楽天広告の種類、仕組み、費用をわかりやすく解説。運用のコツや設定方法も
楽天市場で広告を掲載しているEC担当者のなかには、広告の運用方法や予実管理のことで悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
楽天広告にはさまざまな種類があり、それぞれ特徴や費用が異なります。この記事では、楽天広告の種類やそれぞれの費用などを解説していきます。
なお、掲載する情報は2023年12月時点のものです。
そもそも楽天広告とは?
楽天広告は、楽天グループが提供するオンライン広告サービスのことを指します。
主に「楽天市場内広告」と「楽天市場外広告」の2つに分けることができ、今回は「楽天市場内広告」について扱います。
参考:楽天広告|広告商品|Rakuten Marketing Platform navi
大まかな楽天広告の仕組み
楽天市場に出店している店舗は、広告費を投下し、楽天市場というオンラインプラットフォーム上に商品やサービスを表示させて見込み顧客の関心を引くことができます。
広告の費用対効果を分析するツールも提供されているため、適切な予実管理のもと、広告を最適化することもできます。
出稿までのプロセスは非常にシンプルで、初心者でも活用しやすい設計になっています。
出稿の流れ
- 広告出稿者の登録
- 広告キャンペーンの設定
- 広告の作成
- 広告表示の設定
- 広告効果の分析や最適化
楽天広告のガイドライン
楽天広告に関しては、公式サイトにて明確なガイドラインが掲載されています。
景品表示法やネットショップ運営に関わる基本的な事項や禁止事項、楽天ブランドの使用可否などが細かく掲載されているので、広告を出稿する前に確認しておくことが重要です。
出典:Rakuten Marketing Platform広告ガイドライン
楽天市場内広告の種類
楽天市場の広告には、以下3つの種類があり、それぞれに特徴があります。ここでは、3種類それぞれの広告の特徴を解説します。
- 運用型広告
- 掲載型(ディスプレイ)広告
- メール配信(R-Mail)
順番にみていきましょう。
運用型広告
運用型広告とは、リアルタイムに広告の効果をモニタリングし、最適化しながら運用する広告です。
楽天の運用型広告には、以下の3種類があります。
- RPP広告
- クーポンアドバンス広告
- 楽天CPA広告
RPP広告
RPP広告は、ユーザーの検索結果ページに表示される検索連動型広告のことをいいます。ユーザーが検索したキーワードとマッチした商品の「商品名」「キャッチコピー」「商品説明文」を自動的に表示する仕組みです。
RPP広告はあらかじめ枠数が決まっており、この広告枠に表示させることで、ほかの表示枠よりも優先的に商品が表示されます。この枠を利用できれば、商品ページへの流入数の増加やそれにともなう購入数の増加が期待できます。
クーポンアドバンス広告
クーポンアドバンス広告は、ユーザーが広告をクリックすると、自動的にクーポンが取得できる広告のことを指します。広告をクリックするだけでクーポンが取得できるため、コンバージョンにつながりやすいのが特徴です。
楽天市場のトップ・ジャンル・検索結果など多くのページに表示され、表示内容はユーザーの検索履歴からパーソナライズされます。
成果報酬型広告なので、ユーザーがクーポンを取得するたびに課金が発生する点に注意が必要です。
楽天CPA広告
楽天CPA広告は、広告を経由して購入されると課金が発生する広告です。入稿作業が不要で、RMS(楽天市場の店舗運営システム)で同意するだけで24時間以内に配信が開始されます。
楽天市場のトップやジャンルのページに掲載されるものの、どのページにどの商品が掲載されるか指定できないのがデメリットです。
好きなタイミングで広告配信のスタート / ストップを切り替えられるため、コンバージョンの状況などに応じて配信量を細かく調整できます。
掲載型(ディスプレイ)広告
掲載型(ディスプレイ)広告は、楽天市場内で、商品ページなどの一定エリアに掲載される広告のことを指します。
ターゲティングディスプレイ広告(TDA)
ターゲティングディスプレイ広告とは、店舗側が設定したセグメントに対して、バナー広告を配信できる広告のことです。
この広告は、広告の表示回数に応じて課金が発生するのが特徴です。また、入稿時に選択するパッケージによって広告掲載面やIMP(広告表示)単価は変わります。
楽天市場に買い物に来ているユーザーに対して表示されるため、効率的に集客できます。
あわせて読みたい: 【2023年版】楽天のターゲティングディスプレイ広告(TDA)とは?
