FAX受注業務を効率化しよう。デジタル化のメリットと注意点を紹介

ECのミカタ編集部

FAX受注業務を効率化しよう。デジタル化のメリットと注意点を紹介

FAX受注業務の効率化は、ミスの低減や働き方の多様化にもつながる。しかし、どのような方法を取り入れたらよいのか悩むケースもあるだろう。今回は、FAX受注業務が抱える課題とその具体的な解決方法を紹介する。最後に、デジタル化の際の注意点も紹介するため、FAX業務の効率化を図る際の参考にしてほしい。

目次

●FAX受注業務に関する課題
●FAX受注業務を効率化するメリット
●FAX受注業務を効率化する4つの方法
●FAX受注業務をデジタル化する際の注意点
●まとめ

FAX受注業務に関する課題

FAXで受注業務を行う企業では、さまざまな課題を抱えるケースが少なくないだろう。まずは、FAX受注業務に関わる課題を紹介する。自社に当てはまるケースがないか、確認しよう。

人的ミスが起こりやすい


FAXでの受注業務は、さまざまな手間があることから、ヒューマンエラーが起こりやすい。例えば、以下のようなケースが挙げられる。

・FAXで届いた注文書を紛失し、受注漏れが発生する
・手書きの発注書により数字の見間違いなどが発生し、受注数や出荷日などのミスが起こる
・FAXの通信にトラブルが生じ、受注作業が上手く行われない
・誤って、別の取引先にFAXを送信する

FAXで受注業務を行う場合、記載されている内容は売上や利益に直結するものが多い。誤ってシュレッダーにかけてしまった、紛失してしまったなどの重大なミスが発生した場合は、企業や組織としての信頼を失うことにもなりかねない。

コストがかかる


FAXで受注を行う場合、注文の確認作業による人的コスト、FAX用紙やインク代・トナー代などの設備コストが生じる。例えば、人的コストは、手書きの文字が読めなかったり、普段と異なる注文が入ったりした場合に、注文内容に間違いがないか確認の電話を行う場合に発生する。設備コストは、通常のFAX受注業務を継続するためには必要な経費だが、ペーパーレス化が可能となれば一気に不要となる。

人的コストや設備コストの増大はリソースを失うことに直結し、生産性のある業務に従事できず、従業員のモチベーション低下につながる懸念もある。

紙ベースのため検索がしにくい


FAX受注業務は、紙ベースで受注管理を行うため、デジタルデータのように効率的な閲覧や検索ができない。過去の情報を調べるために、倉庫に出向き膨大な資料の中から探す作業はかなりの労力だ。一方で、受注情報をExcelなどに入力してデータ化した場合でも、受注数が多いと業務負担の増加は免れない。データ入力時にはミスが発生するケースも考えられる。

書類管理によるコストの圧迫は、売上や利益が目減りするほか、従業員のコストカットなどネガティブな影響として現れる可能性が高く、迅速な対処を要する問題といえる。


FAX受注業務を効率化するメリット

ここからは、FAX受注業務をデジタル化し効率化することで得られるメリットを紹介する。

コストが削減できる


FAX受注業務の効率化のメリットは、自社と取引先双方のFAX運用時に発生するコストの削減だ。特に、取引先が多い企業の場合は、FAX専任のスタッフを雇用しているケースもあり人件費の負担は大きい。

取引先からの理解が得られ、ペーパーレス化が実現できれば、人件費のみならず、FAX運用に欠かせない紙やインク、リース代といった設備コストが大幅にカットできる。

管理業務がしやすくなる


受注書類のデジタル化は、手入力や内容確認の手間が減り、受注業務や納期確認、出荷確認といった業務の大幅な効率化につながる。さらに、受注数の管理もしやすくなる

これまで、書類の確認や整理に多くの時間や手間を割いていた場合、デジタル化によって時間や人的リソースが守られ、コア業務に集中できるといったメリットも期待できる。

ミスを削減できる


デジタル化で書類の紛失や手書き発注書の確認作業などがなくなるため、FAX受注業務ならではの人的ミスの削減につながる。FAXによる返送業務も合わせてデジタル化することで、二重入力も防止できる。その結果、より正確な受注管理が実現できるだろう。

テレワークの対応が可能になる


デジタル化が実現すれば、パソコンやタブレット端末を通じて24時間365日、リアルタイムでデータを確認でき、場所を選ばず勤務することも可能となる。テレワークの実現は、コロナ禍や災害などの緊急時に事業を継続しやすくなり、BCP対策にもつながる。


