韓国消費者 日本のオンラインショッピング利用急増
急増の理由は、円安の影響だけではない
ソウル聯合ニュースによると、円安の進行で日本の商品が割安になったことを受け、韓国の消費者による日本のインターネット通販利用が活発になっているという。
海外宅配代行大手モールテールの日本からの宅配代行件数は、前年同期比107%増の9〜10月に13,700件となったという。日本への配送代行を行った商品のうち最も物量が多かったのは、ヘアケア製品「ハホニコ ラメラメトリートメント」で、国内では同製品が15,000円ほどで購入可能なことに対し、韓国では53,100〜63,700円代で販売されているそうで、同社の好調ぶりも伺える。ヘアケア用品のほか、キッチン用品や衣類、雑貨、書籍、CD、DVDなどが人気だという。中でもプラスチック製のドリンクボトル「MY BOTTLE」(マイボトル)がブームになるほどの人気となっている。
マイボトルを販売するのは、自由が丘と渋谷ヒカリエにあるショップ「TODAY`S SPECIAL」で、ECサイトも運営中。「TODAY`S SPECIAL」のECサイトでは現在もマイボトル(1512円)は品切れ中、都内の実店舗でもボトル目当ての韓国人観光客による行列が出来るほど人気ぶりだという。
ブームの正体はインスタグラム
このMY BOTTLEは、模造品が出るほどのブームを韓国に起こしている。そのきっかけは、写真投稿アプリ「インスタグラム」によるSNSを通じた口コミによるものだ。透明のプラスチック製の飲料ケースであるマイボトルに「絵」になるオリジナルドリンクを入れた写真がインスタグラムに投稿されたことをきっかけに、マイボトル人気に火がついた。透明な大口のボトルなため、ドリンクだけでなく食品も入れることが可能なため、マイボトルを活用した写真投稿ブームとなっているようだ。マイボトルは今や若者の必須オシャレアイテムということなんだろう。
韓国EC市場は約3兆2400億円の規模があり、今後も年10%の水準で成長が見込まれる有望市場だ。IT先進国であることの強みを活かしEC市場も日本より数年先を進んでいると言われている。塾でWEBビジネスを習う高校生や、Eビジネス高校まであり、全校生徒が1人一EC店舗を開設するプロジェクトを実施するほどだ。
今回のマイボトルブームは、IT先進国ならではの現象であり、韓国向けのバイラルマーケティングの可能性を感じさせるものだ。日韓関係は決して良い状態とは言えないが、消費者レベルでは、売れるものは国関係なく売れるのだ。
EC出店へのハードルが下がり、誰もが商売を始めることが容易となった今、マイボトルに続く新しいブームはいつ発生してもおかしくない。
−山本一雄−