年末年始間の高速道路における渋滞は前年度比116% 渋滞回数は予測を下回る
高速道路4社が昨年末から今年年始にかけての高速道路の交通状況を発表。主な区間における10km以上の渋滞回数は前年度比116%の144回で、うち30km以上の渋滞回数は4回だった。今回の結果について、「物流の2024年問題」への対策を含めて変化の時期を迎えている高速道路を巡る状況と合わせてお伝えする。
10km以上の渋滞回数は前年度比116%となる144回
東日本高速道路株式会社(NEXCO東日本)、中日本高速道路株式会社(NEXCO中日本)、西日本高速道路株式会社(NEXCO西日本)、本州四国連絡高速道路株式会社(JB本四高速)は、2023年の年末から2024年年始にかけての高速道路の交通状況(速報:全国版)を発表した。対象期間は12月28日から1月4日までの8日間。主な区間(代表40区間)における10km以上の渋滞回数は前年度比(※1)で116%となる144回。そのうち30km以上の渋滞回数は4回だった。
出典元:年末年始期間における高速道路の交通状況(速報)【全国版】
※1:比較対象は2022年12月28日~2023年1月4日の8日間
平均日交通は前年度比の103%。渋滞ピークは下り線12月29日、上り線1月2日
平均日交通(全車)は3万6300台/日で、前年度比の103%。内訳は小型車が3万1400台/日で前年度比104%、大型車は4900台/日で前年度比98%。渋滞のピークは下り線が12月29日、上り線が1月2日で、特に長かった渋滞発生箇所は1月2日の関越自動車道上り線川越IC付近の43.2km(渋滞原因は交通集中および事故)だった。
「ECのミカタ」でもお伝えしたように、同4社と(公財)日本道路交通情報センターが昨年11月に発表していた渋滞予測では10km以上の渋滞回数が180回(うち30km以上の渋滞回数は5回)と予測されていたが、それを下回る結果となった。
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高速道路における「物流の2024年問題」への対応
高速道路は日本の物流における大動脈。既報したように年末年始の渋滞は物流にも影響を与えるが、高速道路を巡る状況は現在進行形で変化しつつある。昨年12月には、警察庁の有識者検討会が現行80km/hとされている高速道路での大型貨物自動車等の法定速度を90km/hに引き上げても交通の安全に大きな影響はないと提言(トレーラを除く ※2)。また、政府の物流革新緊急パッケージ(※3)でも触れられている自動運転トラック実現に向けた取り組みも進む。さらにSA・PAでのダブル連結トラックに対応した駐車マスの拡充や、IC近くの物流施設の建設といったインフラ面の整備も進行中だ。
編集部ではこれら高速道路における取り組みを含め、ECと深く関わる「物流の2024年問題」を引き続き追いかけていきたい。
※2 高速道路における車種別の最高速度の在り方に関する有識者検討会の提言について
※3「物流革新緊急パッケージ」(令和5年10月6日我が国の物流の革新に関する関係閣僚会議決定)
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