BEENOSが2023年上半期越境ECトレンド発表、顧客理解とターゲット設定が鍵に
BEENOS株式会社(以下、同社)は2023年8月9日にBEENOS本社(東京都品川区)にて、2023年上半期(1月~6月)の越境EC動向をまとめた「BEENOS 2023年上半期 越境ECトピックス」を発表した。「世代別の傾向」「世代別ヒットアイテム」「外出復活と訪日への期待」の三部構成で行われた同発表会から、越境ECの世代別トレンドとヒットアイテム、越境EC事業へ挑戦するにあたって必要なことを紹介する。
人気ジャンルはフィギュア、ゲームなどのエンタメが上位に
同社によると2023年上半期の越境EC人気ジャンルは「フィギュア」「ゲーム」「自動車・バイクパーツ」。いずれも越境ECで需要の高いカテゴリーだ。世代別で見ると、10代から20代はフィギュアやアニメグッズなどエンタメ系のジャンル、30代から40代はエンタメ系に加えて自動車やバイクパーツなどのオートモーティブ系、50代以降はオーディオやブランド品など趣味嗜好のものが人気を集める結果となっていた。
また、全世代で共通する人気ジャンル「ファッション」について世代別の傾向を見ると、10代から20代は「HYSTERIC GLAMOUR」やスポーツブランド「NIKE」などの日本ブランドを求めている傾向にあった。50代から60代は明確に分かれず趣味嗜好やこだわりによってブランドが多様化しているようだ。
ヒットアイテムのポイントは「世界観」「品質」「独創性」「信頼性」
同社は2023年上半期の越境ECで購入数が伸長しているアイテムをヒットポイントとともに紹介。10代から20代は「地雷系・量産型ファッションアイテム」が2022年前半期比が約2.2倍に伸びているという。購入エリアとしては「北米(52%)」「ヨーロッパ(23%)」で7割を占めており世界観がはっきりしており、ファンがつきやすいことがポイントのようだ。
20代と40代では、ポリウレタン製で柔らかい独特の感触が人気のおもちゃ「スクイーズ」が2022年前半期比約2.2倍と伸長している。東アジアを中心にメロンパンのスクイーズが非常に人気だという。独特の質感やデザインの独自性が人気につながっているようだ。
20代と50代ではペット用仏具が人気だ。特にペットブームの続く台湾で伸長しており、売上は2022年前半期比で約2.5倍に伸びている。生活習慣に根ざした独自性のある商品であることが、海外の習慣と合致し、人気を集めているようだ。
越境ECに挑戦する事業者に行ってほしいのは顧客理解とターゲット設定
今回の越境ECに関するトレンドを知ってEC事業者は何をすればいいのだろうか。
越境EC事業者に対して伝えたいメッセージとして、BeeCruise株式会社 執行役員 本間哲平氏は「顧客理解とターゲット設定の重要性を理解して、設定をしてほしい。日本市場向けだとペルソナ分解を当たり前に行っていると思うが、海外になったとたんターゲット設定がざっくりしてしまい、成功につながらない傾向にある」とした。
要因としては、市場理解よりも手法を重視する傾向や日本での成功事例をそのまま海外に横展開してしまうことが考えられるようだ。市場理解と合わせて、自社の強みに合うユーザーを理解し、ターゲット設定をし施策を打っていく必要があるだろう。