ネットショップ支援室が顧客分析手法「新CPM分析機能」をリリース

ECのミカタ編集部

伸び悩むLTVの解決の糸口に売上50億超えの通販企業も実践する顧客分析手法『新CPM分析機能』をASPカートシステムに搭載、1月26日にリリース

株式会社ネットショップ支援室(以下:ネットショップ支援室)は、顧客の購入回数や最終購買日といったデータから顧客数の稼働状態や維持状態を分析し、CRMの成果を可視化する顧客分析手法「新CPM分析機能」を2023年1月26日にリリースした。

CRMの成果を可視化する顧客分析手法

新CPM分析とは、購入回数や最終購買日といったデータから顧客の稼働状態や維持状態を分析し、「顧客BS」と「ゴールド顧客育成マップ」でCRMの成果を可視化する顧客分析手法だ。主な機能としては、以下の2点があげられる。

◆顧客を資産として捉える「顧客BS」機能

現在の顧客維持率を元に、5年先までの顧客数と売上を予測・表示する。本機能のポイントは、「新規顧客を獲得せずに既存顧客だけで売上を構築するとどうなるか」を予測する点だ。ショップあるいはブランドを支持する人数と得られる売上を、CRMの成果として数字で測ることが可能となった。

さらに本機能は、稼働顧客の離脱による売上減少の兆候を察知し、原因特定や対策を講じて歯止めをかけるための役割を果たす。顧客数が減り始めてから売上が下がるまでには3ヵ月~半年くらいタイムラグがあるため、日々の売上やLTVのような指標だけでなく、定期的に顧客数や顧客維持率の変化を見ることが重要となるだろう。

◆顧客推移の全体像を可視化する「ゴールド顧客育成マップ」機能

F1~F5までの顧客分類ごとの維持率・離脱率・復帰率をマップにし、最終的に新規獲得顧客がどのくらい「F5(ゴールド顧客)継続」まで残存するかを「残存率」という指数で表す。残存率は、新規獲得に依存したEC運営になっていないかどうかを判断する指標になるとしている。

さらに、前述した顧客BS機能と併用してCRMのPDCAサイクルを回していくことも可能となる。一例として、顧客BSで顧客維持率の低下(=継続率の低下)が見られた場合、ゴールド顧客育成マップを用いて維持率・離脱率・復帰率を確認し、どのグループに対するCRM施策に改善の余地があるのかを判断できるとしている。

※FはFrequency(頻度)。F1は初回顧客、F2は2回目の購入につながった顧客。F3~F5はn回目の定義を自由に設定可能

CRMに取り組む通販企業を支援

「新CPM分析機能」の開発背景について、ネットショップ支援室は以下のようにコメントしている。

「新型コロナウイルスの流行、広告代理店の不正発覚・逮捕、薬機法改定など、さまざまな環境変化を受けて、無理な新規顧客獲得によって本質的ではない売り上げを作ってきた会社は淘汰されてきました。今後、真っ当なやり方で新規顧客を獲得しようとするとコストは高くなります。人口減少や価値観の多様化などを含むさまざまな要因によって新規獲得コストが高騰するなか、改めて既存顧客の維持・育成(CRM)を重視する事業者様が増えてきております。本質的なCRMに取り組まれる通販企業様を支援すべく、ツールを提供する立場ではありますが、機能開発・提供を通して“新CPM分析”という考え方、理論そのものを世の中に普及することが重要であると考え、今回の開発に至りました」

本機能はネットショップ支援室が現在提供している「楽楽リピート」にて利用可能であり、機能単独での利用料金は発生しない。また現在はリリースを記念したセミナーや、CRM研究家である西野博道氏との対談記事を掲載するなど、多くの企業に提供するための取り組みに注力している。

通販企業の悩みを解決

多くの通販企業が「ネットショップの運営において、LTVの向上は切っても切り離せない」と考えているにも関わらず、「既存個客のLTVがなかなか伸びない」「LTVを重視しているが、思うようにKPIを達成できない」といった課題を抱えている。

LTV向上には優良顧客を育成するCRMが欠かせないことから多くの企業が取り組むものの、下記の3つの問題点からCRMを上手く活用できず、売上アップにつなげられていないのが実状だろう。

◆成果が見えにくい
◆成果が出るまでに時間がかかる
◆やるべきことが絞れない

本来、CRMは長期的・総合的に売上向上に寄与するものであり、その効果をダイレクトに測ることは難しいとされいる。そこでネットショップ支援室は、LTVはわかりやすい指標ではあるものの、LTVだけをCRMという長期的手法の指標として使うのには限界があることに着目した。

今回リリースした「新CPM分析機能」では、LTVの他に「顧客維持率」「稼働顧客数」「顧客残存率」の新たな指標を用いてCRMの成果を可視化できる。「新CPM分析機能」は通販事業者が抱える悩みを解決する手段として、これから幅広く活躍することが期待されるだろう。

ECのミカタ通信23号はこちらから


記者プロフィール

ECのミカタ編集部

ECのミカタ編集部。
素敵なJ-POP流れるオフィスにタイピング音をひたすら響かせる。
日々、EC業界に貢献すべく勉強と努力を惜しまないアツいライターや記者が集う場所。

ECのミカタ編集部 の執筆記事