DATAFLUCT オルビスとAIによる配送コスト削減実験を実施

ECのミカタ編集部

DATAFLUCT、オルビスと機械学習による梱包サイズ最適化の実証実験を開始

株式会社DATAFLUCT(以下:DATAFLUCT)は、オルビス株式会社(以下:オルビス)と、機械学習でEC発送時の梱包サイズを最小化し、配送コスト削減を目指す実証実験を実施することを公表した。

商品が破損しない範囲で梱包を最小サイズに

本システムはDATAFLUCTの機械学習サービス「Perswell」とデータプラットフォーム「AirLake」を組み合わせ、オルビスの商品データ、出荷データ、梱包材の価格データをもとに機械学習で最適な梱包材のサイズを算出する。

機械学習サービスの​「Perswell」は、社内にデータサイエンティストがいなくても、高精度の需要予測モデルを利用でき、作業工数の削減や、予測精度の改善によって欠品・余剰・在庫回転率および配送計画を改善できるサービスだ。様々な外部データを活用できる最新の機械学習アルゴリズムを手法に採用することで、従来の「古典統計」では不可能だった外部要因を考慮した高精度の予測を実現している。

◆「Perswell」画面イメージ

本実証実験において、最終的には商品が破損しない範囲で梱包を最小サイズにし、配送コストの削減を目指すとしている。

実証実験開始前の効果検証では、1カ月分のデータをもとにシミュレーションをおこない、本システムの導入で最大で年間2000万円程度の配送費削減の可能性があるとの結果を得ている。今後は物流現場で分析結果を活用する実地検証を始め、2023年中の本番導入を目指すとしている。

物流基盤の強化の為に梱包サイズに着目

物流基盤の強化の為に梱包サイズに着目

ライフスタイルの変化などからEC市場が拡大する一方で、エネルギー価格や原材料の上昇、労働力減少により、配送コストは今後も高騰が見込まれている。

このような状況を背景に、オルビスは通販向け出荷ラインに無人搬送ロボット、そして直営店舗やBtoB向け出荷ラインに重量計を搭載した最新の自律走行搬送ロボットを導入するなど、テクノロジーの積極活用によって物流システムの自動化、省人化を促進し、環境負荷と物流現場の負担を軽減するとともに、物流基盤を持続可能な形で強化してきた。

さらなる効率化を目指す中で、実現可能性があるとして着目したのが「梱包のダウンサイジング」だ。オルビスでは、商品サイズから梱包サイズを決定するシステムを使用しており、必要なサイズよりも大きな梱包材を使い余分な配送費が発生するケースが少なくなかった。

今回の取り組みでは、注文情報をもとに、商品の詰め方を考慮した機械学習モデルで最適な梱包サイズを判定し、物流現場と連携。自動で効率的な梱包ができ、配送コストの削減が可能であるとしている。

将来的には新たな配送方法への対応や、グループ共通の新たな梱包規格や梱包資材を作ることも検討し、より効率的な配送を目指す予定である。物流業界における「2024年問題」なども懸念される中で、今回の取り組みは大きな注目を浴びることが考えられる。実証実験では高い成果をあげていることから、今後の進展に大きな期待が寄せられるだろう。

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