2022年クリスマスギフトのトレンドは?【ギフトモール・オンラインギフト総研調べ】
「ギフトモール オンラインギフト総研」は、ギフト利用の実態を探るため、グループで運営するギフト関連のプラットフォームの来訪者の検索、購入データをもとにギフトのトレンド動向を分析したレポートを公表した。ここではその概要についてポイントを絞って見て行く。
調査概要
▶分析内容:昨年同時期との検索カテゴリおよび購入価格比較
同社グループで運営するギフトプラットフォームサービス上で「クリスマス」に関連する検索を行った生活者が、実際にオンラインで購入した商品のカテゴリを比較分析。昨年と今年の実際の購入商品カテゴリごとの購入件数および購入価格を対象に分析を行った。
▶カテゴリ数:同社が独自に設定した1,456種類
▶比較分析の対象期間:2021年11月1日~30日および2022年11月1日~30日
※小数点以下の切り上げ、切り下げにより合計100%にならないことがある。
データから見るクリスマスギフトの注目トレンド
※実際にオンラインで購入された商品のカテゴリ
※昨年2021年11月1日~30日と今年2022年11月1日~30日を比較分析
EC化が進むギフト市場
クリスマスギフトとして購入されている商品の上位100のカテゴリを、子供向けギフトと大人向けギフトに分類し、その構成割合を昨年と比較した結果、子供向けギフトの割合が昨年の46.9%から57.6%に増えていることがわかった。
2022年6月に行った同総研の調査では、ギフトの購入場所に関して「総合ECサイト」が「デパートや百貨店の店頭」を今年初めて上回る結果が出ており、ECサイトが代表的な購入場所となっていた(※)。クリスマス用の子供向けギフトに関しても、オンラインでの購入が増加傾向にあることがうかがえる。
※:ギフトモール オンラインギフト総研 「ギフト購入に関する調査」(2022年6月)
子供向けは「デジタル」、大人向けは「健康」
子供向けギフトのカテゴリの詳細をみると、昨年に続き1位は「知育玩具」となり、続いて2位「メイキングトイ」(昨年3位)という結果になり、いずれも変わりなく強い支持を集めている。
今年上昇したカテゴリを見ると、デジタル系おもちゃが躍進しており、7位「スマートウオッチ」(昨年21位)、22位「カメラ」(昨年29位)、31位「電子ブロック」(昨年73位)、32位「トイカメラ」(昨年66位)がランクインする結果となった。
これらのおもちゃは、デジタル機能が搭載されており、楽しく学ぶことができたり、日々の出来事を記録することで感性を育むことができ、その今までにない特徴から「新世代トイ」だ。
令和キッズの生活に今やデジタルは当たり前に存在するものとなっているが、それを反映するように「新世代トイ」が今後の子供向けクリスマスプレゼントの主役になりつつある。
一方、大人向けギフトのカテゴリの詳細をみると、4位「腕時計」、5位「マフラー」という結果になり、身につけられるアイテムが引き続き今年も人気だ。今年上昇したカテゴリの中では、11位「歩数計」(昨年35位)・19位「マッサージ器」(昨年23位)、52位「EMS」(昨年174位)、53位「ネックマッサージャー」(昨年107位)等の健康系アイテムが目立つ結果となった。
購入単価は「3,000~5,000円」がボリュームゾーン
購入価格帯は3,000~5,000円がボリュームゾーンになっており、33.4%(昨対比124%)という結果になった。全体として子供向けのギフトの件数が増加し、3,000~5,000円の価格帯のギフト購入の割合がそれに呼応する形で増加した一方、従来からある大人向けのギフトの購入単価はほぼ横ばいで推移しているのがその要因だとしている。その上で、生活必需品の物価上昇の世相のなかで、クリスマスプレゼントを贈る行為自体は積極的に、ただし支出については堅実に、という意識の表れではないかと分析している。
サマリー
調査結果にあるように、EC化が進むギフト市場では、今年のクリスマスは子供向けギフトのネット購入割合が増加していた。また今年の顔は「スマートウォッチ」「トイカメラ」などで、デジタル機能が搭載された「新世代トイ」が人気となっている。さらに大人向けギフトは「歩数計」「マッサージ器」等の健康系ギフトが上昇しており、購入単価は「3,000~5,000円」がボリュームゾーンとなっている。加えて贈る行為は積極的になっており、その反面、支出は堅実な傾向が見られた。
これからクリスマスをはじめ、年末年始の買い物イベントが目白押しとなるが、それを目前に控えてリアルな消費者の購買動向が明らかとなった。またコロナ禍が落ち着きを見せ、日銀の金融緩和の効果で上場企業をはじめとして、企業業績などに改善が見られるが、マネーの需給ギャップによる円安や、ロシアによるウクライナ侵攻によるコストプッシュ要因によってインフレとなる中、なかなか一般の賃金が上がらないこともあり、堅実な支出動向も垣間見える調査となったようだ。