縫製クラウドソーシングサービスを提供する「シタテル」が本格オーダーを受付開始

国内のアパレル縫製工場と小売店のマッチング


縫製サービスをクラウドソーシングで提供するプラットフォーム「シタテル」を開発・展開するシタテルは3日、三菱UFJキャピタル、日本ベンチャーキャピタル、リブセンスを割当先とした第三者割当増資を実施したと発表した。
調達額は公開していないが、数千万円規模の模様。今回の増資で得た資金は経営体制の強化、インフラ整備、システム開発等に投下する。
併せて2014年11月より、本格オーダー受付開始した。

シタテルは、今年2014年3月に設立された。
日本国内のアパレル縫製工場では、優れた技術を持ちながら、どうしても製造能力余剰が生じてしまうため、この余剰を埋めて稼働率向上を図ることが課題となっている。
一方、小売店では細分化した消費者のニーズに応え、付加価値をつけた商品の提供が求められる。そのためにはオリジナルアイテムを、小ロットで生産・販売することが望ましいと考えている。
この双方のニーズをマッチさせることが、シタテルの役割となっている。

マイスター(職人)の技術をインターネットで生かす


シタテルのヴィジョンは、『そこにある「衣・資源」を自由な発想とアイデア、そしてマイスターと呼ばれる職人達の丁寧な仕事で新たな価値を見出し「持続可能」な世界が広がることで「次の世代の本当に良いモノをつくっていくデザイン・価値感」につながっていく』というものだ。

マイスターとはドイツ語で職人を意味するが、その位置づけは日本人が考えているよりもずっと高い。技術を大切にするドイツでは、衣料品・靴・カバン・工芸品・食品などあらゆる分野にわたって、マイスターは社会的尊敬を集めている。
シタテルのいう「マイスター」には、ドイツ語の原義に近いニュアンスが含まれているようだ。

シタテルでは、小さな仕事にもクオリティを追求するマイスターの技術力とインターネットを融合させることで、これまでにないサービスを実現させた。機械はもちろん重要だが、機械だけではできない味わいがある。

近年、国内の縫製業は中国やバングラデシュなどアジア諸国に押され気味だが、そのクオリティはやはり確かだ。シタテルは気軽に依頼できるインターネットを通じることで、クオリティの高いものを小ロットでも納得できる価格で提供することに成功した。同時に国内雇用も生み出しており、社会的意義も大きい。
今後の展開を期待したい。