福島など5県産食品輸入が台湾で解禁 8割超が「食べる」と回答

ECのミカタ編集部

福島県など5県産食品を買って食べるか?

台湾人向けの訪日観光情報サイト及び越境ECサイトとしてNo.1のユニークユーザー数を有する「樂吃購(ラーチーゴー)!日本」を運営する株式会社ジーリーメディアグループ(本社:東京都渋谷区)は、サイトユーザーである台湾人を対象に、WEB上で「福島など5県産品や農林水産品に関する意識調査」を実施した。

調査背景と概要

調査背景と概要

台湾は、2011年3月の東京電力福島第1原子力発電所の事故以来禁止してきた福島県や栃木県、群馬県、茨城県、千葉県などで生産・加工された食品の輸入を、2022年2月に解禁した。

また、円安の後押しもあり台湾では日本製品の輸入額が2021年に過去最高の561.5億米ドルとなり(2019年比127%)、輸出市場が拡大している。今後さらに台湾に向けて輸出拡大が期待される品目を探ることを目的とし、消費者の意識調査を実施した。

◆調査概要

▷調査対象:台湾人
▷調査方法:「樂吃購(ラーチーゴー)!日本」内でのインターネット調査
▷有効回答:4,580名
▷調査期間:2022年8月15日(月)~8月31日(水)
▷調査主体:ジーリーメディアグループ
▷回答者属性:下記画像を参照

品目調査

品目調査

農林水産省が推進する「農林水産物・食品の輸出拡大実行戦略」の輸出重点品目を参考に、人気品目の調査を実施。

訪⽇客にも⼈気である「お菓⼦」「乳製品」「果物」が上位にランクインするのは予想通りの結果だろう。

一方で現地での販売価格が⾼い「⽇本酒」や、元来台湾に伝統的な⽂化がある「お茶」も上位にランクインしたのは意外かもしれない。

年収別に⾒ると、⾼所得になるにつれ「⽇本酒」や「和⽜」や「果物」への興味が高まる⼀⽅、「お菓子」「乳製品」は高所得になるにつれて興味が少なくなるという傾向みられる。

そして年代別に見ると、年齢が上がるにつれ「果物」への興味が高く、年齢が下がるにつれ「お菓子」「乳製品」への興味が高くなることが分かるだろう。

「貝類」「ソース・調味料」「味噌」「お茶」に関しては、年収別・年代別で顕著な差は見られず、⽣活に⾝近な産品は今後ますます幅広い層の消費拡⼤に期待できる結果なった。

訪日経験が帰国後の購買に影響か

訪日経験が帰国後の購買に影響か

「福島県など5県産食品を買って食べるか?」との質問に対しては「全く気にしていない」38.6%、「少し気になるが買って食べる」が43%と81.7%が積極的な回答。

一方で、18.3%が「気になるので買わない」と回答した。

また輸入が解禁された5県のうち「どの県産品に特に興味があるか(複数回答)」の問いには、全体では千葉県の46.7%が最多となった。成田空港や東京ディズニーランド等の観光関連施設があり千葉県への来訪経験者が多く、身近に感じられる地域だからかもしれない。

他県でも各県への来訪経験者に限定して集計するといずれも興味が上昇し、訪日での経験が帰国後の日本産品購入のきっかけとなることが窺える結果だろう。

日本製品の輸入額が2021年に過去最高となった台湾だが、2022年以降はさらなる慎重が予測される。本調査の結果は、今後の売り込み商品の選定に大きく役立つだろう。

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