ワンストップ梱包活用の自動倉庫システム【RENATUS】の提供開始

ECのミカタ編集部

RENATUS ROBOTICS Inc.(米国法人:米国デラウェア州)、RENATUS ROBOTICS株式会社(日本法人:東京都文京区)は、自動倉庫システム「RENATUS(レナトス)」の提供を開始した。

ピッキング・集約・梱包を一括で、人件費最大1/3に

RENATUS ROBOTICS Inc.、RENATUS ROBOTICS日本法人は、独自の「ワンストップ梱包」による高効率な自動倉庫システム「RENATUS(レナトス)」の提供を開始した。同社は、「導入設備を大幅に削減した設計による、イニシャルコストの大幅な削減」「ワンストップ梱包方式により、従業員の人件費が最大で1/3に削減」「故障リスクを分散させることで、倉庫全体のダウンタイムの発生リスクを最小化」により、高効率・低コスト・低リスクな無人倉庫を実現するとしている。

RENATUS(レナトス)は倉庫内に建てられた高さ5~20mのラック内において、ラックに敷設されたレール上を専用シャトル「RENATUS SHUTTLE」が走行することでコンテナを効率的に作業者の元へと運ぶ次世代のGTPとなっている。

同社によれば、RENATUSには従来のGTPと異なる点が3つあるとのことだ。

▶ワンストップ梱包

▶圧倒的なピッキング速度

▶究極の格納効率

次世代の自動倉庫システム「RENATUS」の特徴

次世代の自動倉庫システム「RENATUS」の特徴

◆特徴1:ワンストップ梱包

RENATUSはコンテナ単位で荷物を輸送するため、ピッキング作業は常にコンテナの中身をピックするのみで完結し、荷物を探す・迷うといった時間のロスやミスが発生しない。加えて、シャトルが作業者へコンテナを供給するタイミングは全て後述のRENATUS CORTEXにコントロールされており、完全に順立てされている。そのため、作業者はコンテナからピックした荷物をそのまま出荷用の段ボールに繰り返し入れてゆくだけでピッキング・集約・梱包の3工程が1度に達成される「ワンストップ梱包」が可能になった。

◆特徴2:圧倒的なピッキング速度

RENATUSは従来の3次元走行型AGVと異なり上下方向へ自走しない。ラック内の各フロアのシャトルが水平2方向の高速移動に特化(4m/s)することで、業界最速の輸送を実現した。更に、機体およびラックの設計に余計な複雑さが無いため、3次元走行型に比べ故障が起こりづらいだけでなく、価格が非常に安価となった。加えて、各フロアの外縁部には高速昇降リフトが配置されており、荷物の上下方向への運搬を行う。この昇降リフトの移動速度は従来の3次元走行型AGVを大幅に上回り(4m/s、4m/s²)、庫内搬送を更に高速化している。これらの高速化によりRENATUSは1時間1人当たり500行以上のピッキングを実現する。

◆特徴3:究極の格納効率

配車最適化アルゴリズム「RENATUS CORTEX」はシャトル2000台を同時制御できる独自システムである。ラック内部を数百~数千台のシャトルが走行すると、従来のアルゴリズムではシャトル同士の衝突が多発してしまう問題がある。衝突しない配車計画を実時間で計算するアルゴリズムはまさに最新の研究分野である。同社は「RENATUS」の開発を通じて独自の配車最適化アルゴリズムを発明し、実用化した。世界初のこのアルゴリズムによって、シャトルは大規模ラック内部において、最短ルートを衝突なく高速移動する。RENATUS CORTEXの計算結果はローカル5Gを介して各シャトルに伝達される業界初の方式をとっており、機器間の安定した高速通信を実現している。独自の配車最適化アルゴリズム、新方式の通信環境によってRENATUSはラックの大規模化を可能としている。加えて、バッファ装置やベルトコンベアなどの設備を削減できるため、面積効率が大幅に向上し、コンテナ100万箱以上を1拠点に高密度保管することが可能となった。

物流業界全体の効率化をリード

物流業界全体の効率化をリード

RENATUS ROBOTICSは今後、Nasdaq上場を見据えたグローバルでの事業推進を行い、次世代の自動倉庫システム「RENATUS」を、世界中のあらゆる大規模な物流センターに提供していくとしている。その前段階として、同システムを導入した自社の自動倉庫の実稼働を開始し、国内の配送需要のニーズに応える配送代行事業による高効率な収益モデルを構築すると共に、システムの実運用を通じて、製品のアップデートを重ねていくとのことだ。

将来的には、「RENATUS」のシステム導入を事業の基軸としながらも、シャトル群制御アルゴリズムやマテハン機器など、TRUST SMITHグループ独自の製品・要素技術を活かした多様なユースケースに応えるような体制を構築し「物流業界全体の効率化」を牽引できるような存在を目指すとしており、ECの生命線とも言える日本の物流業界と、そのインフラに新たな風を吹き込むことになりそうだ。

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