サイト表示速度の改善で70~80%が「期待以上の成果」[Repro調査]
CE(カスタマーエンゲージメント)プラットフォーム「Repro(リプロ)」を提供するRepro株式会社(以下「Repro」または「同社」)は、2022年12月12日〜2022年12月14日にWebサイト運営・管理者を対象とした、「Webサイトの表示速度改善についての実態調査」を実施し、その結果と分析について公表した。ここではその概要についてポイントを絞って見て行く。
調査概要
▶調査名:Webサイトの表示速度改善についての実態調査
▶調査期間:2022年12月12日~2022年12月14日
▶調査方法:インターネットアンケート調査
▶調査対象:消費者向け(toC)Webサイトの管理・運営に携わっている人、331名
75%以上のWebサイト運営者が表示速度の重要性を認識
Webサイトの表示速度に対する重要性の認識について、「重要性は強く認識している」「重要性はある程度認識している」と回答した人の割合は76.7%に上った。同社では、Webサイト運用に携わる立場として、表示速度を意識することはすでに当然のこととなっていることがわかるとしている。
CVR改善・SEO対策においては表示速度改善が重要トピックに
CRO(コンバージョンレート最適化)に「積極的に取り組んでいる」と答えた人のうち、表示速度の重要性を強く認識している人は73.7%。SEOに「積極的に取り組んでいる」と答えた人のうち、表示速度の重要性を強く認識している人は71.6%に上った。
CVRやSEOが重要視されるWebサイトに携わっている人の中で、もし表示速度を意識していないのであれば、改善にあたっての最重要テーマを見逃している可能性があると分析している。
表示速度の改善について約50%取り組み済み
Webサイトの表示速度改善について、20.5%が「過去に取り組んだことがある」、29.6%が「現在、取り組んでいる」と回答。また、「今後、取り組もうと考えている」と回答した人も全体の18.7%を占めた。
Webのパフォーマンスアップを図るうえで非常にスタンダードな施策となっていることがうかがわれ、自社で表示速度改善に対する施策が議題に上がっていない場合は早急に手を打つ必要があると分析している。
表示速度改善は70~80%が「期待以上の成果」
Webサイトの表示速度改善に採用された施策が、どの程度の成果を上げたのかをまとめている。多くの施策において、「期待を上回る成果が出ている」「期待と同程度の成果が出ている」と回答した人が70%を超えた。
なお、「CVRの改善」「SEO対策」「売上の改善」「リピート率の改善」といった領域ごとの成果状況の調査を実施しており、70%以上の回答者が期待以上の成果を得ているという傾向は変わらない。表示速度改善施策は影響範囲が広く、かつ成功確度が非常に高い施策であると分析している。
また表示速度改善に関する施策の実装期間、運用工数や費用を調査したところ、実装期間においては約50%の回答者が「6カ月以上~1年未満」の時間を要したと回答した。1カ月あたりの工数については、「50時間以上~100時間未満」「20時間以上~50時間未満」に回答が集中。1カ月あたりの費用は「100万円以上~500万円未満」「40万円以上~100万円未満」に回答が集中する結果となった。施策ごとに特性はあるが、実施時には大きな負荷が発生する実態が明らかになった。
サマリー
調査の結果、75%以上のWebサイト運営者が表示速度の重要性を認識し、CVR改善・SEO対策においては表示速度改善が重要トピックになっていた。また表示速度の改善について約50%が過去・現在に取り組み、約20%もすでに検討段階に入っており、表示速度改善は70~80%程度の高確度で期待以上の成果があったとしている。さらに実装期間・運用工数と費用などが表示速度改善の上でハードルになっていることがわかった。
調査に際して同社では次のように述べている。
「企業のDXを背景とした競争激化、サードパーティCookieの規制による広告効果の低下など、Webサイト運営を取り巻く環境は大きな変動期にあります。そんな中、注目度が急速に高まっているのが、Webサイトのパフォーマンスアップを目的とした『表示速度の高速化』です。一方で、『難易度の高さ』『費用の高さ』『実装工数の多さ』といった点がハードルとなり、表示速度改善に対して機動的なアクションを取れていない企業が多いのも実情です。本調査は、表示速度改善に対するWebサイト運営者の意識、具体的な取り組み状況や成果について明らかにし、その効果的な実施方法を探ることを目的として実施しました」
ECをはじめとしたサイトの表示速度は、SEO対策や閲覧者のサイト離脱回避の上でも重要なのは、周知の事実だ。今回の調査からもその点で担当者が腐心している様子が浮き彫りとなった。さらに、ひと口に「表示速度の改善」と言っても、実際に施策を実行するには、一定の費用や工数が発生するのもまた当然とも言えるだろう。
今後もサイトの表示速度は、特に自社サイトでECを展開する事業者にとっては、避けられない点であると同時に、成果が可視化・定量化できる部分でもあり、改善に向けた、あくなき追求が続くことになりそうだ。