EC・ネットショップの競合分析とは?他社サイトを分析する方法やポイント

ECのミカタ編集部

EC・ネットショップの競合分析とは?他社サイトを分析する方法やポイント

ECサイトやネットショップを運営するうえでは、競合分析が必須です。ただし、競合分析をするには時間や労力が必要となるため、なかなか取り組めていない企業も多いのではないでしょうか。この記事では、競合分析の概要や方法、業者選定のポイントやおすすめツールについて解説します。

競合分析とは

競合分析とは、自社のビジネスと競合他社を比較した際に、それぞれの違いを見つけたり、自社と他社の位置づけを確認したりするものです。自社のビジネスが競合他社より優位な位置に立つうえでも、競合分析は重要な作業です。

ECサイトの競合分析でチェックすべきポイント

競合分析をする際には、ただ競合他社のECサイトなどを見るだけではいけません。分析をする際にチェックすべきポイントをおさえておくことが非常に重要です。

まず競合分析をする際には、自社と競合他社の特徴の違いや工夫している点などを幅広く分析する場合と、競合他社のことをより具体的に分析する場合の2パターンがあります。

幅広く競合他社を分析する場合、チェックすべきポイントは以下の5つです。

●ターゲット層
●競合他社の付加価値や差別化要因
●商材の市場シェア占有率
●競合商品の価格帯
●競合商品の特徴や訴求点

また、より具体的に分析する場合、チェックすべきポイントは3つです。

●ECサイトの機能
●マーケティング戦略
●商品購入者のレビュー

なお、競合分析をする際には、競合他社と比較したポイントを明確化したうえで、それぞれのポイントを調査するようにしましょう。

ECサイトの競合分析の方法

実際に競合分析をする際には、主に3つの方法があります。レビュー調査、購入調査、サイト調査の3つです。

以下では、それぞれの方法について解説します。

レビュー調査


レビュー調査をする理由は、実際に商品を購入したり、競合他社のECサイトを利用したりしたユーザーの感想を把握するためです。

レビュー調査をすることによって、ユーザーがどのような点に満足しているのか、またはどのような点に不満を抱いているのかがわかります。つまり、競合他社の強みと弱みを知ることにもつながります。

たとえば、競合他社の弱みのなかで自社商品であれば解決できる点があれば、積極的に訴求すべきポイントであるといえるでしょう。

購入調査


前述のレビュー調査に加えて、実際に商品を購入して調査をすると分析の質が上がります。レビュー調査は、あくまでも商品の購入者の感想や意見であり、それらの内容はユーザーの感じ方によって若干変化します。もちろん多くのユーザーの感想や意見も重要ですが、実際にそれらが事実なのかは自身でも確かめてみましょう。

また、実際に一人のユーザーとしてECサイトを利用するなかで気付くこともあるはずです。たとえば、商品購入までストレスなく進むことができるか、決済の手段はどのようなものがあるのか、商品購入後にはどんなサポートがあるのかなどです。

そのため、解像度を高く分析したい場合には、レビュー調査と購入調査の両方を行うとよいでしょう。

サイト調査


サイト調査には、商品本体とサービスの2つのアプローチがあります。商品本体については、価格・カラー・サイズなどの要素などがあります。一方、サービスは購入から配達までの期間・購入後の保証・サポートなどです。

上記で紹介した分析は、調査項目のなかに重複するものもありますが、調査方法が変わることで見えるものも変わる可能性があります。そのため、さまざまな視点から調査することが大切です。

ECサイトの競合分析の流れ

競合分析の実施にあたっては、事前に流れを理解しておくことが重要です。

以下では、競合分析の3つのステップについて解説します。

目的を明確化する


はじめに、競合分析を行う目的を明確化しましょう。たとえば、自社の商品をECサイトで販売するにあたって、サイト自体や商品の抱える課題を改善するなどです。

目的が明確化していないと、どんな情報が必要になるかが予測できないため、分析範囲を広げて隅々まで調査する必要があります。デメリットは、調査項目が増えるほど、調査にかかる時間や労力もかさんでしまう点です。

さらに、さまざまな情報が得られたとしても、結果としてどうだったのかがわからなくなってしまうおそれもあります。

ベンチマークとなる競合他社を選定する


比較する相手がいなければ、競合分析は始まりません。比較対象を探す方法としては、自社がECサイトで販売する商品や関連するキーワードで検索した際、上位表示されるECサイトなどを選定するのがおすすめです。

分析対象となる競合他社の選定後は、調査するポイントを設定します。調査項目については、前述の競合他社を分析する際にチェックすべきポイントをもとに決めるとよいでしょう。

ツールを活用して分析する


目的とベンチマークが決まれば、実際に分析をするフローに移ります。事前に調査対象や項目を整理しておいたとしても、しっかり分析しようとすると時間と労力がかかります。

そこで分析ツールを活用するのがおすすめです。ツールを活用することで、効率的に調査できるのはもちろん、手動で調査するよりも質の高い分析結果が得られるはずです。

なお、おすすめの分析ツールについては、後ほど紹介します。

ECサイトの競合分析をする際の注意点

ECサイトの競合分析においては、注意すべきポイントがいくつかあります。たとえば、定期的な情報のアップデート、データドリブンな思考などです。

以下では、それぞれのポイントについて解説します。

定期的に情報をアップデートする


競合分析は、一度実施して終わりではありません。分析対象である競合他社も日々、商品やサービスの研究を積み重ねて進歩しています。そのため、いつまでも古い情報をもとに、勝ち筋を見出していては、最新の市場から取り残されてしまいます。

