満のとき」は「5~9人」「10人以上」に伝える人が「満足したとき」よりも多くなり、商品に不満を持った時の方が拡散力が上がる傾向にあるようだ。

サマリー

1. 約7割の人が、カスタマーサポートを重視

2. 52%の人がカスタマーサポートが良ければ、金額が多少高くなっても構わないと回答

3. 購入したものに不満があったとき、カスタマーサポートに連絡する人は約3人に1人。約4人に1人はそのまま継続購入・利用をやめる

4. カスタマーサポートに不満を感じ、他社に乗り換えた経験がある人は69%

5. 「問い合わせを何度もしないと問題が解決できないこと」に不満を感じる人は24%

6. 不満に感じた時、44%の人がそのことを「3~4人」に伝える


調査結果を受け、同社では以下のようにまとめている。

● カスタマーサポートでの体験は、購入判断にポジティブにもネガティブにも影響。

カスタマーサポートが期待と違った場合に商品の購入に「影響する」「やや影響する」と回答した人は全体の75.2%となりました。また、満足した場合、商品の購入に「影響する」「やや影響する」と回答した人も全体の77.3%となりました。カスタマーサポートの印象はポジティブにもネガティブにも購入判断に影響する可能性が高いといえそうです。

● 商品に「満足したとき」よりも「不満を感じたとき」の方が多くの人に伝える。

「満足したとき」は全体では「3~4人」に伝える人が51.4%を占めました。「不満のとき」も全体では「3~4人」に伝える人が44.4%となっていますが、「5~9人」「10人以上」に伝えるを選んだ人は、「満足したとき」よりもやや多くなっています(合計33%)。また50歳代、60歳以上では「5~9人」「10人以上」を選んだ人は「満足したとき」よりも多く、特に50歳代では「10人以上」は24.3%の方が選択し、「不満を感じたとき」のほうが多くの人に伝える傾向にあるようです。

● 不満があったら購入元に伝えたい。でも実際に伝える人は少ない。

全体の91%の方がが購入した商品に不備があった場合は購入元にそのことを伝えたいと思うようです。一方、不満があった場合の実際の行動でみると「その商品・サービスのカスタマーサポートへ連絡し、不備がある旨を伝える」を選んだ人は33.9%で、おおきく乖離がありました。多くの人は不満があっても購入元に伝えず、別の行動をとるようです。

● カスタマーサポートの手厚さは重要。若年層は対価を払ってもよいと考える傾向。

全体では72.6%の方がカスタマーサポートの手厚さを重視しています。また「 商品・サービスを選ぶとき、購入後に良いカスタマーサポートを受けることができるとしたら、購入時の金額が多少は高くなっても構わないと思いますか?」と聞いたところ、「思う」「やや思う」を選ぶ方は全体の52%を占めました。年代別の回答では、「思う」と回答したのが最も多いのは20歳代は29.3%、次いで30歳代で23.5%となり、若年層は他年代と比較し、対価を払ってもよいと考える傾向にあるようです。

ECのミカタ通信23号はこちらから


記者プロフィール

ECのミカタ編集部

ECのミカタ編集部。
素敵なJ-POP流れるオフィスにタイピング音をひたすら響かせる。
日々、EC業界に貢献すべく勉強と努力を惜しまないアツいライターや記者が集う場所。

ECのミカタ編集部 の執筆記事