経済産業相、法人税率縮小計画 「2.5%以上の引き下げ目指す」
法人税、28年度までに2%台後半まで引き下げ目指す
宮沢洋一経産相は、経団連の榊原定征会長含む幹部との会談で、2015年度税制改正の焦点の1つである法人税につき「来年度より少なくとも2.5%以上は実効税率を下げることを目指していきたい。そのように各方面に働きかけたい」と表明した。会談終了後、記者団に明らかにした模様。
現在の実行税率(標準税率34.62%、東京都は35.64%)より、平成27年度に2%程度引き下げる方針で検討に入る。27年度分と合わせ、減税幅を28年度には2%台後半まで進める予定。
欧州やアジア各国などと比較して非常に高い水準にある実効税率を引き下げることにより、国内企業の競争力強化につなげる見通し。
2014年度、世界の法人税(法定実効税率)ランキングにおいて、対象34国の比較ランキングで日本は世界第二位の36.99%。一位はアメリカの39.13%で、最下位のアイルランド12.50%と比較すると我が国は24.49%の開きがある。
※出典「OECD Tax Database」
減税の財源として宮沢氏が語った点は以下の通り。
・法人事業税を、従来の法人事業税(所得に対して課税)より、外形標準課税(企業活動や事業規模を反映する基準で課税)化。
・「繰越欠損金」制度(企業の赤字を翌年度以降も損金参入できる)における従来の9年という期間を短縮するよう見直す。
・企業が受け取る株式配当の非課税制度の縮小見直し。
以上などの財源確保案を、与党税調とよく話し合い決めていきたいと宮沢氏。
法人減税の達成には、代替案としてこれまで反対していた増税項目を一定範囲で許容する考えを示した。
これらを受け菅義偉官房長官は、10日午前の記者会見で「宮沢経産相が発言したことは大きなインパクトである」とコメントをした。
宮沢経産相が増税の代替案を容認する姿勢を見せたことから、法人税減税の実現化が色濃く現実的になってきたとの見方もある。