イーベイ・ジャパンが2023年第1四半期の越境ECトレンドを発表 日本特有のアイテムに注目が集まる

ECのミカタ編集部

イーベイ・ジャパン、2023年第1四半期の越境ECトレンドを公開

世界最大規模のオンライン・マーケットプレイス「eBay」への出店を通じ、日本セラーの越境ECを支援するイーベイ・ジャパン株式会社(以下:イーベイ・ジャパン)は、2023年度第1四半期(1-3月)の期間に日本の販売者から出品されたアイテムの販売動向を発表した。

調査結果の概要

2023年に入っても人気の出品カテゴリーは大きく変わらないものの、新型コロナウイルス感染対策の緩和や、昨年市場に大きな影響を与えた円安も落ち着きを見せていることで、外出用のジュエリーや低価格帯の商品が人気となるなど売れ筋商品のトレンドには変化が現れる結果となった。

6年ぶりに開催されたWBCでは、栄冠を勝ち取った日本の選手たちのグッズやトレカが人気となり、特に投打で活躍し大会MVPに輝いた大谷翔平選手の関連商品はさらに売上を伸ばしている。

また、2023年1月からeBayのスマホアプリが正式に日本からの出品にも対応。トレーディングカードをスキャンすると、自動的にタイトルや商品詳細が翻訳されて表示されるアプリならでは機能が好評で、スマホからのトレカ出品が増えるという動きも見られた。

◆カテゴリーランキングでは定番カテゴリーが並ぶ中、デジタルカメラが躍進

▷ブランドバッグ、腕時計、アニメグッズが5期連続のTOP3独占も円安需要は落ち着く
▷デジタルカメラが急成長で取引ランキングTOP10入り、成長率1位

◆売れ筋TOP3はコロナ対策緩和、円安の落ち着きがトレンドにも影響

▷WBCの影響で大谷翔平選手関連グッズがさらに人気に
▷ファッションカテゴリーは外出時に身に着けるジュエリー需要が急拡大
▷海外の日本車人気、スポーツカーに加えて「軽トラ」にも注目が集まる

以降では、より詳しい内容を確認していく。

カテゴリーランキング 取引額TOP10

カテゴリーランキング 取引額TOP10

※順位の下段は同データ前期にランクインしていた際の順位

基本的なTOP10内容に大きな変化はなく、9位までが前期と同じカテゴリーが並ぶ結果となった。

1位は女性向けのブランド品、2位に腕時計・アクセサリー。3位にアニメグッズとなり2022年第1四半期から5期連続で変わらぬTOP3。前々期から12位→11位と成長していたデジタルカメラは今期も著しい伸びを見せ、ついにTOP10入りを果たした。

成長率TOP3

成長率TOP3

取引額TOP10のうち、前年同期比で大きく成長したカテゴリーにおいてはデジタルカメラが+62%と取引額ランキングを引き上げる大きな成長を見せ1位となった。

昨年から成長株となったデジタルカメラは今年も人気は継続傾向で2021年のトレカ、2022年の高級腕時計のように年間を通じた成長カテゴリーとなるか注目だろう。

2位には自動車パーツがランクイン。自動車関連商品はeBay.comの中でも最大規模のマーケットを持ち、特に近年の日本車ブームにより高い需要をキープしている。

イーベイ・ジャパンが注目するカテゴリー別商品

◆自動車パーツ・カメラ・楽器カテゴリー

担当者コメント

「コロナ禍のため『巣ごもり』を余儀なくされたユーザーの多くが、空いた時間を趣味などの時間に充てました。演奏を楽しみたいと考えたユーザーは、手軽に弾けそうなギターや音楽プレイヤー、インテリアとしても人気なDJ機器などをeBay上で購入し始め、楽器カテゴリーの売れ行きが継続的に高水準にあるようです」

◆ファッションカテゴリー

担当者コメント

「2023年の年明けに円安が若干落ち着きを見せた関係で、ファッションカテゴリー全体の伸びも鈍化しました。しかし、高級時計カテゴリーではロレックスをはじめとした100万円を超えるハイエンド時計が、日本のセラーから100本以上販売されるなど引き続き好調を維持しています。アメリカでは人々の外出が通常に戻ることで、外出時に身に着けるジュエリー需要が高まりました。昨今のスニーカー市場の熱狂は未だ衰えを見せず、eBayでもスニーカーを擁するMen’sカテゴリーが2桁の成長を見せています」

◆コレクティブルズカテゴリー

担当者コメント

「2022年の歴史的な円安の影響もあり、比較的販売しやすい『アニメグッズ』『トレカ』『ビデオゲーム』カテゴリーのセラー数が伸びたことで、出品点数が増加し売上も伸長しました。さらに3月には6年ぶりにWBCが開催され、日本代表選手のグッズやトレカなども盛り上がりを見せました。その中でも世界的なスーパースターである大谷翔平選手のグッズの人気が高く、大きく売上を伸ばしました」

日本特有のグッズに人気が集める傾向

今回の結果を踏まえて、今後の予測についてカテゴリーマネージメント部長の北村直樹氏は、以下のようにコメントしている。

「2022年第4四半期に起きた急激な円安傾向が2023年になり落ち着きを取り戻したことで、アメリカをはじめとした世界のバイヤーの消費傾向に変化が見え始めました。その影響が日本市場にも押し寄せたため、各カテゴリーの伸び率は前期と大きく異なるものとなりました。中でもeBayの最大カテゴリーである『自動車パーツ』は、日本でも強い上昇が見られ、今後の更なる拡大を期待できるカテゴリーとなっています。また日本特有のトレーディングカード、アニメグッズ、ゲームなどは世界での人気に拍車がかかっており、今後も日本の売上の中心的存在になると予想されます。2023年第2四半期以降は、今後の為替の動向にも左右され、また日本の水際対策の緩和によるインバウンド需要の動向にも影響を受けることになると思いますが、世界がグローバル化する流れは長期的に見ると越境ECにとってもよりプラスになるのではと予測しています」

コロナ禍も次第に収束に向かいつつある中、欧米諸国からのインバウンド需要も再び高まり始めている。アニメ関連は数多くの作品がeBay上の検索ワード上位を占めており、需要と関心の高さがうかがえるだろう。TOP10の基本的な順位は継続する形となったが、その市場規模は今後も確実に増加していくことが考えられるはずだ。


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