Sake RD 中国国内の日本酒専用ECサイトをWeChatにオープン
中国市場向けに日本酒販売事業を展開する株式会社Sake RD(以下:Sake RD)は、中国最大のSNS・WeChatのミニプログラムを活用して中国国内に日本酒専用ECサイトをオープンしたことを公表した。
中国最大のSNSへ簡単な作業で販売が可能に
WeChatは、月間アクティブユーザー数13億人以上を誇る中国最大のSNSである。Sake RDは、WeChat内に様々なアプリを提供できるミニプログラムのショッピング機能を活用して、日本酒専用ECサイト(※1)をオープンした。
本ECサイトのオープンによって、これまで中国国内では流通していなかった日本各地の酒蔵の日本酒販売が可能となった。
◆サイトに関する主な概要
▷中国語への翻訳や輸出業務といったECサイトへの情報登録までの全ての業務はSake RDが担う
▷蔵の在庫リスクを軽減するため、商品はSake RDの在庫として販売される
▷酒蔵は商品情報と商品の画像データ、その他輸出に必要な書類を提出するだけでECサイトでの販売が可能となる
▷試験的な販売、在庫調整を目的とした小ロットからの販売にも対応
さらに日本酒の情報だけでなく、酒蔵の魅力を独自の記事や動画などで訴求することで、銘柄や酒蔵のファンを増やすサポートするとしている。さらに、Sake RDは中国国内の飲食店への販路開拓も同時に行なっているため、お店で飲んだ日本酒を購入したいお客様をECサイトへ送客することも可能となる。
※1:その他リキュール等も含む
中国市場において日本酒コミュニティを発展させる
中国における日本酒への興味関心の高まり、旺盛な需要を受けて、ECサイトでも日本酒を販売したいという酒蔵は増えてきている。しかし、酒蔵には中国語やEC運用経験がある人材が少なく、ニーズは理解していても手を出しにくい状況が続いていた。
また、中国国内ECモール・越境ECに代理店経由で販売する、自社で越境ECに出店する方法を選択できたとしても、次の課題により持続的に販売量を増やしていくには高いハードルがあった。
◆代理店販売の課題
▷販売データ(いつ、どこで、販売数量)が取得できない
▷販売代理店任せのため、ブランディングに限界がある
◆越境EC利用の課題
▷中国語ができるEC担当者をつける必要があり、運用負荷が高い
▷越境ECサイトでは中国国内ECサイトよりユーザーを集めにくい
▷中国国内にある保税区に商品を納付し、在庫リスクを背負うことになる(※2)
このような問題を打開するべく、Sake RDは日本酒専用ECサイトをWeChatへオープンするに至った。今後は販売だけではなく、顧客に対して「季節に応じたペアリング」や「記事や動画による日本酒紹介」、さらには購入履歴に基づいた提案機能を拡充していくとしている。中国において日本酒ファンのコミュニティが発展することは、多くの酒蔵にとってチャンスとなるはずだ。本ECサイトが中国市場において、より一層の日本酒需要拡大に貢献することが期待されるだろう。
※2:中国国内の保税区から顧客に発送する場合