ヤマトHD、物流の2024年問題に向けてフレイター1号機が成田空港へ到着

ECのミカタ編集部

※出典元:ヤマト運輸 公式X

ヤマトホールディングス株式会社(本社:中央区銀座、代表取締役社長:長尾裕、以下「ヤマトHD」)は、2023年11月6日公式Xにて、同社が導入を予定している、首都圏から北海道、九州、沖縄地域への長距離輸送用の貨物専用機(以下、フレイター)が成田国際空港に到着したことを発表した。

10t車 約5~6台分の積載が可能に

ヤマトHDと日本航空(以下JAL)は、持続的な物流ネットワークの構築に向けて、「フレイター」の運航を2024年4月から開始予定となっている。

これに向けて今回、成田空港に到着した機種は、エアバスA321ceo P2F型機。2023年5月8日からシンガポールのSTエンジニアリング社にて旅客機からフレイターへ改修を行っていたもの。2023年11月下旬(※1)から実機を使った飛行訓練を実施するとしている(※2)。

フレイターの最大搭載積載量は、1機あたり28tと10t車で約5台~6台分の積載が可能。運航地点は、羽田空港、成田空港、新千歳空港、北九州空港、那覇空港。現在は1機のみだが、3機すべてが稼働した後は4路線、1日で合計21便を計画しているという(※3)。

※1 2023年6月6日地点の情報
※2 出典元:貨物専用機への改修を開始し、 2024年4月の就航に向けた準備を着実に進行
※3 出典元:2024年4月から運航を開始する貨物専用機の運航路線・運航便数を決定

フレイター運航の背景

フレイター運用の背景として、物流の2024年問題があげられている。2024年4月1日から自動車運転業務の年間残業時間が上限960時間になることによる長距離トラックの輸送力の確保、代替手段の検討など物流事業者は大きな問題を抱えている。

一方でJALグループも、長期的な人口減少による国内路線の多頻度小型化の影響に加え、昨今の新型コロナウイルス影響下の環境変化による旅客機床下貨物スペースの減少などの課題を抱えており、新たな供給創出の必要性を感じていたという。今回の協業でこれまで長距離輸送を担ってきたトラック、鉄道、フェリー、旅客機床下貨物スペースに加え、新たな輸送手段としてフレイターを活用することで、安定的な輸送力の確保やサービス品質の維持・向上を図るとした(※4)。

ヤマトHDは2021年4月から、グループ経営資源を結集した「Oneヤマト」の経営体制を始動している(※5)。中期経営計画「One ヤマト 2023」はサプライチェーンの「End to End」に対する価値提供の拡大を目指しており、今回のフレイターも持続可能な物流を実現するためのひとつの施策だろう。今後、物流の2024年問題はもちろん自然災害など緊急時の輸送チャネルとしての一助として期待される。

※4 出典元:持続的な物流ネットワークの構築に向けて フレイターの運航を2024年4月から開始
※5出典元:ヤマトホールディングス 統合レポート2023


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