コマースロボティクスとSBSホールディングスがEC物流分野で業務提携 バリューチェーン全体の自動化を共同で目指す
株式会社コマースロボティクス(以下:コマースロボティクス)とSBSホールディングス(以下:SBSグループ)が、EC物流分野で包括的な業務提携契約を締結した。
システム開発、物流サービスを分業
今回の業務提携に関する内容は以下の通り。
◆サイバーロジ事業の共同運営
小から中規模EC向けに、すべての物流業務がクラウドで完結できるクラウド型物流プラットフォームが「Cyber Logi(サイバーロジ)」。システムの開発提供は、コマースロボティクス、物流サービスの提供は、SBSグループが担当する。
◆クラウドOMSの「EC物流お任せくん」への提供
中から大規模EC向けに、SBSグループが自動化物流設備で提供するハイエンドなサービスが「EC物流お任せくん」。コマースロボティクスが開発したRPA機能付きのOMS(Order Manaegement System)を「EC物流お任せくん」サービスへの提供することで、受注処理から物流サービスが一気通貫で自動化が可能となる。
◆クラウド型OMS+WMSの提供
小から中規模EC向けに、「EC物流お任せくん」の基幹システムでは対応しきれない物流案件に対して、コマースロボティクス社が開発。900社以上が利用するクラウド型OMS+WMSシステム「コマースロボ」を提供する。
Cyber Logiサービスをリリース
業務提携の第1弾として、2023年11月1日に「Cyber Logi(サイバーロジ)」サービスを正式にリリースした。
EC事業者にとっての利用メリットは以下の通りだ。
◆初期費用無料、従量課金制で、物流サービスが利用できる。毎日の利用料金はクラウドで確認可能。
◆高性能OMSが無償で提供されるため、OMS利用料分のオペレーションコストダウンが可能。
◆信頼性のある大手の物流サービスが、リーズナブルな価格で利用可能。また、物流サービスは、倉庫と直接契約できる。
◆EC事業の事業が成長した場合、倉庫インフラの拡張が容易。さらに成長した場合は、SBSグループの3PLサービス「EC物流お任せくん」への移行も可能である。
完全自動型の物流プラットフォームの提供を目指す
サイバーロジ事業における業務提携の狙いについて、コマースロボティクスは以下のようにコメントしている。
「アマゾンや楽天など大手モールは、独自の物流サービスを提供していますが、複数モールにマルチチャネル出店しているEC事業者やShopifyなどを活用したD2C事業者向けの本格的な自動化型の物流プラットフォームはありませんでした。今回の業務提携で、大手モールのフルフィルメントサービスと同等レベルの本格的な完全自動型の物流プラットフォームの提供を目指します」。
また、SBSグループEコマース事業推進部部長である大森茂氏は、以下のようにコメントする。
「コマースロボティクス様は、SCMソフトウェアの観点から自動化に取り組んでいる数少ないスタートアップ企業であると思います。1300社以上に活用され、年間3000万件以上出荷の実績があり、安心して業務提携できると判断いたしました。共同でEC物流革命にチャレンジして、EC業界、EC事業者様のお役に立つように努力する所存です」。
低コストでEC事業者の課題を解決する
物流2024年問題など物流業界をとりまく環境は厳しさを増しており、業務範囲全般に対する効率化や自動化が求められている。これまでの業務効率は物流ロボットやマテハン機器といったハードウェア導入がメインだったが、今回の業務提携では受注処理などのソフトウェアを含めてバリューチェーン全体の自動化を共同で目指すという。
物流事業は、倉庫インフラと作業員が必要なビジネスモデルである。「品質の担保」「安定した送料タリフ確保」「スペース・人員の拡張性」といった観点から、今回の業務提携は今後も安定した物流の実現に大きく貢献するだろう。
今後EC事業者は在庫管理、需要予測、分析などより高度な作業が求められるようになる。低コストで様々な課題を解決できるコマースロボのようなサービス活用が、事業発展の明暗を分けることになるかもしれない。