モーメントマーケティングに発展する「東急ハンズアプリ」

お買い物のしかたを変えるアプリ


東急ハンズは25日、商品の店頭取り置きや通販ができるスマートフォン向け「東急ハンズアプリ」の配信を始めた。
同社は、ハンズのポイント管理など、従来の「ハンズクラブカード」をデジタル化。アプリやスマートフォンの機能を活用した「バーコードスキャン機能」などを実装し店舗とEC、ポイント機能などの統合を行った。

利用者は、店頭に並ぶ気になる商品のバーコードをアプリでスキャンすることで、スキャン商品がリスト化される。リスト化された商品はアプリ内で管理され、店頭取り置きや自宅への配送、店舗在庫の確認などが可能となる。また、入店に合わせ店舗のバッジやクーポンを受信する位置情報を利用した「チェックイン機能」も盛り込まれている。

同社は「スマートフォンアプリでお買い物のしかたを変える」というキーワードでオムニチャネルへの取り組みを行っている。オムニチャネル推進部長 長谷川秀樹 執行役員によると、オムニチャネルへの取り組みに関しては、3つのポイントがあると続けた。

1つ目は「お取り置き」。ハンズのECサイトにて特に告知もせず店舗取り置きサービスを開始した際、2割の顧客が取り置きを選択、来店時の合わせ買いなどで取り置き額1.2倍の購買が見込めることが判明したという。そうしたことから、顧客はそれほど来店を手間と思っておらず、想定以上にお取り置きニーズがあることに着目したという。

2つ目は店舗に無い商品の取寄せを「うけたまわる」機能。今まではハンズ店内が商品カタログで商品の検索や取寄せを行っていた部分を、店内商品カタログというシステムを用意し、顧客が利用できるという実店舗サービスだ。

3つ目は「一目惚れ」のサポート。ネットのお気に入り機能をリアルの場に持ち込もうというもの。店内で良いなと思った物も、一日過ごし帰宅する頃には忘れてしまうという購買タイミングのロスを改善する。
「バーコードスキャン機能」でお気に入りの商品をスキャンしお気に入りリスト化し、店内のみだった購買タイミングをアプリを介して延長していこうというものだ。店舗接客においてもその場で購入を促すような接客ではなく、バーコードスキャンを紹介。ゆっくりと商品の購入を考えてもらうという、余裕を持たせた接客方法にするようだ。

長谷川氏によると一番使う機能を配置することに注力したアプリのホーム画面では、顧客の「ハンズクラブカード情報」と「バーコードスキャン機能」がシンプルに配置されており、わかりやすい。
バーコードスキャンを行うと、スキャンした商品の説明と写真が表示されるようになっているが、ハンズには商品画像のないものもあるという。そうした場合でも、自身でその商品画像を撮影できるカメラ機能を付けてあると、同氏は店内での撮影に対しオープンな姿勢を見せた。

位置情報判別機能がマーケティングを変える


今後の展開としてはモーメントマーケティングを重要視したいと語る同氏。買いたいと感じた瞬間など、顧客の行動を捉えた店舗側のアクション、スマートフォンによる接客サービスの強化だ。
例えば、ハンズに来て買い物している顧客に対し、併設しているカフェのコーヒーチケットを配布、カフェで飲食している間に、新たな購買ポイントが発生するのでは…という具合だ。iBeaconなどの位置情報判別機能を活かし、来店している顧客の判別が可能だからこそ、まさに欲しい、買いたい状況にある時のマーケティング方法を強化していきたいとした。あとは電子レシートや、クレジット決済なども追加していきたいと今後の展開を語った。

「東急ハンズの魅力は店舗にある」とする同社のオムニチャネルに対する取り組み、特にモーメントマーケティングは今後業界の良いベンチマークとして多くのサービスから注目されていくだろう。




-山本一雄-