WACUL、問い合わせ増へつなげる「B2BフォームAI診断」の無料提供を開始
株式会社WACUL(読み:ワカル、代表取締役社長:大淵亮平、証券コード:4173、以下「WACUL」または「同社」)は、「B2BフォームAI診断」をリリースした。
「勝ちパターン」に適合しているかを自動で判定
データ分析ツール「AIアナリスト」を提供しているWACULは、Webサイト全体を人工知能がチェックし、フォームが成果を出すポイントを押さえているかを判定する「B2BフォームAI診断」をリリースした。同社は、「B2BフォームAI診断」での取り組みで活用した自然言語処理技術等を用いたウェブページ分析技術への応用について、今後も改良を継続していくとしている。
「B2BフォームAI診断」は、BtoBサイトのフォームのURLを入力すると、顧客事業者のWebサイトのフォームが成果の出る理想的なUIになっているかをAIが自動で判定するものとなっている。AIがフォームの情報を取得し、「勝ちパターン」に適合しているかを自動で判定。判定結果は「合格」「要改善」のいずれかが表示される。分析結果表示の際には、WACULの提唱する「勝ちパターン」に沿っていないとAIが判断する点について、「改善すべきポイント」として提示されるという。
「B2BフォームAI診断」概要
◆主な取得情報
ページ内のパーツ(DOM要素)について、主に以下の情報を収集する。
▷特定のHTMLタグ情報
▷位置やサイズ等のスタイル情報
▷テキスト情報
▷リンク先が指定されている場合、そのURL文字列
◆「勝ちパターン」の判定観点
▷ページの縦幅を極限まで圧縮する
▷入力ステップ・入力項目は最低限のものに絞り込む
▷離脱導線となる他ページへのリンクを削除する
◆「B2BフォームAI診断」の開発状況
「B2BフォームAI診断」では、複数の学習器を組み合わせてフォームに含まれる適切・不適切な DOMノードを予測している。現在のマクロ平均での「適合率(precision)」、「再現率(recall)」と「F値」はそれぞれ 0.845、0.467、0.548 だ。ページ内に含まれるパーツ(DOM要素)について、「勝ちパターン」に適合したものかどうかを判定する予測器を開発している。この予測器では、予測対象の要素の素性だけでなくその周囲の要素の素性も考慮することが特徴だ。今回、「勝ちパターン」に適合したDOM要素にラベルを付与した322ページ(DOM要素数の合計142315)のデータセットを構築したという。その内、約80%を訓練用ページ、約20%を評価用ページとし予測精度の評価を行っているとのことだ。
累計3813件の分析を実行、問い合わせ増につなげる
公表に際して同社では次のように述べている。
「WACULではAIアナリストに連携された37000超のサイトアクセスデータおよび12000超の改善PDCAデータを元にサイト種別ごとに成果を出すための“勝ちパターン”を研究開発しています。その中でもWebサイトのUIはおおむね勝ちパターンが決まっていますが、未だにそれらが実装されていないWebサイトが多く存在しています。AIアナリストを導入いただいたお客様には弊社のプロのコンサルタントが改善方針をご提案していますが、人力では改善できるWebサイトに限りがあるため、WACULではWebサイトのUI(ユーザーインターフェース)が勝ちパターンに沿っているかの判定自動化に取り組んで参りました。
今回は2022年8月に提供したBtoB企業のWebサイトのトップページが理想的なUIになっているかを自動判定する『B2BトップページAI診断』に続く、第2弾となります。前回のAI診断では、累計3813件の分析が行われました。フォームはトップページと同じく、お問い合わせに至るまでで最も多くの人が通る重要なページであり、この2つを最適化することで、お問い合わせ数の増加が期待できます」
また同社は、「B2BフォームAI診断」について、現在、同社のコンサルタントが直接、顧客事業者のWebサイトを見て、理想的なUIになっているかを判定しているが、「B2BフォームAI診断」を利用することによって顧客事業者自身でフォームの改善が実施できるようになるとしている。また、今後「B2BフォームAI診断」のアルゴリズムを「AIアナリスト」に組み込むことで、より多くの顧客事業者が利用できるにしていく予定とのことだ。
今回のリリースでは「BtoBサイトのフォーム」という限定的な領域のみに対応しているが、今後はBtoBサイトの他のページや他のサイト種別にも対応できるよう開発を進めていくという。将来的には、自動判定に加えて理想的なページUIまで自動で提案できるようなシステム開発を検討中とのことで、今後の進化にも注目と言えそうだ。