メール配信
楽天市場の出品者は、「R-Mail」と呼ばれるメルマガ配信機能を利用できます。
販売商品の購入履歴のある顧客や楽天提供の送信リストに向けて、商品にまつわるお役立ち情報や、新商品、セールス情報を届けることで、顧客との関係構築や購買促進に役立つでしょう。
R-Mailでは、「セグメント配信」と「自動配信」の2つの配信方法があります。
セグメント配信lでは、購入回数や会員ランク、生年月日などユーザーの属性に絞り込んだメルマガの配信が可能です。例えば、「誕生日月ユーザーへの特別クーポン配信」など、店舗独自の手法で自由にアプローチできます。
自動配信では、複数用意されている既存シナリオを利用して、メールを自動配信できます。定期的にユーザーに告知できるのはもちろん、都度原稿を作成・編集する手間が省ける点はメリットです。
なお、以前は「おすすめニュース広告」という名称のメルマガ配信サービスがありましたが、こちらは2022年9月30日をもって終了しています。
楽天広告の費用
ここまで、楽天広告の種類をみてきましたが、その違いが伝わったでしょうか?
ここでは上記で解説した楽天広告の種類ごとに、かかる費用を表にまとめました。
広告カテゴリ | 広告メニュー | 費用 |
費用感・ イメージ |
---|---|---|---|
運用型広告 | RPP広告 | 5,000円以上 | 普通 |
クーポン アドバンス広告 |
40円 x 発行された クーポン数 |
安い | |
楽天CPA広告 | 広告経由の売上高 x 20% | 普通 | |
掲載型 (ディスプレイ)広告 |
ターゲティング ディスプレイ広告(TDA) |
IMP単価 (5万円/月 程度) |
高い |
メール配信 | R-Mail |
1通あたり1円 (週1回の無料配信あり) |
安い |
楽天広告を出す際には、予算と費用目安も参考にしながら、どの広告メニューで掲載するか検討するとよいでしょう。
楽天広告の設定方法
楽天広告は、専用のメニューから簡単に設定できます。広告メニューごとの設定の手順は以下の通りです。
広告カテゴリ | 広告メニュー | 設定方法 |
---|---|---|
運用型広告 | RPP広告 |
1.プロモーションメニュー 2.検索連動型広告(RPP) 3.キャンペーンを登録 |
クーポン アドバンス広告 |
1.プロモーションメニュー 2.運用型クーポン広告 (クーポンアドバンス広告) 3.キャンペーンを登録 |
|
楽天CPA広告 |
1.プロモーションメニュー 2.効果保証型広告(CPA広告) 3.広告配信ステータスの切り替え |
|
掲載型 (ディスプレイ) 広告 |
ターゲティング ディスプレイ広告(TDA) |
1.プロモーションメニュー 2.ターゲティング ディスプレイ広告(TDA) 3.キャンペーンを登録 |
メール配信 | R-Mail |
1.RMSにログイン 2.オプション機能利用申込・解約 「からR-Mail(メール配信)」 「に申込み 3.メルマガ配信管理画面で登録 |
キャンペーンの登録に関しては、初心者でも操作はできますが、専門知識がなければ効果的な内容で設定するのは難しいかもしれません。自社での広告運用・管理が難しい場合は、代行会社などに相談したほうがよいでしょう。
楽天広告の運用のコツ
広告運用する際には、どのような点に気をつけるとよいのでしょうか。
楽天広告の運用のコツには、主に以下のようなものがあります。
- 広告の目標(KPI)を明確にする
- 商品やセグメントごとに細かい設定をする
- パフォーマンスレポートを活用して最適化を図る
まずは、数値目標を明確にすることが重要です。広告予算に対する見込み成果を決めておくことで、運用改善の指針とすることができます。
そして、商品や商品カテゴリごとに単価やキーワードの設定、除外設定などをすることも大切です。初心者ほど大雑把に設定してしまいがちですが、それでは無駄だらけなので、仮説を立てて細かく設定しましょう。
パフォーマンスレポートを見れば、リピート率やアクセス数などがわかります。これらの数値を分析して設定を変えることも重要なポイントです。「CVRの高い商品の露出を強化する」「リピート率が高い商品の露出を強化する」「商品タイトルや説明文を見直す」など、データからわかる課題に応じて最適化をすることで、パフォーマンスを高めていくことができます。
楽天の広告運用はプロに代行してもらうのがおすすめ◎
楽天に限らず、ECサイトの広告運用・管理は専門知識が求められる業務です。「とりあえず出稿してみて、売上が増えるか試してみる」という使い方では、コストを垂れ流すことになりかねません。
自社にECサイトの広告運用・管理に精通したスタッフがいない場合は、代行会社に委託するとよいでしょう。適切な会社選びができれば、委託費用を差し引いても、高いパフォーマンスで成果を上げることができるはずです。
しかし、多くの方は「どこの会社に頼むべきかわからない……」という悩みをお持ちです。ECのミカタでは、そんな方の代行会社選びをサポートする無料サービスをご提供しています。専門のコンシェルジュがお悩みを解決できる代行会社をご紹介しますので、気軽にご相談くださいね。