ecforce、統合コマースプラットフォームとしてオフライン市場進出へ
株式会社SUPER STUDIO(所在地:東京都目黒区、代表者:代表取締役 CEO 林紘祐、以下:同社)は、2023年10月17日、事業戦略説明会を開催した。ECカートとして地位を築き上げてきたecforceがオフライン市場にも進出することで業界に大きな影響を与えるだろう。以下、概要を記載する。
ECプラットフォームから統合コマースプラットフォームへ
同社は2017年にECプラットフォーム「ecforce」をリリースし、EC、オンライン上のデータを統合管理、分析、活用したCRMの実行までECビジネスの最適化を実現してきた。今後はオフライン市場も視野に入れた統合コマースプラットフォーム「ecforce」として、ECのみならずビジネス全体をテクノロジーとデータによって最適化することを狙う。
また、統合コマースプラットフォームとすることで、従来のターゲットであったオンライン主体物販D2C企業やサービス全般に加え、オフライン主体物販企業、サービスも取り込めるようになる。これにより小売市場全体がターゲットになるため、市場規模も154兆円に拡大するという。
同社ではこれまで、物販ビジネスの立ち上げから発展、システムからオペレーションまで全ての機能を有している統合ソリューションとして独自のポジションを確立してきた。
取締役 COO 花岡宏明氏は今回の説明会で、ソリューションを連携ではなく統合としたユーザー体験の違いについて、データ連携に必要な専門家が不要となり意識することなくサービス連携が可能なことやシステムの自動化が可能な点を強調した。
ecforceが生み出すOMOの顧客体験とは
2023年7月15日からは同社と三井不動産株式会社がOMOソリューションのひとつとして、リアル店舗「THE [ ] STORE」をMIYASHITA PARK(東京・渋谷)内へ展開している(※)。ここでできるOMOの顧客体験のひとつとして、店頭でのよりシームレスな購入体験をピックアップ。販売情報の入力や収集ができるPOSを利用せず、全ての商品にQRコードが配置されており、購入の際にはQRコードを読み込むことでスマートフォン上から購入手続きが可能。手続きで入力された情報はecforceを介して注文データを受け取れる仕組みになっているという。
なお、POSは日本全体でも浸透しているシステムであるため、連携する戦略も考えているようだ。
また自社決済端末に関しては、事業展開していく中で開発の可能性があると述べつつ、まずはPOSの様々なベンダーさんと協業してオンライン、オフラインのデータ統合管理を目指したいとした。他にもECサイトから各店舗の在庫状況がリアルタイムで確認でき、ブランド側も店舗ごとの在庫状況をリアルタイムで確認し機会損失を防ぐことが可能になる。
花岡氏はOMOについて「ITリテラシーを持っているかつ何十億というシステム投資を行って実現できることを、SaaSとして初期投資なく当たり前のように実現できる世界観を実現したい」と締めた。
※1関連記事:SUPER STUDIO×三井不動産 初のリアル店舗「THE [ ] STORE」内覧会レポート