BtoB越境ECサービス「THE CKB X」の提供開始 中国国内で流通している商品の円滑調達を実現へ

ECのミカタ編集部

BtoB越境ECサービス「THE CKB X」の展開について

伊藤忠商事株式会社(以下:伊藤忠商事)は、子会社である伊藤忠繊維貿易(中国)有限公司(以下:ITS)を通じ、杭州史尼芙科技有限公司(以下:SNIFF)との合弁会社である浙江伊藤尼扶供応鏈有限公司(以下:ITONIFF)を2023年9月に設立している。ITONIFFは、2023年11月より日本の大手小売企業を対象に、中国国内で流通している商品を円滑に調達できるBtoB越境ECサービス「THE CKB X」の提供を開始することを公表した。

ドン・キホーテのアパレル、生活雑貨に活用予定

「THE CKB X」は、「THE 直行便」を日本の大手小売企業向けにカスタマイズした新しいBtoB越境ECサービスである。企業が持つ調達システムとの連携やUIの改善、専属サポートチームの設置など、より円滑な商品調達に向けてきめ細やかな対応が可能となる。

また「1688.com」においては、SNIFFとAlibaba Group Holding Ltd.傘下のAlibaba(China)Network Technology Co., Ltd.(以下:Alibaba)のパートナーシップを通じたAIの活用によって、日本市場のニーズに適したサプライヤー及び商品の絞り込みや、商品レコメンド機能も実現した。

すでに、株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングスが運営する、株式会社ドン・キホーテ(ドン・キホーテ)での導入が決定。ドン・キホーテにおけるアパレル製品や、生活雑貨などの商品調達に活用される予定である。

1688.comにおけるパートナーシップ契約を締結

SNIFFは、主に日本のECモール出店者を対象に、中国のECモールで流通しているアパレル製品・生活雑貨などの商品が小ロット・多品種で調達できる、BtoB越境ECサービス「THE 直行便」の展開を2015年に開始。現在は40億点に及ぶ豊富な商品群を取り扱い、検品や補修等の品質管理、国際輸送や倉庫保管等の貿易に至るまで、商品調達に必要となる業務を一気通貫で提供している。

すでに有料会員数は4万社を突破しており、その実績からSNIFFはAlibabaと中国最大級のBtoB ECモール「1688.com」における日本市場向け戦略的パートナーシップ契約を締結している。

今後は韓国、欧米への商品調達を目指す

伊藤忠商事は、中期経営計画「Brand-new Deal 2023」の基本方針の一つとして「『マーケットイン』による事業変革」を掲げる中、「THE CKB X」の展開について以下のようにコメントしている。

「祖業である繊維カンパニーは、あらゆるアパレル製品・生活雑貨などのOEM/ODM事業に携わってきました。近年、消費行動の多様化・細分化が進み、より多くの品揃えの中からより良い商品を選び取りたいという傾向が強くなる中、マーケットのニーズを捉えた新たな商品調達の選択肢として『THE CKB X』を展開し、ビジネスモデルの進化に取り組みます」。

将来的には中国だけではなく韓国や欧米などからの商品調達、日本商品の世界各国における調達を可能にするなど、グローバルにサービスを拡大しながら更なる収益基盤の強化を目指すとしている。前述した通り、「THE CKB X」はすでにドン・キホーテへの導入が決定しており、今後も各企業へ広がっていくだろう。本サービスによってますます伸長が期待される越境ECの動向に注目だ。


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