Facebook広告の仕組みは?料金体系や費用相場、課金方式から支払い方法まで

ECのミカタ編集部

Facebook広告の仕組みは?料金体系や費用相場、課金方式から支払い方法まで

現在さまざまなSNS広告が普及していますが、Facebook広告は、費用対効果良く運用できる媒体です。また、FacebookとInstagramは同じMetaの傘下のため、同じ手順や設定で両方のSNSに配信できます。費用相場や課金方式などを理解し、自社の商材やユーザー層に合わせて配信しましょう。

Facebook広告の料金は?費用相場はどのくらい?

Facebookに出稿する広告は、リーチできるユーザーが多く、ターゲティングの精度も高い点がメリットです。

その中でもビジネスパーソンからの利用が盛んで、BtoB商材に向いた広告媒体としても知られています。実際にFacebook広告の活用で売上を大きく伸ばした企業の事例も数多くあります。Facebook広告の利用にはどれくらいの費用がかかるのか、相場をみていきましょう。

Facebook広告の最低出稿金額


Facebook広告は、最低100円から運用をはじめられますが、これはあくまで最低ライン。実際のところ、100円という金額で獲得できるのはクリック1回分程度です。広告掲載枠はオークションで勝ち取るので、相場に見合わない安い費用では表示回数やクリック数が伸びず、成果につなげられません。

正確には商材や業種にもよりますが、一般的にFacebook広告の月額予算は、最低でも3万円以上がおすすめとされています。1日約1,000円で運用をする計算です。もっと成果を出したい、あるいはさまざまなクリエイティブでテストを行いたい場合にはより高額の予算設定をおすすめします。

具体的な事例を詳しく確認したい場合は、「Meta広告ライブラリ」を活用してみましょう。FacebookやInstagramに掲載されている他社の広告事例が7年分アーカイブされており、広告の出稿元や支払われた金額、リーチしたユーザー層などの情報を閲覧できます。

ちなみに、Facebook広告の出稿費用は消費税の課税対象です。課税売上割合が95%を超えている場合、もしくは原則課税方式をとっている場合、広告主には消費税納付の義務が発生します。運営元が海外法人のためもともと課税対象ではなかったのですが、2015年10月以降、法改正により日本国内での利用には消費税がかかるようになりました。

予算と消化金額について


Facebook広告の予算とは、あらかじめ広告配信で使う費用として設定する金額のことです。対して消化予算は、実際に広告を配信して消化した推定の合計金額を指します。

推定、としているのは、Facebook広告は成果の集計に最大48時間かかるため、リアルタイムでの正確な金額は分からないためです。

消化金額を確認すれば、期間内に予算として設定した額の何パーセントまで達しているか、広告配信の進捗度を確認できます。

たとえば、月額で10万円の予算を設定しており、半月経った時点で消化金額がまだ3万円程度の場合、予定した配信スケジュールに実績が追い付いていないとわかります。

広告の運用中は消化金額をこまめにチェックし、配信が滞らないように都度コントロールをしていきましょう。

Facebook広告の課金方式

Facebook広告の課金額は、広告を通して獲得した成果の量によって決まります。成果とは、目的とするユーザー行動のことです。おもに、クリック数を基準にするものとインプレッション数を基準にするもの、2種類の課金方式がよく使用されます。

前者はCPC課金と呼ばれる、広告がクリックされるごとに費用が発生する方式です。クリックを獲得するまでは費用がかかりません。実際にかかる金額は、競合とのオークション結果により変動します。

もう一方のインプレッション数を基準にした方式は、CPM課金と呼ばれ、広告が1,000回表示されるごとに課金されます。ブランディングや認知拡大を目的として採用されることが多い方式です。料金はユーザーのアクションに関係なく一定のため、全体の広告費は抑えやすいですが、反面クリックやCVの獲得がなくても支払いが発生します。

そのほか、アプリの広告でインストール数に応じて課金される「CPI課金」や、動画広告で再生数に応じて課金される「ThruPlay」といった方式もあります。それでは予算額自体はどう決めるかというと、4段階の項目で自由に設定が可能です。

以下、Facebook広告を構成する「キャンペーン」「アカウント」「広告セット」「(個別の)広告」の4階層それぞれでの予算額の決め方について解説します。

キャンペーンの上限予算で決める


「キャンペーン」は広告を構成する最も大きな枠組みです。キャンペーンの上限予算によって、その中に含まれるすべての広告で消化できる予算額が決まります。キャンペーン予算の上限に達すると、キャンペーン内の広告掲載がすべて止められます。

アカウントの上限予算で決める


「キャンペーン」よりもさらに上位で、「アカウント」単位での予算設定も可能です。そのアカウントに紐づく広告すべてを総合した予算額を決定します。アカウント=自社が支払う費用の上限が設けられるので、全体的な予算感をコントロールしやすくなります。

ただし、アカウント予算の上限は、ある程度余裕も持たせておくのがおすすめです。ここで上限に達してしまうと、アカウント内の広告がすべてストップしてしまいます。掲載を停止したくない広告があるのなら、予算額の設定には注意しておきましょう。

広告セットの個別予算で決める


キャンペーンやアカウントよりもさらに細かな予算調整をしたい場合は、「広告セット」の個別予算を設定します。広告セットの設定では、予算のほかに、配信エリアや期間などの条件も個別に変更可能です。

より細かく予算をコントロールできるので、入稿した広告同士で掲載量に差をつけたいとき、ABテストを実施したいときなどに活用できます。

個別の入札価格で決める


まずFacebook広告の入札スタイルは、自動と手動の2種類から設定可能です。

一般的によく選ばれるのは自動入札。初心者が運用をする際もこちらをおすすめします。Facebookの機械学習により、設定された予算額や広告の内容に応じて最適な配信になるよう自動で調整をしてもらえるのです。

