ヤマト運輸が宅急便など届出運賃等を改定へ
ヤマト運輸株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:長尾裕、以下「ヤマト運輸」または「同社」)は、宅急便など届出運賃等を改定することを公表した。
2023年4月3日(月)から新運賃を適用
ヤマト運輸は、2023年4月3日(月)から、宅急便など届出運賃等を改定することを公表した。なお同社は、今後の外部環境変化による影響を適時適切に運賃等に反映させるため、年度ごとに宅急便などの届出運賃等を見直すとしている。
◆改定内容
▷対象:
宅急便、宅急便コンパクト、EAZY、国際宅急便
◆運賃改定率
▷約10%
※サイズ、届け先などにより改定率は異なる。
◆改定日
▷2023年4月3日(月)
例:宅急便・宅急便コンパクト
◆例:関東→関東(現金決済)
◆例:関東→関西(現金決済)
※価格表記はすべて税込
インフレと2024年問題に対応
公表に際して同社では次のように述べている。
「国際情勢の不安定化による資源・エネルギー価格や原材料価格の上昇に伴うインフレ傾向にくわえ、労働力減少による賃金や時給単価の上昇など、2024年問題を控えた物流事業者を取り巻く外部環境は、従前以上に厳しさが増しています。当社を含む物流事業者は、これまでも生産性向上など様々な取り組みを進めてまいりましたが、物流に必要なコストを、運賃やサービス料金に適切に反映できていないことにくわえ、上記のようなコスト上昇を吸収することが極めて難しくなっています。以上を踏まえ、今般、(中略)、宅急便などの届出運賃等を改定することとしました。なお、今後の外部環境変化による影響を適時適切に運賃等に反映させるため、年度ごとに宅急便などの届出運賃等を見直すこととし、物流パートナーとともに、輸配送ネットワークの維持・強化と、お客さまにより良いサービスを提供し続ける環境構築に努めてまいります」
同社も述べているように、日銀をはじめとした主要各国の中央銀行による金融緩和の影響があり(EUおよびアメリカの中央銀行などは、金融引き締めに転じている)、また同時にロシアによるウクライナ侵攻によってサプライ面での価格上昇が起こる中、世界的なインフレ傾向にある。それは燃料や原材料価格を直撃しており、ECを根幹から支えるラストワンマイル配送も例外ではない。また2024年問題が取りざたされる中で、配送のトップランナーである同社は、今回の決断に至ったものと思われる。