FAX受注業務を効率化する4つの方法

ここからは、FAX受注業務の課題を解決する4つの方法を紹介する。それぞれのメリットや導入時に発生する懸念点も踏まえて解説していく。

1.PC-FAXを導入する


PC-FAXとは、電話回線につながったFAXとパソコンを接続して、パソコン上のデータをそのままFAXで送受信する方法だ。パソコンの画面からFAXのやりとりが行えるため、ペーパーレス化を推進できる。

なお、運用時は、PC-FAX機能を持つFAXと対応するOSを搭載したパソコンが必要となるほか、電話回線を利用するため、送信距離に応じた通信料が発生する。

2.受発注システムを導入する


受発注システムとは、FAXの代わりに受発注に特化したシステムを導入しデジタル化を進める方法だ。この方法により、取引先とデータでの共有が容易にできるほか、納品書や請求書もシステム上で管理するため、人的ミスが発生しにくく情報が調べやすい。

一方で、システムの導入によって取引先には発注業務のフローに変化が発生する。取引先によっては、定着まで時間がかかることや、従来の方法を希望されるケースも考えられる。

3.FAX-OCRで自動化する


FAX-OCRとは、FAXにOCR技術(手書きの伝票や発注書の自動認識)を使いテキストをデータ化する方法だ。文字を画像ではなくテキストとして保存するため、デジタルデータとして保管・管理がしやすく、書類内容の検索も可能だ。取引先の発注業務のフローを変更せずに、自社の受注業務を効率化できる。

しかし、FAX-OCR導入時は設備コストの発生や、システムに慣れるまで生産性が上がらない可能性がある。また、文字をデータ化する際、かすれや癖のある文字は認識できない場合があるため、確認作業が必要となるケースがあるため注意が必要だ。

4.インターネットFAXを導入する


インターネットFAXとは、専門の企業が提供するクラウドサービスを導入し、インターネット回線を活用してWeb上でFAXを送受信できるシステムだ。クラウドFAXと呼ばれる場合もある。受信データはメールに添付されて届くため、パソコンやスマホなどのデバイスがあれば、どこからでも確認できる。PDF形式でのダウンロードや印刷も可能だ。インターネットFAXを利用すれば、FAXの送受信に従来使用していた専用機器は不必要となる。

利用するサービスによっては、FAX番号の変更が必要になるケースがあるため確認が必要だろう。また、サービス利用料が発生するため、FAXを頻繁に利用する企業はコストがかさむ可能性がある。


FAX受注業務をデジタル化する際の注意点

最後に、FAX受注業務のデジタル化を進める際の注意点を紹介する。

自社に必要な機能を明確にする


上記のように、FAX受注業務を効率化するサービスやツールは複数あり、必要となる機器やコストもさまざまだ。そのため、自社がFAX受注に対してどのような課題を抱え、何を必要としているのか明確にしてから選択することが重要だ。

サービスによっては、現在使用している機器や電話回線を活用できる場合もある。初期費用を抑えたい場合には、既存の機器や電話回線を活かした方法を利用するのも選択肢の一つだろう。その一方で、長期的な視点でコストダウンや生産性の向上につながる方法を選択することも心がけたい。

段階的に導入する


企業によっては、FAXのデジタル化が向いていない場合もあるため、最初はお試しで1回線からデジタル化していくのがおすすめだ。または、FAX受注業務の多い部署からデジタル化を進め、業務改善やテレワーク実施につなげ、システムの運用に慣れていくのもよいだろう。

書類のデータ化を意識する


FAX受注のデジタル化を活かすためには、書類のデータ化に意識を向けることが大切だ。データ化の実現は、設備や人件費の削減だけでなく、企業の資産としての価値も生み出す。データを分析することで、これまで気付かなかった効率化のヒントやビジネスを広げるチャンスを見つけることもできるだろう。

セキュリティ対策を行う


書類をデータで管理する場合、セキュリティ対策は必須だ。デジタル化されたデータは、サイバー攻撃などによる全データの流出というリスクを伴う。「IDやパスワードでの管理を徹底する」「個人情報や機密データにはアクセス権限を設ける」など、セキュリティルールを明確にし、従業員への周知を怠らないようにしよう。


まとめ

FAX受注業務は多くの課題を抱える業務の一つであり、効率化によって解決できるメリットは大きいといえる。一方で、効率化に向けた方法は多岐にわたり、それぞれ特徴が異なるため、まずは自社が導入する目的を明確にすることが不可欠だ。その上で、今回紹介した方法や注意点に留意し、FAX業務の効率化を検討していこう。


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