一方、手動でも入札価格を個別に決められます。CPCであれば1クリックあたり、CPMであれば1,000インプレッションあたりの上限費用を設定可能です。オークションごとの入札価格を調整する「入札価格上限」と、費用対効果を目的として結果の単価を一定に保つ「ターゲット単価」、2種類の設定項目があります。

ただし、広告を掲載したい期間中、手動設定した入札価格でバランスよく配信するには経験とスキルが必要です。そのため、初心者は自動入札を選んだほうがよいでしょう。

Facebook広告の支払い方法

Facebook広告の費用は、広告の運用期間が終了したあと、課金額が集計されて決まります。支払い方法は、以下に紹介する種類の中から選択可能です。

支払い方法の種類


Facebook広告が対応する支払い方法は国や地域によって異なります。

現在、日本において利用できるのは以下のものです。

・クレジットカードまたはデビットカード(対応ブランド:American Express、Discover、Mastercard、Visa、JCB)
・PayPal
・PayPayなど、地域限定の手動決済方法

対応する手動決済方法は、広告アカウントの国が日本、通貨が日本円に設定されている場合のみ利用できます。また、最初に広告アカウントを設定するときに手動決済を選択している場合のみ追加が可能です。

自動決済と手動決済の違い


決済の仕方は、自動決済と手動決済の2種類があります。どちらの方式で決済されるかは、選択した支払い方法により変わります。

クレジットカード・国際ブランド付きデビットカード・PayPalで支払う場合は自動決済です。予算を消化しきったタイミングか、もしくは予算を消化し切らない場合は毎月の請求日に利用料金を請求されます。

その他、オンライン銀行振込など地域限定の決済方法を選択している場合は手動決済です。アカウントにあらかじめチャージした広告費から消化されていくので、残高が0になると広告が止まってしまうので注意しましょう。

決済に失敗した場合


もしも広告費の決済ができないと、広告の配信は停止されてしまします。クレジットカードの利用停止や、引き落とし口座の残高不足は決済不能のありがちな要因です。決済ができるようになった時点で配信の再開は可能ですが、機会損失を防ぐためにもあらかじめ支払いがスムーズに行えるようにしておきましょう。

Facebook広告の費用対効果を上げるポイント

広告運用では、費用対効果のバランスをはかるのが重要です。広告流入によるCV獲得数が増えていても、かけたコストがかさんでいるようなら改善をしなくてはいけません。

Facebook広告の費用対効果を上げる3つのポイントを紹介します。

Facebook広告のシミュレーションを活用する


Facebook広告を管理する「Meta広告マネージャー」のシミュレーション機能は、ぜひ活用しましょう。入稿した広告の内容と予算、期間に応じて獲得できるコンバージョン数やリーチ数のシミュレーション結果を確認できます。

広告マネージャーを開き、出稿する際と同様に広告を作成

広告配信の目的と、オーディエンスと呼ばれるターゲットを設定

予算と期間を設定

アカウントの国、通貨、時間帯を設定

の手順を踏めばOK。「オーディエンスサイズ」と「1日の推定結果」として、シミュレーションが表示されます。

オーディエンスサイズとは、設定したターゲットがどれくらいいるかのボリュームを推計した数値です。広告がどれくらいのユーザーに表示されるかがわかります。そして、広告に期待するユーザー行動を1日あたりどれくらい獲得できるかの推計値が1日の推定結果です。

広告の開始前に設定した条件ごとの結果を検証できるため、より効果の高い内容でキャンペーンをスタートできます。

目的に合わせたキャンペーンやクリエイティブを作成する


広告運用で成果を出すためには、設定内容やクリエイティブが非常に大切です。ユーザーが広告をみたとき、自社が期待する行動をスムーズにとってくれる内容になっているかをよく検証します。

まずは、広告によってどんな成果を得たいのか、目的を明確化してください。認知拡大をしたいのか、注文数を増やしたいのか、目指す方向により適した広告の内容は変わります。

広告を見て欲しいユーザー像の掘り下げも有効です。ターゲットはどの年齢層や社会的なステータスに属し、どんな悩みや願望をもち、どんなクリエイティブを好む傾向にあるかなどを考えてみましょう。

日々の効果測定や分析をきちんと行う


広告の運用もPDCAの繰り返しです。「C」を行わないと状況の改善は難しいため、効果測定はしっかりと行いましょう。

いくらシミュレーション機能があっても、結局は配信をしなければどんな結果を得られるかはわかりません。配信状況は管理画面から確認できるので、日々結果をみながら運用をコントロールする必要があります。

なお、分析の際は、CPAやROASなどの指標を活用するとよいでしょう。CPAはCVの獲得単価、ROASは広告費の費用対効果をあらわします。これらを用いることで、現状の運用におけるコストと成果のバランスが適切かどうかを判断できます。

まとめ

Facebook広告は、費用対効果の高い状態で運用できれば、ビジネスの拡大に大きく貢献する可能性をもっています。FacebookとInstagramは同じMetaの傘下のため、共通の「Meta広告マネージャー」管理画面において設定が可能です。両者の連携もできますので、リーチできるユーザー層の違いも理解しながら、ぜひ使い分けにもチャレンジしてみてください。


記者プロフィール

ECのミカタ編集部

ECのミカタ編集部。
素敵なJ-POP流れるオフィスにタイピング音をひたすら響かせる。
日々、EC業界に貢献すべく勉強と努力を惜しまないアツいライターや記者が集う場所。

ECのミカタ編集部 の執筆記事