定期的に情報をアップデートしたうえで、つねに最新の動向をチェックしておき、自社の位置づけや差別化要因を検討することが重要です。

データをもとに結論を出す


分析をする際は、自分の考えや憶測などではなく、データをもとに結論を出しましょう。データ分析に失敗するパターンとして、過去の経験をもとに結論づけてしまうケースがあります。

もちろん経験則から考えることも重要ではありますが、データを収集して分析する際にはデータドリブンな思考がベースとなります。主観にもとづく結論は偏りやすく、正確なものとはいえません。

また、活用できるデータがあるのに、データに対する仮説をたてず、主観をもとに結論づけてしまうのはもったいないともいえるでしょう。

分析作業に時間をかけすぎない


ECサイトにおける本来の目的は、競合分析ではなく、商品の販売やサービスを提供することです。そのため、分析作業に時間をかけすぎてしまうのは、得策ではありません。

分析作業を自動化できるツールなどを活用して、できるだけ効率的に分析作業を進めることが重要です。手段と目的をはき違えてしまい、競合分析ばかりに注力してしまうと、マーケティングやプロモーションなどにかけられる時間が減ってしまうリスクもあります。

ECサイトの競合分析におすすめのツール

前述のとおり、ECサイトの競合分析はツールを活用して効率化すべきです。無駄な時間をかけずにECサイトを運用していくうえでは、自動化ツールの導入は必須ともいえるでしょう。

以下では、ECサイトの競合分析におすすめのツールについて紹介します。

SimilarWeb


SimilarWebは、競合他社のホームページのアクセス状況を調査する際に役立つツールです。SimilarWebを利用するメリットは、競合他社を探す時間を短縮できる点、自社ECサイトを上位表示させるための改善ポイントを明確化しやすい点などです。

また、はじめから有料版を契約するのが心配な方には、無料版も用意されています。そのため、まずは無料版で使用感を試してから導入を検討するのもよいでしょう。

ユーザーテストExpress


ユーザーテストExpressは、テストに特化した分析ツールです。テスト対象のURL、テストの目的、ユーザーの条件を指定すると、調査項目を作成してテストを実施します。

そのため、時間や労力をかけることなく、データをもとにした結果を導き出せる点が特徴です。

イーリサPRO


イーリサPROは、Amazonで売れている商品の調査に役立つツールです。商品情報をもとに競合調査ができるため、出品型モールであるAmazonの対策には適しています。

また、イーリサPROには無料版と有料版があります。有料版は調査機能に加えて、リサーチしたデータを保存しておける機能が実装されているため、登録商品のランキングデータや価格の変動などもチェックできる点が強みです。

GRC


GRCは、Google・Yahoo!・Bingの検索エンジンにおける検索順位を調査する際に役立つツールです。調査したいサイトとキーワードを登録すると、日々の順位をチェックできるほか、施策メモや検索順位アラートなどの機能も利用できます。

無料版と有料版が用意されており、一番安いベーシックプランは年間4,950円で契約できます。

Mailcharts


Mailchartsは、メールマーケティングを分析する際に役立つツールです。販促施策として利用されるメールマーケティングの効果測定に適しています。

Mailchartsを利用すると、競合他社がどの程度販促メールを顧客に送信しているのか、どのように商品を宣伝しているのかなどがわかります。

Buzzsmo


Buzzsmoは、調査したいドメイン名を入力するだけで、一番アクセス数の多いコンテンツやSNSで拡散されたコンテンツをチェックできます。調査結果はランキング形式となっているため、直感的に理解しやすい点も特徴的です。

Buzzsmoでは、ユーザーに人気のコンテンツをピックアップでき、ユーザーニーズに応えるコンテンツの設計にも役立ちます。また、有料版に14日間のトライアル期間が設けられているのも魅力的です。

Alexa


Alexaは、URLを入力しておくと、自社と競合他社のサイトのランキングをチェックできるツールです。サイトランキングをチェックできるツールにはさまざまなものがありますが、Alexaはチェックしたランキングを国別で表示できます。

無料版と有料版があり、有料版ではキーワードの検索順位や外部リンクの調査などができるため、より精度の高いSEO分析が可能です。

Facebookオーディエンスインサイト


Facebookオーディエンスインサイトは、Facebookのフォロワーの年齢層や性別などの情報を分析できるツールです。競合他社がどのような層をターゲットにしているのかをリサーチする際に役立ちます。

SNS運用はもちろん、広告を出稿する際のターゲティングにも効果的です。

まとめ

ECサイトの運営にあたって、無策で商品販売をするのは危険です。競合他社に対してアドバンテージをとれる要素を洗い出したうえで、商品の開発や訴求に活かしていかなければいけません。

そこで競合分析を活用して、自社・競合他社の強みと弱みを分析することが大切です。自動化ツールなどもあるため、必要に応じて導入を検討するとよいでしょう。


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