76.7%のユーザーが簡易包装に満足 産地直送ECサイトのSDGsに関する意識調査
農林畜水産物の産直サービス「産直アウル」(運営:レッドホースコーポレーション株式会社)は、SDGs週間(Global Goals Week)に合わせて、産直アウルのユーザーと生産者を対象に、食品ロス、過剰包装に関する意識調査を実施した。なお、SDGs週間は、国連でSDGsが採択された9月25日(GLOBAL GOALS DAY)を含む毎年9月末の約1週間開催される。
食品ロスは約523万トン、生産者側のSDGsへの取り組み
環境省の資料によれは、2021年度の食品ロスの発生量は約523万トンと推計される(※1)。これに対し、持続可能な開発目標(以下、SDGs)として2030年までに世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減させることが盛り込まれており、日本では489万トンまで減少させることを目標としている。
産地直送のWebマーケット「産直アウル」を利用する生産者はSDGsの主な取り組みに対して、「規格外野菜や未利用魚の出品(49.1%)」「簡易包装(42.9%)」「循環型農業(42%)」を挙げている。産直アウルのサービス自体が市場に出回らない規格外・訳あり食品の販売が可能となっており、SDGsに配慮した取り組みを行っている。
※1出典元:我が国の食品ロスの発生量の推移
食品ロスに対する取り組みが食材のファン化にも
生産者の取り組みに対して、消費者はどう感じているのだろうか。産直アウルユーザーが食材を購入する際「鮮度・味(53%)」「安全性(15.2%)」「価格(13.2%)」の順で重視しているという。また「訳あり品」は87.2%が購入したことがあると回答。訳あり品購入後、正規品を購入した割合も51.7%とユーザーから訳あり商品に対する需要は高いことがうかがえる。
訳あり品購入後正規品を購入した理由としては、「訳あり品がおいしいので正規品も食べてみたくなった(66.9%)」「美味しかったため周囲に紹介したくなった(15.8%)」「生産者のファンになった(14.4%)」があげられており、訳あり品は環境に優しいだけでなく食材へのファン化にもつながっているようだ。
食材購入の包装、76.7%が過剰包装と感じない
同社の調査によるとECサイトで食材を購入する際の梱包における過剰包装に関して、76.7%が過剰包装と感じないと回答している。SDGsの主な取り組みとして生産者は簡易包装をあげていたが、ユーザー側も負荷を感じることなく利用できていることがみてとれる結果となった。また梱包では、「商品保護の機能(55.2%)」「破棄しやすい(51.1%)」「環境に配慮した資材を利用している(38.1%)」の順で重要視しているデータからも梱包のきれいさは優先度が低いことも言える。
食品ロスの取り組みを行う上で、生産者の努力に対してユーザーは不便を感じていないことが分かった。ただ食品ECのEC化率は4.16%と低い(※2)。直接手にとって鮮度や産地を確認したい消費者に対して、どれだけオンライン上で伝えられるかが今後の課題となりそうだ。
※2出典元:令和4年度 電子商取引に関する市場調査
調査概要
調査機関:自社調査
調査手法:インターネット調査
有効回答数:産直アウル登録ユーザー1,247人
産直アウル登録生産者112人
調査実施日:2023年8月29日~2023年9月5日まで
調査対象者:「産直アウル」登録ユーザー、「産直アウル」登録生産者