ステマ法規制に関する企業の意識、対応状況を調査 インフルエンサーに対する周知やSNS投稿の確認が不足している現状が明らかに
株式会社トリドリ(以下:toridori)は、SNSに関する調査レポートの第十弾を発表。今回のテーマは「ステルスマーケティングに関する法規制に関する企業の意識/対応状況」となる。本記事では一部内容を抜粋して紹介する。
調査概要
◆調査名称:ステマ規制に関する企業の意識・対応状況 実態調査レポート
◆調査対象期間:2023年11月20日~11月24日
◆調査対象:勤務先の企業でインフルエンサーを活用したPRを実施したことがある全国の20〜50代男女
◆有効回答者数:549名
◆調査方法:Fastaskを活用したインターネットリサーチ
◆調査機関:トリドリ調べ
6割以上の企業がステマ規制対策の勉強会を実施
「ステマ規制の施行前と比較して、SNSに関する業務フローにどのような変化がありましたか」という質問に対して「プロモーションに関わる従業員のみを対象とした勉強会の実施や教育の場が設けられた(29%)」「社員全体を対象とした勉強会の実施や教育の場が設けられた(20%)」「パートナー企業を含めた勉強会の実施や教育の場が設けられた(13%)」という回答が上位に並んだ。
また、6割以上の企業が、ステマ規制への対策として勉強会を実施したということが明らかになった。勉強会の実施以外の対策では「SNS投稿を発信する際のルールが見直された(23%)」や「投稿確認や、専門家への相談窓口など、SNS業務に関する管理体制が整えられた(10%)」という回答も集まった。
社外への周知が不足している現状が明らかに
「ステマ規制の対策として、どのような取り組みを実施していますか」という質問には「社内の学習環境の整備/勉強会の実施(53.6%)」や「専門家やパートナー企業への相談/依頼(47.4%)」「規制に関するルールの策定/周知(43.2%)」など、社内での対策に関する回答が多く集まった。
一方、インフルエンサーや投稿内容そのものへの対策を行っている企業はまだ多くないようで「対象となるSNS投稿のモニタリング/確認(33.9%)」や「インフルエンサーへの禁止事項の周知(18.4%)」というように、回答数は比較的少なくなった。
勉強会などの社内対策と並行して、PR投稿を依頼するインフルエンサーに対してもステマ規制対策を設けるなど、SNS上での効果的な販促活動も進める必要があるだろう。
今一度ステマ規制に関する確認実施を
昨今のSNSの急速な発展に伴い、広告であるにもかかわらず、広告であることを隠してSNS上でPR投稿を行い、消費者に誤認を与える「ステルスマーケティング」が増加し、社会問題化している。
こういった社会問題を踏まえ、消費者庁は2023年10月1日より、不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)の改正を行い「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」の規制を施行した。
施行から約2カ月が経過した状況で行われた本調査によれば「SNS上での健全なPRへの意識」が向上していることが明らかとなった。しかしながら、インフルエンサーや投稿内容に対する配慮はまだまだ発展途上であり、今後の課題として対策を講じる必要があるだろう。
ステマによる違反行為が認められた場合は、違反した表示の差止めや一般消費者に周知徹底することなどの措置命令等が行われる。サイトの信頼を損なわないためにも今一度内容を把握し、事例の確認から対策を進めるべきだろう。
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