データから見るEC売上に対するWeb接客の効果とは?【Sprocket調査】
CRO(コンバージョン率最適化)のためのプラットフォームを提供する株式会社Sprocket(本社:東京都品川区、代表取締役:深田浩嗣、以下「Sprocket」または「同社」)は、自社の保有する行動データからWeb接客施策がECサイトの売上に与える影響を調査し、その結果を公表した。ここではその概要についてポイントを絞って見て行く。
調査概要
今回、Sprocketは同社の導入サイトのデータから、A/Bテスト結果の勝ちパターンを1カ月間100%表示した場合と表示しなかった場合とでリフト件数を求め、平均注文金額を掛け合わせて貢献金額を算出している。なおサイト規模の異なる5サイトを対象としている。
また今回の調査における「行動データ」とは、Webサイト内でのユーザー行動を表すデータとのことだ。Sprocketでは、「ページ閲覧」「スクロール」「クリック(タップ)」など、ユーザーがWebサイトで取った行動を行動データとして計測できる。
Web接客施策の王道「案内型」と「不安払拭型」
Web接客施策といっても様々だ。ECサイトの定番施策に「案内型」と「不安払拭型」があるが、それだけ「勝ちやすい施策」とも言えそうだ。「案内型」は、サイト内の行き先を迷っていそうなユーザーに対し、具体的な選択肢を提示し、ユーザーの目的に合わせて最適な案内をするというものだ。「不安払拭型」は、注文に関してよくある質問やその回答をポップアップで表示することでユーザーの不安を払拭するというものだ。
「案内型」施策の売上貢献度は?
まず、「案内型」施策の売上貢献金額を月間ユニークユーザー数(UU)の異なるサイト別に算出した結果だ。商材による振れ幅も大きいが、月間の売上貢献金額は、5サイトの平均で約108万円、最大で206万円となった。実際には複数のWeb接客施策が運用されているため、サイト全体での貢献金額はさらに大きくなるとしている。
「不安払拭型」施策の売上貢献度は?
続いて、「不安払拭型」施策の売上貢献金額をサイト別に算出した結果だ。この施策による月間の売上貢献金額は、5サイトの平均で約106万円、最大で163万円となった。サイトやユーザーの特性に適合したWeb接客施策を打ち出すことができれば、サイト規模によらず一定の成果を出せることがわかったと分析している。
重要なのはPDCA改善サイクルを適切に回し続けること
今回の調査では、「A/Bテスト結果の勝ちパターンを1カ月間100%表示した場合と表示しなかった場合」で売上貢献金額が算出された。同社は、前提として施策の「勝ちパターン」が見いだされていることが重要であり、そこに行きつくためにはA/Bテストを1回だけやればいいというわけではないと指摘する。
その上でWeb接客をサイトに導入したから成果が出るというわけではなく、A/Bテストを繰り返し、PDCAの改善サイクルを適切に回し続けることで成果に結び付きくとしている。同社も述べているように、ECをはじめとした自社サイトにおけるWeb接客などのパーソナライズ施策の内容と成果をしっかり確認し、伸ばせる余地がないか検討することが重要な要素となりそうだ。