ポイント/決済サービスの携帯キャリア別利用状況調査 ECサイトのクロスユース率は「楽天市場」が今回もトップに

ECのミカタ編集部

ポイント/決済サービスの携帯キャリア別利用状況調査

ICT市場調査コンサルティングのMM総研(以下:MMRI)は、15~79歳の男女50259人を対象にWebアンケート調査を実施し、2023年8月時点のポイント/決済サービスの携帯キャリア別利用状況をまとめた。本記事ではその一部を抜粋して記載する。

調査概要

◆調査対象:15~79歳の男女

◆回答件数:5万259人(うち、現在4キャリアを個人利用かつメインで利用している回答者を対象に分析)

▷ドコモ:35.3%(1万7720人)
▷au:19.0%(9543人)
▷ソフトバンク:11.8%(5805人)
▷楽天モバイル:7.7%(3881人)

◆調査方法:Webアンケート

◆調査期間:2023年8月10~15日

※本記事で使用する全てのデータ画像については、https://www.m2ri.jp/release/detail.html?id=597より引用する。

楽天がトップを走る一方、dポイントが利用率を伸ばす

ポイントサービス/クレジットカード/ECサイトのクロスユース率は楽天モバイル(※1)が前回調査(2021年8月時点)に引き続きトップとなった。

※1:2023年8月分の集計から楽天モバイルは楽天MNOサービス利用者のみ集計。

携帯キャリア(グループ企業含む)が提供するポイントサービスのクロスユース率は、楽天モバイルユーザーによる「楽天スーパーポイント」が73.1%で最も高く、次いで「dポイント」の40.4%という結果となった。

中でもドコモユーザーによる「dポイント」は、2021年8月調査時と比較して8.0ポイント増の40.4%と大きく増加している。「爆アゲセレクション」などの高いポイント還元などが、dポイント利用率向上に寄与していると考えられる。

QRコード決済ではソフトバンク、クレジットカードは楽天

携帯キャリアが提供するQRコード決済のクロスユース率では、ソフトバンクユーザーによる「PayPay」が55.3%で最も高く、利用率が半数を超えた。次いでドコモユーザーによる「d払い」が32.6%と続く結果に。

携帯キャリアが提供するクレジットカードのクロスユース率では、楽天モバイルユーザーによる「楽天カード」が65.8%で最も高く、次いでドコモユーザーによる「dカード」が24.9%。

2021年8月末調査時と比較してドコモは6.6ポイント増とクロスユース率の伸びがトップとなり、追い上げが鮮明となっている。

ECサイトのクロスユース率はドコモのみ増加

携帯キャリアが提供するECサイトのクロスユース率では、楽天モバイルユーザーによる「楽天市場」が58.7%で最も高く、次いでソフトバンクユーザーによる「Yahoo!ショッピング」の23.6%となった。

アンケート対象者全体のECサイト利用率も1.2ポイント減少しているため、今回の調査ではややECサイトを利用しない層が回答した結果、全体的にクロスユース率も減少に転じた可能性があり、増加したのはdショッピングのみ(0.7ポイント増)という結果になった。

サマリー

◆ポイントのクロスユース率は楽天が73.1%でトップを維持、ドコモが40.4%と躍進

◆QRコード決済ではソフトバンクが55.3%と半数超えで引き続きトップ

◆クレジットカードは楽天が65.8%、ドコモは6.6ポイント増で追い上げ

2021年8月末調査比で各社とも大きな伸びを見せたのはQRコード決済となった。

4社のクロスユース率を平均すると、QRコード決済は平均8.2ポイント増と他の項目よりも伸び率が高い結果に。2021年10月には決済手数料有料化による加盟店の離脱が懸念されたが、ユーザーのQRコード決済利用率は確実に上昇している。今後も、各サービスのタッチポイントとなる決済事業で囲い込みを強化し、他サービスへ誘導できるかが重要となる。今後の調査結果にも注目だ。


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